【特別連載】「History of TOMB RAIDER」第1回「トゥームレイダー」シリーズの魅力を探る(前編)

0コメント 仁志睦

スクウェア・エニックスより2013年4月25日に発売される「トゥームレイダー」シリーズの最新作、PS3/Xbox 360/PC「TOMB RAIDER」。このコーナーでは歴代作品の内容を振り返りつつ、シリーズに関するさまざまなミニ知識を紹介していく。

ゲームファンなら「トゥームレイダー」の名はご存じだろう。女性探検家ララ・クロフトが世界中の遺跡を舞台に冒険を繰り広げる3Dアクションアドベンチャーの人気シリーズで、プレイヤーはさまざまなアクションを駆使してステージ内に仕掛けられたトラップを突破していくことになる。映画「インディ・ジョーンズ」シリーズをゲームにしたようなものと言うと分かりやすいだろう。

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海外での1作目のタイトルは「トゥームレイダー」だが、日本では
「トゥームレイダース」という「インディ・ジョーンズ」シリーズ1作目を意識したタイトルでリリースされた。

第1作は1996年(日本では1997年2月14日)に発売され、全世界で300万本以上の売り上げを記録。シリーズ9作の累計出荷本数は3500万本を超え、アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化もされるなど、現在も欧米を中心に高い人気を誇っているのだ。そして、2013年4月25日には最新作となる「TOMB RAIDER(トゥームレイダー)」が、いよいよ日本で発売となる。

この「トゥームレイダー」シリーズは、なぜ17年もの長きに渡って世界中のファンの支持を集めてきたのか? 連載第1回となる今回は記念すべき1作目「トゥームレイダース」の内容をもとにシリーズの人気の秘密を探っていく。

なお、1作目と2作目の「トゥームレイダー2」では主人公の名が「レイラ・クロフト」となっていたが。ここでは混乱を避けるため表記を「ララ・クロフト」に統一している。

画期的だった3D表現とカメラワーク

本シリーズの最大の魅力は主人公ララの豊富なアクションと世界各地を舞台にしたパズル性の高い3Dステージにある。「ジャンプ」「よじ登る」「泳ぐ」「物を動かす」といったさまざまなアクションを駆使して、ステージ内の道なき道を進んでいく緊張感はスリリングのひとこと。無数のトゲに串刺しにされたり、転がる巨大な岩に押しつぶされたりと、アクションに失敗したときの死にざまが多彩かつハデなのも醍醐味のひとつだ。一歩間違えば「死」となるだけに突破したときの快感は格別。極めつけの達成感や爽快感が味わえるので、つい病みつきになってしまうのだ。これらは1作目から変わらないシリーズ共通の要素となっている。

高所によじ登ったり、そこから遠くの足場にジャンプで飛び移ったりと
ステージ内は手に汗握るシーンの連続(2点とも「トゥームレイダース」)。
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最新作となる「TOMBRAIDER」はララの死亡シーンがかなりリアルさを増すなど、さらにスリルがアップしている。

これらの要素を際立たせていたのが、3Dで描かれた立体的なステージと遠近法を駆使した映像表現だ。例えば、遠くにあるものは闇などに隠れていて見えないが、主人公のララを操作して奥に進んでいくと建物や像などがぼんやりと浮かび上がってくる。さらに近づくと、それらがハッキリと大きく見えてくるというように遠近感で広さ、奥行き、建物の大きさなどを表現し、それにより立体空間ならではの臨場感や迫力を生み出したのである。

周囲を見渡すなどの視点操作が可能で、頭上や足下を見ることで高低差を実感できるようになっていた点も画期的だった。高所から落下したら1発でゲームオーバーとなるだけに、ガケの上や建物の屋上などから下をのぞき込むのはかなりスリリングで、高いところが苦手な人は思わず身をすくませたものだ。

1作目の時点で、このように遠近法を使った表現が使われていたのだ(2点とも「トゥームレイダース」)。

主人公のララを背後から見る3人称視点を使ったアクションの描写も見逃せない。特に注目すべきは画面のカメラワークで、例えばジャンプの操作をするとララよりも若干タイミングが遅れて画面が空中に飛び出したように揺れる。着地時もララよりもほんの少し後に画面が振動して着地したことを表す。つまり、ララの後方を映すカメラを操作しているように見せることで、彼女の後を追うという3人称視点でのアクション描写を説得力のあるものにしていたわけだ。

さらに、バック転をしたときにはすかさずカメラが引いて、横の視点からしっかりとアクションを映したり、坂道をすべり降りるときにガタガタと画面を小刻みに揺らしたりする細かなカメラワークも随所に導入。こういった巧みな演出の数々が、立体空間でのキャラクター操作を楽しませる要因になっていた。

シリーズを追うごとにアクションの表現が洗練されていった
(上2点「トゥームレイダー4」、下2点「トゥームレイダー レジェンド」)

ここまで紹介してきた表現方法は、どれも現在ではポピュラーになっていて特に目新しいものではない。だが、1作目が発売された当時は1枚絵の背景の上でキャラクターを動かす「バイオハザード」シリーズのラジコン操作や「DOOM」などの1人称視点が主流で、まだまだ立体空間を舞台にした3人称視点は珍しかったのだ。1作目発売と同じ年に任天堂から「スーパーマリオ64」という3Dアクションの一大傑作も登場してはいるが、3D表現において「トゥームレイダース」もまた群を抜いた存在であったことは間違いないだろう。

ちなみに1作目は3Dアクションアドベンチャーの先駆けとなったゲーム史に残る名作として今日でも高い評価を得ている。それだけ完成度が高く、かつ革新的だったからこそ300万本もの売り上げを記録し、世界中で多くの支持を集めたというわけだ。

シリーズのほうはその後もアクションを使って3Dの箱庭ステージを探索していくという1作目の基本部分を踏襲しつつ、ロープを使ってターザンのように移動したり、鉤付きの縄を操る「グラップルアクション」が使えるようになったりと、1作ごとにさまざまな新アクションが追加。キャラクターやステージ描写などの映像表現も磨きがかかるなど、さらにやり応えを増していった。

低迷した時期もあったが、7作目の「トゥームレイダー レジェンド」以降の3作がスマッシュヒットを記録し
人気が再燃(「トゥームレイダー アンダーワールド」)。

もちろん、最新作の「TOMB RAIDER」でも弓を使った攻撃をはじめ新たな要素が満載。ララの外見、広大なフィールド、襲いかかってくるモンスターなどの映像面も格段にパワーアップしており、新世代の「トゥームレイダー」というべきまったく新しい作品になっているのだ。いったいどれだけの変貌を遂げたのか、リリースをぜひ楽しみにしていてほしい。

次回はゲーム性と並ぶ「トゥームレイダー」シリーズのもうひとつのセールスポイント、主人公のララ・クロフトをピックアップ。欧米で社会現象とも言える熱狂的な支持を集めた、彼女の人気の秘密を探っていこう。

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