エレクトロニック・アーツが2013年12月12日に発売した、PS3/Xbox 360/PC用ソフト「ニード・フォー・スピード ライバルズ」。ここでは、警察とレーサーによる激しい公道レースを楽しめる本作のプレイインプレッションを紹介する。
「ニード・フォー・スピード ライバルズ」は、エレクトロニック・アーツの新しいスタジオであるGhost Gamesと、Criterion Gamesのレーシング専門チームが共同で開発した、アクションレーシングゲーム「ニード・フォー・スピード」シリーズの最新作で、警察とレーサーによる激しいバトルが、広大な世界で繰り広げられる。
プレイヤーは警察とレーサーのどちらを選ぶことも可能で、それぞれのミッションをクリアして、名声を上げていく。本稿では、警察とレーサーに用意された異なる楽しみ方を中心に紹介していこう。
レーサーとなってスピードを極めろ
レーサーの最終目的は、危険なドライビングで悪名を世界に知らしめことだ。そのため、レーサーに用意されたミッションには、「最高時速を更新する」「警察車両を破壊する」など、過激な内容が多い。
これらのミッションをクリア、あるいは警察の追跡を振り切ると、Speed Points(スピードポイント)が加算される。このポイントで新しいマシンやアイテムを入手し、より難易度の高いレースやミッションに挑戦していく流れになっている。ただし、ゴール地点に相当するセーフハウス(警察側だと「コマンドポスト」)へ入る前にマシンが破壊されてしまうと、そのセッションで得たポイントは0になってしまうので要注意。
ゲームを始めると、まずは広大なマップが映し出される。プレイヤーはこのマップ上の好きな箇所から発進することが可能だ。そのため、目当てのミッションのスタート地点や、挑戦したい他プレイヤーの近くなど、さまざまな利用法がある。
ちなみに、レース中でもマップを確認することは可能だが、ゲームを停止することはできない。残念ながら、一度レースに出てしまうと、ゆっくりマップを確認する暇はないのだ。そんなときに有効活用したいのが、十字ボタン操作で扱えるGPS。GPSを起動すれば、最寄りのチェックポイントや、車体のダメージを回復できるリペアショップまで誘導してくれる。
レーサーのマシンは、耐久性や最高速度、加速などの性能をアップグレードすることも可能。どんなにレースで好成績をあげても、最終的にセーフハウスへ無事に戻らなければ意味がない。筆者としては、耐久性を重点的に上げることをおすすめしたい。
ここまでレースに入る前の準備段階を紹介してきたが、ここからはレースでの操作感やシステムをお伝えしよう。高速で公道を走り抜ける爽快感が魅力の本作だが、壁にぶつかるだけでもダメージは蓄積されてしまうので、ある程度の正確さも要求される。ただアクセルを踏み続けるのではなく、時にはブレーキを織り交ぜ、ドリフトで確実にコーナーを抜けるテクニックも大切だ。
そして、正確な操作ももちろんだが、一定時間速度を上げられる「ナイトロメーター」や、相手レーサーや警察に攻撃する「ガジェット」も、レースを勝ち抜くためのポイントだ。ガジェットには、体当たりすると静電気で相手に衝撃を与える「スタチックフィールド」や、前方の車両にダメージを与える「衝撃ラム」などがある。いずれも絶大な威力を持ち、使いこなせばレースを有利に進められることは間違いない。
時には安全運転も必要な警察
一方の警察は、基本的な操作はレーサーのときとほぼ変わらず。性能面を見てみると、スピードが高い代わりに耐久性の低かったレーサーとは逆に、耐久性が高く、スピードは抑えめに設定されている。追跡中のレーサーに思い切りよく体当たりしても、簡単に壊れるケースはまずないので安心してほしい。もちろん、最高速度では劣っているので、そこはガジェットを駆使したりといった工夫が必要だ。
警察のミッションは、やはりレーサーの確保を中心とした内容が多い印象。また、プレイ中には車体にダメージを与えることなくゴールに辿り着く「ラピッド・レスポンス」というレースも存在する。純粋にスピードを極めるだけではなく、時には安全運転も必要なあたりが警察の特徴といえる。
車両のカスタマイズに目を向けてみると、ガジェットに関してはレーサーと同内容だが、性能のアップグレードは不可能。その代わり、ミッションをクリアするたびに新しい車両が次々にアンロックされ、自由に変更することが可能だ。ちなみに、レーサーでも車両を変更することはできるが、その際にスピードポイントを消費することになる。
レーサーを追跡するときに意識したいのは、マップに表示される道を信じすぎないことだ。本作は広大なフィールドを自由に走行できるオープンワールドになっており、場所によっては、脇道に入ったり、道無き道を進むと思わぬショートカットができることも。ミッションの中には、捕まえるまでの制限時間があるものや、同時に復数の車両を追跡するものもある。一刻もはやく捕まえるためには、常識にとらわれない走行がカギを握る。
また、ナイトロメーターで高速走行しながらの体当たりも非常に有効。ナイトロメーターの使用時間には限りがあるので、ここぞというときに使用して、確実に当てていきたい。
レースゲームの常識を打ち破る爽快感が魅力
本稿では本作のシステム面を中心に紹介してきたが、実際にプレイする際には、まずは思い切り走って、その爽快感を実際に味わってほしいところ。一般車も走る公道の中を走り抜けるスリルは、他のレースゲームではなかなか味わえない感覚だ。また、先程も軽く触れたとおり、本作はオープンワールドとなっており、コースのバリエーションも実に多彩。雪の降る山道を登ることもあれば、ハイウェイを高速で逆走することだって可能だ。
また最後になるが、ソロプレイとマルチプレイをシームレスに切り替えられる「AllDrive」も革新的な新機能なので紹介しよう。この機能によって、ソロプレイ中でもマップ上には常に他プレイヤーがリアルタイムで走行するようになり、プレイヤーはいつでも、好きなタイミングで対戦を楽しめる。
オンラインモードに切り替える必要がなく、さらにいつでも好きなタイニングでマルチプレイに臨めるので、これまでマルチプレイを敬遠していた人でも、気軽に遊べるのではないだろうか。
随所に革新的な要素を取り入れながら、誰でも存分に楽しめる分かりやすさも持ち合わせた作品に仕上がっている本作。グラフィックやサウンド、細かなエフェクトに関しても一級品の出来なので、ぜひ体験してほしい。