LOST SPHEAR

【E3 2017】RPGの想像する楽しさを大切にしたい―「LOST SPHEAR」橋本厚志氏インタビュー

【E3 2017】RPGの想像する楽しさを大切にしたい―「LOST SPHEAR」橋本厚志氏インタビュー

担当:

PS4

2017年秋に発売が発表されている、Tokyo RPG Factoryの新作「LOST SPHEAR」。海外でも高い評価を受けた第1作「いけにえと雪のセツナ」に続く本作のコンセプトを、ディレクター・橋本厚志氏に訊いた。

「LOST SPHEAR」(以下、本作)は、「いけにえと雪のセツナ」(以下、「セツナ」)に続くProject SETSUNAの第2弾タイトルだ。同プロジェクトの目標は、JRPGの黄金期にあった90年代のRPGスタイルをベースに、今の技術で進化させた新しいRPGを作ること。前作に続き、「LOST SPHEAR」もこのコンセプトを継承している。

本作のキーワードは「記憶」。この世界ではすべてのものに記憶が宿っているのだが、記憶が抜け落ちてしまうと、真っ白になってすべての機能が失われる「ロスト」と呼ばれる現象が起きてしまう。主人公は、このロストしたものを覚醒した“記憶の力”で復元したり、創り変えたりしながら世界を救おうとする。

今年秋の発売を前に、E3 2017の会場でディレクター・橋本厚志氏に本作のコンセプトやポイントを訊いた。

橋本厚志氏
「LOST SPHEAR」の根幹を担う「記憶」

――主人公は記憶に対して特別な力を使えるというころですが、徐々にその力を覚醒させていくのでしょうか?

橋本氏:かなり早い段階で力に覚醒することになります。最初は主人公もその力をよくわからないなりに世界を救うために使っていく感じですが、ゲームが進むに連れて、その力が扱える理由や、ロスト現象とは何なのかが少しずつ明らかになっていきます。

――記憶を復元していくという発想はどういったインスピレーションから生まれたのですか?

橋本氏:ゲームシステム、ストーリー含め、やりたいアイディアが色々とある中で、「記憶」というキーワードを置いたらシステムとストーリーに一本筋が通ってまとまったんです。やりたいことがベースにあって、その上で記憶という言葉が出てきたという感じですね。システムでもシナリオでも、記憶をどうするのかはすごく重要な要素になっています。

――本作の世界では、人の死もロストに含まれるのでしょうか?

橋本氏:死は死で別にありますが、人がロストすることはあります。人のロストにも主人公は干渉できます。

ロストしたものは雪のように真っ白になってしまう

――人間にはとっておきたい記憶と失くしたい記憶があると思いますが、カナタ(主人公)はすべての記憶を救おうとするのでしょうか?

橋本氏:人の記憶というより、感覚的には「星の記憶」ですね。人の記憶に干渉していく、という感じではありません。

――星といえば、「世界を創ったのは月だという」とモノローグもありましたが、月にも記憶があったりするのでしょうか?

橋本氏:ご想像におまかせします(笑)。月が本作で重要な意味をもっているのは確かですね。

ATB2.0をさらに追求したバトルシステム

――本作でもATB2.0を選んだ理由はなんですか?

橋本氏:ATBは歴代の「ファイナルファンタジー」でさまざまな形へと進化していきました。個人的には「ファイナルファンタジーXIII」はひとつの完成形だと思っているのですが、ATB2.0は「クロノ・トリガー」で止まったままだったんですね。非常によくできたシステムなので、自分たちが少しでも進化させられる余地があるかも、と思い、「セツナ」のバトルシステムのベースとして採用しました。

さらに「セツナ」を作っていく間に見えてきたものや、ユーザーさんの反応から改善点も見えてきたので、引き続きこのシステムを追求しようと、本作でも採用しました。

――バトルではプレイヤー側は自由に移動できますが、敵側も移動したりしますか?

橋本氏:敵も移動しますが、プレイヤーの攻撃を避けるために動いたりはしません。

――移動にゲージを使ったりはしませんか?

橋本氏:しないです。より多くの敵を巻き込んで攻撃できる場所に移動するのは有効な戦略のひとつですが、ボタン連打で戦っていてもクリアできないことはありません。SLGでよくある「後ろに回り込んだらダメージがアップする」などの仕組みも、移動が必須の作業になってしまう可能性が高いので意図的に入れていません。

――移動はあくまで効率良く戦うために微調整できるエッセンスなんですね。

橋本氏:そうですね。例えば、攻撃範囲が広くない敵に対してバラバラに位置取りすれば、複数のキャラクターが同時に大ダメージを受けずに済むなど、敵を理解することで攻略しやすくなったりはします。ただ、それを理解しなくてもちゃんと遊べるようになっていますよ。

――初期の配置はエンカウントした状況で変わりますか?

橋本氏:エンカウントした位置と敵の位置を見て空いている場所に配置されます。有利な位置に自由に移動ができるので、初期配置を狙ってどうこう、という感じではないですね。

――バトルも含めて、「セツナ」で得た課題や手ごたえを踏まえてブラッシュアップした部分はありますか?

橋本氏:このゲーム自体が「セツナ」で得た手ごたえやご意見をベースにしているのは間違いありません。バトルも評価していただきましたが、その中で「もうちょっとキャラクターが近かったら一緒に回復できるのに」などといったストレスもあるというご意見をいただきました。それを解決するために「移動」という手段を使っています。ユーザーさんからのフィードバックがあって実装されたシステムですね。

想像する楽しさを残したい

――ストーリーは「セツナ」とつながっているのでしょうか?

橋本氏:つながりはないと思っていただいて大丈夫です。一部、共通のワードを使っていますが、そこは「もしかしてこうなんじゃないかな?」と自由に想像していただければと思っています。

――「セツナ」をプレイしていなくても楽しめるし、プレイしているとわかるところもあるということですね。

橋本氏:はい、前作をプレイしていなくても100%楽しめますよ。

――キャラクターの描写で大切にしていることはありますか?

橋本氏:今回、仲間同士で会話ができる「パーティトーク」というシステムを実装していて、イベントではないシーンの何気ない会話でキャラクターを少しでも掘り下げることができればと考えています。イベント後に話すと一言二言返ってくるといったものですが、こちらでキャラクターの細かい感情を表現できればと思っていますね。

――場所を問わず、「話す」コマンドがあってコミュニケーションが取れるのでしょうか?

橋本氏:そうですね。それ以外にも、例えばこの後どこに行けばいいのかというようなヒントも話したりします。

――パーティメンバーは発表済みの4人から増えたりしますか?

橋本氏:ここもご想像におまかせします(笑)。ぜひトレーラーを見てみてください。

――淡い光の表現がとても美しいと思ったのですが、デザイン上で大事にした部分はありますか?

橋本氏:前作の「セツナ」でも、光の表現にはかなりこだわっており、評価をいただけていました。ただ、雪景色主体の表現として作っていたので、本作ではもっと突き詰められる部分があったんですね。そこにフィーチャーしています。

――街のグラフィックも、ミニチュアの世界を見ているような気分になりました。

橋本氏:僕らは90年代のRPGにあった、想像する楽しさを大切にしたいと考えています。イベントでも、アップになったキャラクターが感情表現をするのではなく、セリフから「きっとこんな想いでしゃべっているんじゃないか」など、色々と想像する楽しさを作品に込めたいですね。

――「セツナ」では複雑な人間関係が描かれていましたが、今回もそういうところを踏まえてパーティトークを入れたのでしょうか?

橋本氏:それだけではないですが、「セツナ」ではもっとキャラクターを掘り下げてほしかったという意見をいただきましたので、システムでそれをフォローした形です。ただ、先ほどお話した「想像する楽しさ」という面では、何でも掘り下げればいいというわけではないと思っています。

――ゲーム自体はどれくらいのボリュームになるのでしょうか?

橋本氏:「セツナ」は20時間ほどでクリアできますが、本作は30時間くらいになると思っています。色々とやりこめばもっと増えると思いますが、基本的にこれ以上長くするつもりはありません。いつまで経っても終わらないゲームは、おっさんには辛いですから(笑)。クリアしきれるボリュームにしたいと考えています。

――BGMのコンセプトはありますか?

橋本氏:「セツナ」のBGMでは、ほぼ全曲ピアノだけで表現した結果、とても高く評価していただきました。とはいえ、同じことを続けるのではなく、ピアノをベースにしながら曲ごとに使用する楽器を変えて、ピアノ+何かという形で曲を作っています。自分がピアノが好きだというのもあるので、ピアノは外せないですね(笑)。

――本作ではさまざまなロケーションで冒険が展開されるようですが、曲もバリエーションに富んでいそうですね。

橋本氏:逆に言うと、今回ピアノだけだと難しいなと思った理由がそこですね。ピアノだけでは、このロケーションの幅を表現しきれないと考えました。

「セツナ」では街ごとにすべて曲が違いましたが、本作では統一感を出すために、違う街でも同じ曲を使ったりしています。曲を覚えていただけるよう、意図的にそうしています。

海外でより強く求められている「JRPG」

――現在の開発の進捗状況はどれくらいですか?

橋本氏:結構順調に進んでいまして、QAのチェックが始まったところです。今後最終調整に向けて進んでいく感じです。

――これから追加の情報もどんどん出していきますか?

橋本氏:そうですね。夏休みが始まるくらいからペースよく出せると思います。

――PS4とNintendo Switch向けに発売されますが、両ハードで違いはあるのでしょうか?

橋本氏:ゲームの仕様に関しては違いはありません。ライフスタイルや好みに合わせて選んでいただければと思っています。

――まだ作品が発表されて間もないですが、ユーザーからの反応はいかがでしたか?

橋本氏:想像以上に良くてビビっています(笑)。楽しみにしてくださっている方がたくさんいらっしゃることを感じました。あとは、思った以上に海外のユーザーさんに反応をいただいていますね。

――「セツナ」の海外での評価はどうだったのでしょうか?

橋本氏:日本と近いですが、実は海外の方が日本より本数的には売れたんです。海外にも日本と同じように、こういうRPGを待ち望んでいた方、こういう作品をまた作ってほしいと言ってくださった方がたくさんいらっしゃっいましたね。海外の方で僕のTwitterアカウントに日本語でツイートしてくれた方がいらして、うれしくてチームに共有しました(笑)。

日本より、海外の方がこういうゲームを待っていたユーザーさんがはっきりしていたかもしれないですね。JRPGは今も出続けてはいますが、すべての作品が海外で発売されているわけでもありません。その分、海外では待ち望まれているのではないでしょうか。

――「セツナ」で目指していた、Tokyo RPG Factoryの「あの頃のRPGを取り戻す」というコンセプトと、本作で目指しているものは同じですか?

橋本氏:コンセプトの根っこは一緒です。我々が影響を受けたRPGが進化した、今だから作れる作品を生み出すことで、それに共感してくれる方がいらっしゃるんじゃないかというところに尽きます。今のRPGを否定しているわけではなく、それとともに我々が好きなRPGもあっていいんじゃないかという提案です。それを継続的に続けていく点は「セツナ」も本作も変わりませんし、Tokyo RPG Factoryとしてもしばらくはそういう取り組みをしていきたいと思っています。

――最後に、本作を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします。

橋本氏:これからまさに最後の調整へと進んでいくところです。90年代のRPGと言っていますが、まだお話できない要素も相まって、新しいRPGになっています。トレーラーにいろんなヒントが散りばめられていますので、これを見て色々想像しながら、楽しみに待っていてください。

LOST SPHEAR

スクウェア・エニックスPS4パッケージ

  • 発売日:2017年10月12日
  • 価格:5,800円(税抜)
  • 12歳以上対象
LOST SPHEAR

LOST SPHEAR

スクウェア・エニックスSwitchパッケージ

  • 発売日:2017年10月12日
  • 価格:5,800円(税抜)
  • 12歳以上対象
LOST SPHEAR
(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Tokyo RPG Factory.

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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