「紙の家」インタビュー:中国で暮らす性的マイノリティを真正面から描く、“友情”や“恋愛”だけで単純に定義できない百合ゲームに込められた想い【TGS2026】

東京ゲームショウ2026
0コメント 小林白菜

千葉・幕張メッセにて9月17日~20日にかけて開催の「東京ゲームショウ2026」。SELECTED INDIE 80ブースに出展された「紙の家」についての紹介とインタビューをお届け。

「紙の家」は2025年8月にSteamで発売された、中国の高校生活を舞台としたノベルゲームです。主人公が女性同性愛者であり、そのアイデンティティにまつわる葛藤や、恋愛を含むヒロインたちとの交流が描かれることから、百合作品のコミュニティでも注目を集め、日本語化が待望視されてきたタイトルでした。

そんな本作が、今年9月に日本語を含む多言語訳を新たに実装。筆者もまた、とりわけ百合について深い見識をお持ちの相互フォロワー、Haltさんの絶賛をよく耳にしていたため、日本語で遊べる日を楽しみにしておりました。

※のちにHaltさんは、この投稿が読んだ人を傷付けかねない書き方だったと訂正。「日本ではなく中国でうまれ」の部分が、「以前から求めていた自分の原体験に重なる作品が、海の向こうの作品だった」ことへの感動を表現したものだったことを補足説明しています。

そんな折、東京ゲームショウ2026を取材していると、「紙の家」のパブリッシングを手掛けるTailtone Gamesがブース出展しているのを発見。まだ筆者自身は本作を十分に読み進められていなかったものの、制作に携わった方の話を直接伺うまたとない機会だったので、翻訳アプリを片手にインタビューを決行しました。

「紙の家」インタビュー:中国で暮らす性的マイノリティを真正面から描く、“友情”や“恋愛”だけで単純に定義できない百合ゲームに込められた想い【TGS2026】の画像

短めのインタビューではありますが、「紙の家」がどんな想いで世に出されたのか、気になる人はぜひチェックしてみてください。

※翻訳アプリを介しているため、インタビュー内容は発言の細かなニュアンスを正確に届けることができない可能性がある旨を了承いただいた上で記事にしています。

物語の舞台は、2018年の冬。主人公の趙穎(ジャオ・イン)は、家庭のいざこざに嫌気が差し、親友の王芸菡(ワン・イーハン)とともに授業をサボり、ゲームセンターに逃避する日々を過ごしていました。

「紙の家」インタビュー:中国で暮らす性的マイノリティを真正面から描く、“友情”や“恋愛”だけで単純に定義できない百合ゲームに込められた想い【TGS2026】の画像

そんな中、一匹の子犬、陰気なクラスメイト、不思議な女子大生、ほかにもさまざまな人々との出会いが、彼女の淀んだ日常に波紋を広げてゆきます。

ストーリー展開は、プレイヤーの選択によって分岐。3人のヒロインとのルート以外に、隠しルートも存在します。果たして趙穎の物語は、どんな結末を迎えるのでしょう?

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なお作中には、性的マイノリティに関する描写や、いじめ、家庭内暴力、自傷行為など、PTSD・フラッシュバックを引き起こす可能性のある表現が含まれています。あらかじめ把握したうえでプレイすることを推奨いたします。

Tailtone Gamesインタビュー

――この「紙の家」というノベルゲームは、中国で非常に大きな反響があったとお聞きしています。それほどの反響をもって迎えられたのは、本作のどのような特徴に由来するのでしょう?

Tailtone Games:本作は、実在する中国の学生たちが直面する問題について描いています。「紙の家」以前に、同様の気持ちを扱ったゲームは少ないと思います。

こうした複雑な感情は、言葉で説明するのがなかなか難しいです。実際にプレイヤー自身に体験してもらったほうが、よりはっきり伝わるかもしれません。中国社会や中国式の家庭、学校、クラスメイト同士の人間関係などに結びついた、かなり独特な感覚なんです。

「紙の家」インタビュー:中国で暮らす性的マイノリティを真正面から描く、“友情”や“恋愛”だけで単純に定義できない百合ゲームに込められた想い【TGS2026】の画像

――では、本作をプレイする上で知っておいたほうがいい中国に関する知識はありますか?

Tailtone Games:おそらく、予備知識は要らないはずです。ゲームを遊んでいるうちに理解が深まるようになっていると思いますので。ゲームのボリュームは、1周目で2時間くらい、すべてのエンディングを見るのに8~10時間くらいなので、ぜひ気軽に触れてみてほしいです。

――今年に入って日本語にローカライズされましたが、他言語への翻訳についてはどのようにお考えですか?

Tailtone Games:ローカリゼーションは、翻訳者に対し、できるだけ本来の味わいで中国の風味を忠実に表現することが求められます。日本の皆様にできるだけ原汁原味のゲームをお届けできるように努めております。

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――最後に、本作に触れる日本のプレイヤーに伝えたいことがあればお願いします。

Tailtone Games:「紙の家」は確かに、少女同士の複雑で親密な関係を描写しており、性別やアイデンティティの問題も含んでいますが、恋愛関係を中心とした従来の百合ゲームとは異なります。キャラクター間の関係性は、必ずしも「友情」や「恋愛」だけで単純に定義できるわけではありません。そうした本作ならではの関係に関心を持っていただけるなら、きっと忘れられない物語になると思います。

深淵なるゲームのおもしろさを探求しながら「アイカツ!」シリーズや「プリキュア」シリーズ、「プリティーシリーズ」などの女児アニメの魅力を広める活動にも力を入れている。 X(旧Twitter):https://twitter.com/Kusare_gamer

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