発売まで約半月と迫ったPS4/Xbox One/PC用ソフト「フォーオナー」。今回はクリエイティブディレクターを務めるジェイソン・ヴァンデンバーグ氏へのインタビューと、新ルール&ストーリーモードのプレイレポートをセットでお届けする。
チームワークがカギを握る「エリミネーション」
今回、プレイする機会を得た新ルール「エリミネーション」は、4人ずつ攻守に分かれ、ひとつのフィールドで戦うというものだ。
基本的な操作は、同じく4vs4の戦いが繰り広げられる「ドミニオン」などと同じ。決定的に異なるのは、一度倒されたら仲間に蘇生してもらわない限り、リスポーン(復帰)できないサドンデス方式が取られている点だ。
となると、大事なのは上手く2vs1の局面を作り出すこと。他のルール、モードでもそうだが、「フォーオナー」は数的有利の状況に持ち込むと一気に優位に立つことができる。
今回は新たにピースキーパー、ウォーロード、守護鬼の3人のヒーローを選択できた。筆者はこの中から守護鬼を選んでプレイ。初心者向けの、一撃が大きなハードヒッターだ。敵の攻撃を防ぎ、こちらの攻撃をきっちりと当てていくプレイングが求められる。
1vs1の局面では、慌てずこちらのペースに持ち込めば、一発のダメージが大きいので軽々と相手を倒せる。ただ、やはり囲まれるとひとたまりもなく、試合開始早々に2人がかりでやられてしまうことも。倒されたプレイヤーは戦場を俯瞰視点で見られるようになるので、チャットなどで戦況を仲間に教えてあげよう。倒されても、最後まで戦闘に参加できるのだ。
初心者はここから!「ストーリーモード」
本作のストーリーモードでは、ナイト、ヴァイキング、侍といったヒーローたちが争う理由が、物語を追って明らかにされる。単にストーリーが楽しめるだけでなく、基本的なゲームプレイも身につくので、マルチプレイですぐに倒されてしまう人は、こちらで練習がてらストーリーを楽しんでみよう。
一人用のモードではあるが、単にマルチプレイのマテリアルが流用されているわけではない。ストーリーモードだけのマップがちゃんと作られていたり、敵を馬で追いかけるシーンがあったりと、独立したモードとしてかなり丁寧に作り込まれていることが伺えた。日本語のボイスも流暢だ。
筆者はアクションゲームがそこまで得意ではないが、ストーリーモードをプレイしていて、自分がだんだんと慣れて上手くなっているのを感じた。これはかなり「楽しい」感覚だ。それでいて、本作独自の戦闘システム「アート・オブ・バトル」によって、戦いの中にいる緊張感も味わえるようになっている。この感覚はぜひプレイして味わってみてほしい。
さて、ここからはユービーアイソフトの名物ディレクターとも言える人物、ジェイソン・ヴァンデンバーグ氏へのインタビューをお届けする。「フォーオナー」のルーツ、そして氏にとっての“戦い”とは?
「フォーオナー」とは「何のためなら戦えますか?」という質問です
――日本にいらっしゃったのはいつ以来ですか?
「レッドスティール2」のプロモーションで東京ゲームショウに足を運んで以来なので、約8年ぶりですね。妻も私も日本が大好きなので、今度は2人で来たいです。
――そんなに久しぶりなんですね。今回の新作「フォーオナー」の開発では、どんな役割を担っているのですか?
私はクリエイティブディレクターを務めています。クリエイティブディレクターとは、ゲームがうまくいかなかったら僕のせい、ゲームがうまくいけばチームのおかげという、ちょっと損な役回りのポジションですね(笑)。ここ数年はナラティブディレクターとして、ストーリーの制作にも関わっています。
「フォーオナー」は、ロングソード・ファイティングという剣術のレッスンを受けて浮かんだアイディアを元にして生まれました。10年間このゲームを作りたいと言い続けて、やっと5年前にOKが出たのです。
――先日はアソシエイトゲームディレクターのゲーリック・シマードさんにお話を伺いましたが、確かにそれくらい前から開発を進めているとおっしゃっていました。
5年間というのは、今まで自分が関わってきたプロジェクトの中でも最長ですね。そんな長い間ひとつのゲームに携わったのは初めてです。20年間ゲームを作り続けてきましたから、キャリアの25%を占めていますね(笑)。
――ということは、「フォーオナー」のコンセプトを決めたのはヴァンデンバーグさんなのでしょうか?
アイディア自体は、ロングソード・ファイティングのレッスンを受けていた際、どうしたらこのシンプルな構えをゲームのコントローラーに落とし込めるだろうと考えて生まれたものです。その後いろんな人に「こういうゲームを作りたい」と言いましたが、なかなか許可が下りませんでした。
諦めかけていた時、モントリオールスタジオのヤニスという人に話を持ちかけたところ、開発チームに会ってみてくれと言われました。そのチームがやろうと言ってくれたのです。
――何度かお話に出ている「ロングソード・ファイティング」というのはどんな剣術なのですか?
日本には刀などの武器があって、古くからその技が伝承されてきましたよね。ロングソード・ファイティングはちょっと違って、一時期その伝承が途切れていました。20年ほど前に熱心な人たちが集まり、ドイツやイタリアの専門家を呼んで技法書を解読し、練習を重ねて再発見していったものなんです。
「フォーオナー」で言えばウォーデンの動きですね。刀を武器としても、防具(盾)としても使う剣術です。
――比較的新しい剣術なんですね。
そうです。最近のハリウッド映画などでも取り入れられていて、ここ10年くらいで動きがどんどん洗練されていきました。
私は、「戦い」はアートだと思っています。子どもの頃から戦いが大好きなんですが、ゲームではシンプルになっていて、自分が実際に戦っている際の感情が表現しきれていないように感じます。それをちゃんと表現できるような作品を作ろうと考えていました。
――先ほどもプレイしましたが、確かに戦っている気分になりました。囲まれると「ヤバい!」と本当に慌てますし、ラッシュを叩き込めると「よし、いけるぞ!」と前のめりになります。
そのとおりです。戦いでは恐怖や自信、色々な感情が生まれます。戦士は恐れない人ではなく、逃げない人です。つまり、感情を持っているのです。今までのゲームをプレイしていると、恐怖や緊張といった感情があまり感じられなかったのですが、このゲームではそれを体験してもらえると思います。
――戦いはアートだとおっしゃっていましたが、戦闘システムの名前「アート・オブ・バトル」と名付けたのはヴァンデンバーグさんなのですか?
そうですね、他の人とも相談はしましたが私が考えました。戦いはアートだと信じているからこそ付けた名前です。信じていないとゲームをプレイできないわけではありませんが、もし興味があれば、それを頭に浮かべながらプレイしてほしいですね。
――去年行われたアルファテストから、どんなところを改善していきましたか?
大蛇を含めたバランスの調整を行いました。また、プレイヤーが名誉(オナー)を大切にしながらプレイしてくれたので、1vs1で勝ったときは、2vs1など多数で勝ったときよりも多くのスコアを得られるようにしました。
例えば試合終盤で、何人か生き残った状態でサドンデスになったとしますよね。その時、2人のプレイヤーが1vs1の決闘をして、他のプレイヤーはそれを見ていた、ということがあったのです。そんなふうに、名誉を大切にするプレイヤーがいてくれたことがうれしかったですね。
――日本では武士道精神と言われるものですね。かなりインターナショナルな部分がある作品ですが、アルファテストで日本と海外で遊び方の違いを感じたりはしましたか?
そのデータはまだ見ていないんです。でも日本では侍が人気だろうし、ノルウェーならヴァイキングが人気でしょうね。プレイスタイル自体はわからないので、もしデータがあれば見てみたいです。
――私も侍を選んでプレイしました(笑)。
海外のアンケートでは、ナイトが30%、ヴァイキングが30%、侍が40%でした。侍がクールだからでしょうね。日本なら侍の使用率がもっと高くなりそうです。
――3つの勢力があり、その中でも初心者向けのヒーロー、玄人向けのヒーローと細分化もされていて、アクションゲームに慣れていない人でも遊びやすい印象を受けました。
ビギナーの方々がプレイしやすいのは、ウォーデン、剣聖、レイダーの3人です。彼らは初心者でもできるだけプレイしやすくデザインされています。昔、剣や手裏剣を見て「カッコいい!」と思っていた人全員が楽しめるようなゲームにしています。
――ストーリーモードもプレイしましたが、自分がだんだん上手くなっているなと実感できるのがうれしいですね。
新しいコンセプトのゲームなので、どんなにスキルがあるゲーマーでも、最初は初心者です。私も「Halo」をプレイした以来の感覚を覚えました(笑)。しかし最初は下手でも、どんどん上手くなっていきますよ。
――オンラインモードでは、プレイヤーのレベルによるマッチングの振り分けは行われますか?
もちろん用意されています。「フォーオナー」というゲームではスキルが大きく関わってくるので、ランク別マッチは必須ですね。このランクは基本的に、チームの勝率で決まります。ただこのゲームにはたくさんのヒーローがいて、自分のスタイルを追求できますので、多少レベルの差はプレイスタイルやチームプレイで補うことができると思います。
――開発は既に終了したのでしょうか?
大きなフェイズは終わっています。まだ小さな開発が残ってはいますが、今は発売後のことを見据えて色々と進めています。
――ちょうど発売後のことをお聞きしようと思っていました(笑)。
先日、「ファクションウォー」というモードを発表しましたが、それ以外の情報はいずれ公開できる思いますので、待っていてください(笑)。
――個人的にはストーリーモードがとても気になっているのですが、ストーリーでヴァンデンバーグさんが力を入れたポイントはどこでしょうか?
ストーリーモードでは、3つの勢力が争っている理由が明かされていきます。彼らは誇り高き戦士ですが、大きなことを成し遂げるために小さな悪事を働かなくてはなりません。私は戦士が大好きで、彼らの人生や選択に強い関心を持っているのですが、そういった時の葛藤を見せられたらと思っています。
――私はそういうストーリーが大好きなので、早くプレイしたいです。
自分にとって「フォーオナー」は、「あなたはどんな戦士ですか?」「何のためなら戦えますか?」と問う質問なんです。プレイヤーには、自分の戦士をゲームの中で見つけるとともに、内なる戦士も目覚めさせてほしい。その戦士が戦える場所を用意しました。そうすれば、自分のことをよく知ることができます。自分を知るのはとても大切なことです。ぜひ探してみてください。
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※画面は開発中のものです。
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