追加ストーリーはファンが驚く内容に―PS3「The Last of Us」今後の展開ついてディレクター、ブルース・ストレイトリー氏にインタビュー

インタビュー
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ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアより発売中のPS3用ソフト「The Last of Us」。本作のゲームディレクターを務めるブルース・ストレイトリー氏にインタビューを行い、今後配信予定のDLCなど、気になる話を伺ってきたので紹介する。

2013年6月に発売されて以降、全世界で約340万本の販売本数を達成した「The Last of Us」は、「アンチャーテッド」シリーズなどで知られるNaughty Dogが開発した、サバイバルホラーアクションゲームだ。発売から約4ヶ月が経過しているので、すでに本編をクリアした人も多いだろう。

今回、本作のゲームディレクターを務めるNaughty Dogのブルース・ストレイトリー氏が来日したタイミングでインタビューを行い、今後配信されるダウンロードコンテンツなど、ファンが気になっているであろう質問をぶつけてきた。これからの展開が気になる人もいるかと思うので、ぜひ読み進めてほしい。

――「The Last of Us」の発売から約4ヶ月が経過しましたが、ユーザーからどのような反響があったか、改めて教えてください。

ブルース・ストレイトリー氏
ブルース・ストレイトリー氏

ストレイトリー氏:全体的に、すごく良い評価をいただいています。私たちの作った世界やキャラクターが、みなさんの心を動かすことができたようで、とても光栄に思っています。

――セールスという点では、340万本を販売したというニュースが届きましたが、その後も順調に推移しているのでしょうか?

ストレイトリー氏:私は開発スタッフなので細かい数字は分かりませんが、日本を含めた全世界で順調に売れていると認識しています。「The Last of Us」は、私たちの表現したかったものを正直に作ったゲームです。それがこうしてみなさんに受け入れられ、喜んでもらえたことは嬉しいですね。

――日本でもヒットを記録しましたし、手応えを掴んだのではないでしょうか。

ストレイトリー氏:日本のユーザーさんからは、ゲームに関するアンケートをいただきまして、そこでも「とても楽しめた」という声が多かったですね。また、他のゲームと比べて、コメント欄にビッシリと感想や意見を書いてくれる方が非常に多かった印象です。それだけ、熱心なファンの方が生まれてくれたのだと思います。

――「The Last of Us」は「アンチャーテッド」シリーズと比べるとかなり難しく感じたのですが、なぜこのようなゲームデザインにしたのですか?

ストレイトリー氏:私はできる限り多くの方がプレイできることを心がけてゲームを作っていますが、「The Last of Us」に関しては、しっかりとチャレンジできるゲームにしたかったのです。「The Last of Us」という世界観であれば、ゲームの中で戦略を練ったり、いろいろと試行錯誤したほうが、ユーザーさんも感情移入できるはずと考えました。

ですから、ある程度のユーザーさんが「難しすぎる」と感じるのは仕方がないと思っていましたし、逆に「この難しさだからこそ面白い」と言ってくれる方もいるだろうと信じていました。

――10月16日にはダウンロードコンテンツとして「マップパック」が配信されましたが、こちらの反響はどうですか?

ストレイトリー氏:以前からマルチプレイを楽しんでいる方は、ダウンロードコンテンツのマップも気に入ってくれているみたいです。単なる追加マップではなく、構造によって新しいプレイスタイルが生まれてきたりと、これまでとは違った楽しみ方ができる点が好評のようです。一方で、シングルプレイをメインに楽しんでいる方は「シングルプレイ用のDLCがほしい」という意見が多かったですね。

現在配信中の「廃墟となった町」をテーマにしたマップパック。

――シングルプレイ用のダウンロードコンテンツも、今後は配信していくんですよね。

ストレイトリー氏:1つだけですが、追加ストーリーを配信する予定です。シングルプレイのダウンロードコンテンツを配信するのはNaughty Dogとしても初めてのことなので、実験的な意味合いが強いですね。

ですが、リリースする以上は、「The Last of Us」ファンの方が気に入る内容にしたいと思っていますし、本編では分からなかった側面にもスポットライトを当てるつもりです。

――追加ストーリーの配信時期はいつ頃になりますか?

ストレイトリー氏:正確な日付は未定ですが、今年の12月から来年初頭にかけてのタイミングを予定しています。

――追加ストーリーはNaughty Dogとして初の試みというお話ですが、本編とは違ったこだわりがあったのでしょうか?

ストレイトリー氏:せっかくのダウンロードコンテンツですし、何か新しいことをやろうとは開発当初から考えていました。詳しいことはお話できませんが、ユーザーさんが思ってもいなかったストーリーに仕上がっていますよ。また、プレイ感覚についても、本編と同じではなく、新しい仕掛けを考えながら開発に臨みました。

――シングルプレイを楽しみ尽くした人であっても、新しい発見がありそうですね。

ストレイトリー氏:そこは実際にプレイした方に聞かなければ分かりませんが、あると思いますよ。

――では、マルチプレイ用のコンテンツについては、今後も追加していくのですか?

ストレイトリー氏:10月に配信したマップ以外に、もう1つのコンテンツに取り組んでいます。こちらも開発中のため詳しくは言えませんが、ファンの方が喜んでくれる内容にするつもりです。

――一連のダウンロードコンテンツは発売から4ヶ月から半年後に配信と、かなり時間がかかった印象ですが、開発にも相当な時間をかけたのでしょうか?

ストレイトリー氏:ユーザーさんに新しい楽しみを与えるためには、やはり必要な時間でしたね。すべてのユーザーさんの理想を叶えるのは、どうしても不可能に近いです。しかし私たちは、1人でも多くの方に楽しんでもらいたいですし、そのためには一定のクオリティを保証しなければいけません。これだけの時間がかかったのは、こだわりぬいた結果です。

――ちなみに、開発に取り掛かったのはいつ頃からなのでしょうか?

ストレイトリー氏:企画が動き始めたのはかなり前の話になりますが、本編の開発終盤は追い込みが過酷だったので、すべてが終わった後は開発チーム全員が燃え尽きていたんです(笑)。追加ストーリーのアイディアを本格的に議論し始めたのは、完成した約2週間後のことでした。そして、7月の初めから本格的な開発をスタートしました。

――本格的にダウンロードコンテンツの開発が始まったのは、発売後からだったのですね。

ストレイトリー氏:海外ではシーズンパス(配信予定のDLCをまとめたパック)を配信していたことからも分かる通り、ダウンロードコンテンツの構想自体は以前からありました。しかし、その内容、特にシングルプレイ用のコンテンツをどうするかは、後から徐々に決めていった形です。

――「The Last of Us」は、本編だけでも充分に完成したストーリーになっていると思います。そこに新たなストーリーを付け加えることは、難しい作業だったのではないでしょうか。

ストレイトリー氏:仰るとおりで、「The Last of Us」の完成されたストーリーに何かを加えることはとても苦労しました。ですが、現在配信を予定している追加ストーリーは、私たちが誇りを持っておすすめできる内容に仕上がっています。それにファンの方も、内容の濃さにきっと驚いてくれると思います。

――では、追加ストーリーで本編では語られなかった謎が分かるということもあり得るのでしょうか。

ストレイトリー氏:いえ、今回のストーリーでは、意図的に大きな情報を伏せています。実際に「The Last of Us」のような大惨事が起こったとき、市民が重要な情報を手に入れることは難しいと思います。ユーザーさんには、そんなキャラクターの視点に立ってもらうために、あえて情報を排除しているのです。これはダウンロードコンテンツに限らず、「The Last of Us」全体に言える姿勢ですね。

――今後も長期的にダウンロードコンテンツを配信する予定はあるのですか?

ストレイトリー氏:いえ、「The Last of Us」に関してはマップパックと追加ストーリー、そして最後のマルチプレイ用コンテンツですべてです。

――「The Last of Us」ではダウンロードコンテンツ以外にも、定期的なアップデートを行っていますよね。

ストレイトリー氏:常にゲームを最高の状態にしたいと思っているので、ユーザーさんからのフィードバックを見つつ、アップデートを順次行っています。また、ユーザーさんから細かいバグの報告があったときも、すぐに対応するようにしています。

――ユーザーからは、これまでにどういった要望があったのですか?

ストレイトリー氏:やはりゲームプレイに関係する要望は多かったです。例えばマルチプレイのマップで、資源の入った箱の位置が非対称的だったので、不利になってしまうチームがあったのです。不利なチームに入るとそれだけでストレスになってしまいますし、その点はすぐに対応しました。

――マルチプレイというと、発売から4ヶ月が経った現在でも、人気があるのでしょうか?

ストレイトリー氏:マルチプレイは今でも多くのユーザーさんがプレイしており、私個人としても、かなり満足のいく結果になっています。マルチプレイは言うまでもなく他のユーザーさんを相手にしており、AIを相手にするよりも遥かに手強く、より高い緊張感が生まれています。ユーザーさんには、この緊張感が高評価だったようで、いまだにプレイし続けていただけています。

――最後に、日本のファンへ向けたメッセージをお願いします。

ストレイトリー氏:私たちゲーム開発者はなかなかファンの方々と話をする機会がありませんが、新作が発売され、多くの感想が寄せられると、嬉しい半面恥ずかしくなるという、不思議な気分になります(笑)。日本でこれだけのヒットを記録し、多くの反響が私たちに届いたということは、このゲームがみなさんの心を動かせたからだと思いますし、プレイしてくれたことに感謝しています。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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