コーエーテクモゲームスは、DVD+CD「戦国無双 武将遊戯」の発売記念イベント「戦国無双 声優奥義 外伝~出陣! 義の誓い~」を3月30日に神奈川・横浜BLITZで開催した。今回は昼の部をレポートする。
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幸村&三成&兼続の義トリオ登場!ドラマパートを熱演
オープニングアクトを務めたのは、ネオロマンスタイトルの応援隊「アンフィニ」だ。アクロバチックなダンスには「かっこいー!」という歓声も飛び交い、続けて「戦国無双3」の「夢痕」に歌詞をのせて歌い上げる。義トリオから「歴史に残るくらい盛り上げろ!」と言われたとのことでプレッシャーも大きかったようだが、扇によるしっとりとしたパフォーマンスも含めて見事に大役を果たしたといえるだろう。
いよいよ、義トリオこと草尾毅さん(真田幸村役)、竹本英史さん(石田三成役)、高塚正也さん(直江兼続役)の3人が登場すると、会場内のファンは一際大きな歓声で出迎える。まずはオープニングドラマ「義の誓い」を披露。長篠の戦いで無残に散った武田の兵、断ち切られていく絆を前に「武士(もののふ)の時代は終わり、義は死んだ」と、幸村は打ちひしがれてしまう。
場面は変わり、豊臣秀吉の圧倒的な大軍勢を目前とした幸村は「やはり数こそが世を制圧するのか」と思い悩む。そこに現れたのは、三成と兼続の両名だ。兼続が「秀吉様の天下に不満でもあるのか?」と問いかけると「不満などない」と言いながら、どこか迷いを見せる三成。ならばと兼続が幸村にも声をかけ、三成の悩みを解きほぐそうとする。
三成は小田原攻めに勝利を確信しながらも、数で勝利が決まるのであれば秀吉の天下はまだまだ揺ぎないものではないという。「数」という言葉に引っかかりを覚えた幸村は「秀吉様の天下とは何なのだ」と三成に問うと「皆が笑って暮らせる世の中こそ、秀吉様の目指す天下だ」と即答する。ただの理想ではなく、それを現実として支えるものこそ数。しかし数を重ねるには限界があるという三成に、兼続は「数が全てではない。大切なのは…」と言いかけたところで、幸村がみごとなタイミングで「義」であると答える。
義とは「人の心にある大切なものを守りたい」という気持ち。さらに兼続は「大一大万大吉」という言葉には、一人が皆のため、皆が一人のために尽くせば幸せな天下が訪れるという意味があると続ける。信じられないと切り捨てる三成に対し、この乱世で「熱き義の心」を持った同士にめぐり合えたのだから「これぞ天の与えし絆」と断言。そんな兼続の言葉に、幸村も「義は死んでいない。義は私の心にある」と希望を取り戻すのだった。
息ぴったりの振り付けも!渾身のライヴパフォーマンス
ライヴステージの皮切りは、マイクスタンドを使ったパフォーマンスや息の合った振り付けを見せた「仰ぎて天に愧じず」。最後は片手を大きく振り上げてポーズを決めると、ファンは3人へ大きな拍手や歓声を送っていた。続いては「物申す」を竹本さんが堂々と歌い、草尾さんは「明鏡止水~もののふが道~」を会場内の1人1人に伝えるように熱唱。楽しそうに笑顔をふりまく高塚さんは「日輪に誓う~愛と義の太陽!~」の中で常に手を振り、まさに溢れんばかりの「愛」が感じられた。
ライヴが終わると、1人で舞台上に残る高塚さん。天気の心配などで場を繋ぐが、草尾さん・竹本さんの両名はなかなか出てこない。ややあって登場するも「ツッコミどころがないから、出ていけなかった」と高塚さんのトーク力を褒め(?)、食ってかかろうとする高塚さんを、草尾さんは「改めまして、義トリオでーす!」と無理やり振り切ってしまう。
今回のステージは本当に急に決まったとのことで、数あるキャラクター達の中でも「持ちネタが多くて安心だから」という理由で3名が抜擢されたと話す竹本さん。初めて衣装もついたそうで、和を感じさせる模様をはじめ、背中や足に入った「愛」「焔」といった刺繍からも義トリオらしさが感じられる。発売されたばかりのDVD+CD「戦国無双 武将遊戯」については、高塚さんが本気で酒に酔っていたことをさっそく指摘。すかさず「今は皆さんに100%酔っています!」と切り替えせば、竹本さんが「早く俺を酔わせてくれよ」と囁くと、ファンからはため息にも似た声が漏れていた。
以前、竹本さんとたった2人で京都・太秦のステージに立ったことを振り返る草尾さん。こうして横浜BLITZまで来たので、今後は大阪などにも行ってみたいという。とくに「大坂 夏の陣/冬の陣」のように、大阪城の近くでイベントを開催したいと話すが、竹本さんが「大坂の陣じゃ俺は出れない…」とこぼす場面も。高塚さんが「ゲームにはifの話もあるから大丈夫!」とフォローし、草尾さんは「どんなものが来ても受けて立ちます!!」と意気込みを語っていた。
ゲストの山田さん&藤本さん登場!ステージはますますヒートアップ
再びライヴでは、草尾さん「青冥之鷹」、竹本さんが「狭霧之彼方」を歌ったところで、山田真一さん(島左近役)が番傘をともなう外套姿で登場。大人の魅力たっぷりに「侍魂~KIZUNA~」を歌い、続いて「風雨同舟」ではこれからが本番といったように外套を脱ぎ捨てて扇を使った華麗な舞でファンを魅了した。
ライヴ後、がっちりと抱き合う竹本さんと山田さん。「もう昼だけでいいです」という山田さんに対し、竹本さんが「左近は俺から離れないんだろ!!」とエールを送る。山田さんは番傘に「大一大万大吉」の文字が手書きされていることをアピールしつつ、パンフレットに書いていた「イリオモテヤマネコが魚を獲る瞬間のモノマネ」を完成度80%ながら公開。筆者は実物を見たことがないので似ているかどうかはコメントできないが、100%の状態が見られるのを楽しみにしよう。
ここで藤本たかひろさん(福島正則役)が背中に家門の入った長ランとオシャレなリーゼント姿で登場し、3人で熱い「男・一番槍」を絶唱。舞台袖でサインライトを振っていた草尾さんと高塚さんも加わり、5人が揃うと非常に「男くさい」雰囲気に。息ぴったりの振り付けを見せた、自称「福トリオ」に練習時間を聞くと「中野(戦国無双声優奥義 2012秋)の頃からやろうって話をしてた」「二泊三日の合宿で」「長ランは自前」など、もっともらしい冗談ばかりが飛び出し、こちらでも息のあった掛け合いを見せていた。
さらに、高塚さんが「会場の皆さんと一緒にやりたい振り付けがある」と告白。アンフィニと一緒に練習することとなるが、肝心の高塚さんがうっかり順番を間違えてしまうというハプニングも。しかし練習の甲斐もあり、会場が一体になった「愛と義の嵐!」を大満足といった様子で歌い切った高塚さん。イベントの話が出た際、真っ先にこの歌を提案したとのことで、とくに思い入れも強かったようだ。
コスプレや飲み会も?!今後の展開に期待が高まるエンディング
エンディングを目前に控え、草尾さんと竹本さんも合流。会場のエネルギーに圧倒され、感無量といった高塚さんに、竹本さんも「実は1曲目の時は手が震えた」、草尾さんも「これが戦国無双という作品の持つパワーで、僕らも死ぬ気でいかないと。皆さんが敵というわけじゃないですが、かかってこいや!という気持ちで歌ったりトークしたりしています」と、それぞれの感想を伝えた。
改めて、さいたまスーパーアリーナで開催された「戦国武将祭」での苦労を振り返ると、竹本さんは「リーダーがやりたいって言ったじゃん!」と弁明しつつ、またコスプレをしたいと発言。また、DVDの内容を受けて「高塚さんと一緒に飲んで見たい人は?」という質問には、黄色い悲鳴と共にファンは力いっぱい挙手。「本当に酒飲んで寝るよ?!」という高塚さんだが、もしかしたらこうしたユニークな企画が実現する…かもしれない。
草尾さんは「今回のDVDで作った歌も、いつかイベントでやらないとねって話だったんです。でも、すぐにこうした機会が巡ってきたわけで(笑)」と、こんなに早いタイミングになるとは夢にも思っていなかったが、運命的なものを感じたという。今日という日を記憶に残してほしいという願いから、ピアノ生演奏と「草枕之夢」の歌詞をベースとしたミニドラマも併せた会場限定の特別バーションを披露。戦に明け暮れる毎日でも、せめて眠る時くらいはいい夢が見られますようにと、疲れが癒されるような甘い歌声とピアノの音色が会場全体を包み込んだ。
鳴り止まない拍手の中で義トリオが再登場し、幸村・三成・兼続としてこの戦場(いくさば)に集った武士(もののふ)達に礼を述べる。「友よ!共に勝利の勝どきをあげようぞ!!」という幸村の声に呼応し、アンコールライヴの「天晴!」がスタート。ファンも「見・せ・よ・う!」を一緒に歌い、イベントが終わる最後の瞬間まで楽しんでいた。
残念ながら今回のステージは映像化されないが、ファンの心には思い出として深く刻みこまれたことだろう。今後も応援次第で、さまざまな展開が期待できそうだ。