iOS/Android向け和風伝奇ホラー×脱出アドベンチャー「四ツ目神」を紹介！今週のおすすめスマホゲームアプリレビュー

編集部注目のスマートフォン向けゲームアプリを毎週レビュー！　今週は、iOS/Android向け脱出アドベンチャー「四ツ目神」を紹介！

今週のおすすめはiOS/Android「四ツ目神」！

蒸し暑く寝苦しい夜が続く今日この頃。そんな盛夏の只中におすすめしたいのが、iOS/Android向け脱出アドベンチャー「四ツ目神」だ。

本作は、都会から父と共に帰省してきた少女・佐原真依の視点から綴られるノベルアドベンチャーとなっており、プレイヤーは古からの因習が残る閉鎖的な村を舞台に、村で信仰される「四ツ目神」と真依の実家である「相良家」にまつわる過去を解き明かしていくこととなる。

物語は、真依の夢から幕を開ける。暗い空間に流れる「殺さないで」と訴える子供らしき声と、母親らしき人の懇願するような声……和をイメージしたBGMも相まって、のっけから一気にゲームに引き込まれる。本作にボイス機能はなく、状況の説明などはテキストのみとなっているのだが、その無機質な冷たさがまた、なんとも言えない恐怖を駆り立てている。

本作はフローチャート式に物語を辿っていくこととなり、一つのチャートをプレイするには精神力（スタミナ）を消費する。精神力は時間経過でも回復していくほか、回復アイテム「おだんご」を使用することで精神力を全回復することができる。また、精神力を無限にできる「無限だんご」もあるので、各々のプレイ状況に合わせてゲームを進めていくことができる。

ノベルゲームながら脱出ゲーム…つまり謎解き要素も含まれている本作は、さまざまな場所をタップで調べることで物語のキーとなるアイテムを入手したり、「アーカイブ」と呼ばれるストーリーの核心に迫る重要な要素を見聞きすることができる。こうした探索はストーリーを進めていくうえで必要不可欠となっているので、訪れた場所は隅々まで調べ上げ、かつ人がいればしっかりとすべての会話を聞いてフラグを成立させておこう。



顔の消された家族写真。それが意味するものとは…？

本作はマルチエンディングシステムが採用されており、プレイヤーはゲーム中にさまざまな選択を迫られることとなる。どこへ行くか、あるいは行かないか。誰かを助けるか、それとも見捨てるか。

いくつもの選択肢の結果、物語はいくつにも分岐していく。すべてのエンディングが見たいという人は、分岐点に用意されているヒント等を頼りに、すべてのエンディングの回収を目指そう。


選択肢によってストーリーが分岐することも。また、会話の有無も物語の進行には欠かせないポイントだ

また、ゲームを進めていくとさまざまなアイテムを入手することがある。これらは特定の場面で使用することで物語を進行させる鍵になっているほか、単体では効果のないアイテムも、アイテム同士を組み合わせる（合成）させることで効果を発揮するものもある。キャラクター同士の会話や状況など、さまざまな場面にヒントは隠されているので、行き詰った時は以前探索した場所を再び訪れてみるのもいいだろう。


木の棒とおわんを組み合わせて柄杓が完成。これで手水舎（ちょうずや）に身を清めることができる。

真依を呼ぶ奇妙な声に、相良の屋敷の奥にある不気味な鋼鉄の扉、真依を“四ツ目神社”へと誘う奇妙な面を被った二人組の子供…そして、“四ツ目神社”で出会うイミゴと自称する不思議な少年。

気掛かりな要素が序盤から次々と出現し、プレイヤーを魅力的な世界観へと引き込んでいく「四ツ目神」。操作自体は実にシンプルなので、特に迷うことなくプレイしていけるはずだ。ただ、やはりというべきか、重要なアイテムなどは見え辛く隠されるように配置されていることもしばしば。この点には若干のストレスを覚えるかもしれないが、そこは謎解きの醍醐味と思って臨んでいこう。


顔に当てられたお面や布…それらにはすべて、四つの目が描かれている…。

子供たちに誘われるように訪れた“四ツ目神社” そこでは不可解な現象が次々と巻き起こる。

基本無料でありながらかなりしっかりとした作りとなっており、シナリオも非常に濃い内容となっている。ノベルゲーム、特に日本の因習や昔話などと掛け合わせたお話が好きな人にはぜひおすすめしたい一本だ。

また、余談ではあるが、本作は神社などを舞台としていることもあり、それらにまつわる豆知識を知ることができる。たとえば、神社の守護を目的として置かれる“狛犬”だが、これらは口の開いている“阿形”と口の閉じている“吽形”に分かれているのはご存知だろうか。また、神社の入り口などで見かける鳥居は、何故“鳥”とつくのか知っているだろうか。

こういった日本の古き良き神事などに関する知識も得られる作品なので、気になった人はぜひプレイしてみてほしい。



こうした説明を見るだけでもかなり面白いので、ゲームをプレイする際はぜひいろいろな場所を探索してほしい。