コーエーテクモゲームスは本日3月24日、PS/PS Vita/PC用ソフト「Winning Post 8」が3月27日に発売を迎えることを記念して完成発表会を開催した。
発表会の冒頭では、コーエーテクモゲームス代表取締役副社長 兼 ソフトウェア事業部長の鯉沼久史氏が挨拶を行った。鯉沼氏は、「ウイニングポスト」シリーズの立ち上げは、当時コーエーの創業者である襟川陽一氏が馬主であったこと、さらに同社がシミュレーションゲームを得意としていたことが影響しているという。馬主であった経験を活かしてしっかりゲームを作ってこれたため「それが20年間支持された理由だと思います」と述べた。
この後は鯉沼氏から場を引き継いで、「ウイニングポスト8」のプロデューサーを務める山口英久氏が登壇し、ゲームの説明を行った。本作は、自分が作り上げた血統によって大レースを制覇するシリーズ原点の面白さはそのままに、血統の継承や人馬の絆といったドラマなど、新たな要素が多数盛り込まれている。
その新要素のひとつとして、自分の牧場が3Dで描かれていることも挙げられる。今作では牧場の施設をすべて配置できるわけではなく、限られたスペースにどれをどう配置するか考えながら生産性重視、育成力重視など、戦略的に牧場を作っていくことになるという。3Dになったことで放牧されている愛馬たちの姿を眺めることもでき、作り込まれたモーションには「馬好きの人たちが眺めているだけでも楽しんでもらえると思います」とコメント。
また、シリーズで初めて結婚して家族を作ることも可能となっている。結婚、そして出産によって子供、孫と世代を繋いでいくことができるのだ。子供や孫は、自分が運営する牧場のスタッフにしたり、騎手や調教師にすることもできるという。
最初にも触れられた“人馬の絆”として、自分が育てた競走馬に子供が騎乗してレースに出場するといった展開が発生することも。単に強い競走馬を目指すだけでなく、家族同士のつながりや人馬の絆が感じられるようになっているとのこと。
もちろん競走馬の血統も重要なことに変わりはない。今作では牝馬の継承も可能となっており、牝系の活躍によってその牝系に特性が付き、より能力の高い競走馬を育成したり、自分だけの血統図を構築するといったことも行える。
そうして育てた競走馬が出走するレースのグラフィックも欠かせないところ。馬の質感やモーション、さらには空気感までも見直し、レースシーンをパワーアップさせたという。レースは昔のものであれば実況の声が少しラジオっぽく聞こえたりと、時代の流れによって演出面を変えているようだ。
そして今週3月27日に発売を迎えるが、今後の展開として無料ダウンロードコンテンツを配信することが明かされた。DLCの内容は、本作に登場する2人の秘書の衣装を切り替えられるというもの。季節ものをはじめ、「デッド オア アライブ」のかすみや、「真・三國無双」シリーズの貂蝉といった衣装などが用意されている。こちらの配信は4月中旬予定だというので、続報をお待ちいただきたい。
山口氏によるゲーム紹介の後は、ゲストとして騎手の福永祐一さんと、タレントであり競馬中継などに出演している谷桃子さんが登場し、ゲームや競馬に関するトークを繰り広げた。
「ウイニングポスト」シリーズは全作品プレイしたという福永さんは、「国が娯楽として提供する競馬は純粋なスポーツではないですし、単なるギャンブルでもありません。数ある公営競技のなかのひとつですが、その中で一番支持されているのは、やはり人と馬が織り成すドラマがあるからこそだと思います」と、競馬そのものの魅力について語る。「ウイニングポスト8」では、そうした魅力を伝えてくれるのでは、と期待感を表に出した。
谷さんは映像のクオリティと演出のこだわりについてコメント。自分だけの牧場が作れることだけでなく、「自分が名付けた競走馬をレースでアナウンサーが呼んでくれるのはたまらないです!」という。
なお、福永さんは本作「ウイニングポスト8」に、谷さんは「100万人のウイニングポスト」に出演している。自身がゲームに登場したことについて、まず福永さんが「嬉しい以外の何物でもないですね」と率直な感想を述べた。一方で、「出演していると自分の名前が使えないので困りますね(笑)」と、プレイヤーならではの意見も飛び出した。
谷さんも、やはり嬉しかったことは同じで「私の名前が桃子なので、勝負服に桃のマークを入れさせてもらったり、生まれが茨城なので納豆マヨトーストというアイテムを入れさせてもらいました」と、当時のエピソードを披露。家族みんなに自慢するほどの喜びだったようだ。
トークコーナーも終盤に差し掛かると、アラブ首長国連邦で現地の3月29日に行われる国際GIレース「ドバイデューティーフリー」へ福永さんが騎手として出場することもあり、そのレースを本作でシミュレートした映像が公開された。
「当日のモチベーションに影響するかもしれません(笑)」という福永さんが見守る中、レースはスローペースながら、福永さんが騎乗するジャスタウェイは先行気味のポジションをキープ。そして最終コーナーを曲がった後、400mの直線で徐々に追い上げ、わずかにかわして見事一着でゴールインとなった。
これを見た福永さんは「メイダン競馬場の芝は後方一気が難しいので、シミュレーション通りのポジションでいて、直線途中から抜き出していきたいイメージでした」と、映像通りに行きたいと意気込みを語った。
こうしたシミュレーションのように、60周年を迎える日本中央競馬会と20周年を迎えた「ウイニングポスト」シリーズのコラボとして、「『ウイニングポスト8』でレース予想イベント」と称して、3月29日の日経賞とダービー卿CTのレース検討会が行われる。ソフト発売後はゲームと合わせてチェックしてみてはいかがだろうか。
最後に、登壇者からのコメントをお届けしよう。
福永さん:今作は非常にバージョンアップされて新しい要素がたくさん盛り込まれています。僕がプレイしていても楽しかったですし、たくさんの方に遊んでもらいたいと思います。やり込み要素もありますが、映像がキレイなので入りやすくゲームに興味がないという方でも入りやすいですし、バランスのとれたゲームだと思います。
谷さん:このゲームの魅力である人馬の絆は、現場の裏側を知らない人でも業界のことが分かるんじゃないかと思いますし、牧場を作ってからレースに出す流れ、最強馬を目指すところも魅力だと思うので、いろんな人に知ってもらい、遊んでもらいたいです。
山口氏:「ウイニングポスト8」は久しぶりのナンバリングタイトルで、開発スタッフ一同、全力で作ってきました。福永さんをはじめ、競馬関係者の中にもファンの方がいらっしゃって、開発中にアドバイスをいただき、いいゲームに仕上がったと思います。ゲームの目標は最強馬を作ることですが、人同士、あるいは人と馬のドラマも魅力のひとつです。血統などの細かいところが分からずとも遊べる内容になっていますので、シリーズをプレイしたことがない人もぜひプレイしてみてください。