アークシステムワークスが、2019年に発売を予定している「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」。千葉・幕張メッセにて9月20日より開催の「東京ゲームショウ2018」にて、本作のプロデューサー・山中丈嗣氏、開発ディレクター・溝田英明氏にインタビューを実施した。
――本日はよろしくおねがいします。まずは、本作の開発に至るまでの経緯を教えてください。
山中氏:元々はアニメ放送の後に、製作委員会の方でゲーム化したいという話がでたと聞いています。その中にアークシステムワークスが入っていて、「BLAZBLUE」シリーズの森プロデューサーが「キルラキル」を見て、面白いとツイートしたことがきっかけでお話が来たという経緯があります。
やりたいのは山々だったんですけど、当時は人手が足りておらず、一度お断りさせていただきました。それでも「ぜひアークさんで作って欲しいんで待ちます」とお返事をいただき、ようやく発表することができました。
溝田氏:その流れの中でエープラスというアークシステムワークスの関連会社が開発を担当することになりました。
――エープラスでは以前、同じTRIGGER作品の「リトルウィッチアカデミア」のゲーム化も担当されていましたよね。
溝田氏:そうなんですけど、それとは別ラインでお話を頂いていました。そういう意味では「キルラキル」の方が先に進んでいましたね。僕はそのディレクターもしていましたが、原作再現という意味では上手くできたんですけど、ゲームとしては少し課題点も感じていました。「キルラキル」では、キャラクター愛とゲームの面白さを両立できるよう経験を活かして取り組んでいます。
――「キルラキル」は非常に個性が強いアニメでしたが、ゲーム化にあたり特に意識した点を教えてください。
山中氏:原作をどこまで再現できるのかを一番に考えました。対戦ゲームなので原作には無い組み合わせがたくさん発生しますが、ファンの方が納得できる形に落とし込めるよう意識しています。自分の好きなキャラクターを自由に動かせるというのがゲーム化の一番良い部分じゃないですか。「このキャラはこういう風に動いて欲しいよね」っていう所は凄く重要だと認識しているので、そこはとにかく拘りを持って作っています。
――原作では当て字が結構登場していて、ゲームでもオリジナルのものも含めて色々と登場しますよね。考えた中で「これいいな」って感じたものとかはありますか?
山中氏:“耐繊”アクションというジャンル名は僕が提案したんですよ。自分の中ではウケたかなっていう手応えはありますね。
溝田氏:当て字に関しては自分たちも間違ってしまうことが結構あるんですよ。それであちこちで指摘されるというかっこ悪いこともあるんですけど(笑)。でも原作の良い雰囲気を上手く踏襲できたかなと思います。
――ゲームでも、アニメのように文字がドーン! って出るじゃないですか。それが凄くアニメっぽくていいなと思いました。
山中氏:あれもカウンターヒットとかデカすぎないないかって話もあったんですけど、やり過ぎた位の方が「キルラキル」っぽいかと思い、OKしたんですよね。
――本日のステージイベントでは、皐月が主人公となるストーリーモードの実装が発表されましたが、皐月が主人公に抜擢された経緯を教えてください。
山中氏:TRIGGERの中島かずきさんの方から、皐月をメインでやりたいと2年くらい前から言ってくれていたんですよね。
溝田氏:そうですね。実はその前の段階で、アニメのアフターストーリー案を持っていったんですよ。ただ、中島さんとしては「キルラキル」はアニメで完結しているというスタンスだったので、原作のIFストーリーを考えてもらったという流れになります。
――ストーリーモードの見どころはどこにありますか?
山中氏:今日の発表でもありましたが、皐月の「純潔神髄」を含め、TRIGGERさんにデザインをお願いした“新しいもの”も色々と登場するので、完全公式スピンオフストーリーとして楽しみにお待ち下さい。
――IFのお話なので、原作から分岐する物語になると思うのですが、やはり原作を知ってからゲームを遊ぶというのがオススメの流れになりますか?
山中氏:キャラクターや世界観を理解した上で遊んだほうが絶対に面白いとは思います。
溝田氏:もちろんゲームから入ってアニメに興味を持ってもらえるようにはしたいなと思っていますし、僕らとしてもそこでTRIGGERさんに恩返しができればと思います。
山中氏:現在アマゾンプライムさんなどで見れると思うので、是非ゲームを始める前に見てもらえると嬉しいですね。
――「純潔神髄」も発表されましたが、こちらはプレイアブルキャラとして使用できるのでしょうか?
溝田氏:ストーリーの中でプレイアブルキャラとして使えるようになる予定です。その時はルールを変えようと思っていて、通常の対戦とは少し違うシチュエーションになるかなと思います。
――ゲームシステム的なお話も聞いてみたいなと思います。アークシステムワークスといえば2D対戦ゲームという印象が強いですが、今回3Dの対戦ゲームを選択した理由などがあれば教えてください。
山中氏:幾つか理由はあるのですが、一番大きな理由は、今回のゲームをプレイする方の多くが原作ファンだと思います。そういった方々にアークテイストの2D対戦格闘ゲームを遊んでもらおうとしても、やっぱりハードルが上がってしまうかなと思いました。TRIGGERさんとも協議して、気軽に遊べる3D対戦を採用しました。後は、「キルラキル」の特に女性キャラクターの衣装は凄くかわいくてセクシーじゃないですか。なので見てて楽しいのはやっぱり3Dかなと、個人的には思っています。
――360度からキャラクターが見えるというのはゲームならではの魅力ですもんね。本作は気軽に遊べるように操作性などがシンプルになっていますが、初めて遊ぶ際のコツなどを教えてください。
山中氏:最初はオーソドックスな流子や皐月をプレイしてもらうのがオススメです。後は割とガチャプレイでもカッコよく連続技ができるので、一気に全部覚えようとせずにプレイしてもらうといいかもしれません。同じくらいの腕前の人と一緒に対戦しながら遊べば、楽しみながら覚えられると思いますよ。
――本作の特徴的なシステムとして「血威表明縁絶」がありますが、あれはどういった発想で生まれたのでしょう?
※「血威表明縁絶」…L1+R1で繰り出せる「血威バースト」をヒットさせると発動。主張側と反論側が互いに3属性の「愚弄(グー)」、「挑発(チョキ)」、「罵倒(パー)」を選択し勝負する。じゃんけんに勝つと、その属性に応じてHPやSP回復などの効果を受けることが可能。
溝田氏:原作にあった戦いながら口論するシーンを再現したくて実装しました。単純にバトル中にしゃべってるだけじゃ面白くないので、それを演出にしていこうとして生まれたシステムですね。
山中氏:まだまだ試行錯誤している最中で、方針として今のじゃんけんシステムが採用されています。
――これから変わっていく可能性もあるんですね。
溝田氏:今の状態で第4世代くらいのシステムで、めっちゃボタンを連打するシステムだったり高速でじゃんけんをするシステムなど色々と作り、現在の形に落ち着きました。
山中氏:格闘ゲーマー視点だと読み合いが少ない“じゃんけん”はどうなんだろうという意見もありましたね。例えばこれを「ギルティギア」でやると違うと思うのですが、カジュアルに遊べる「キルラキル」ならアリなんじゃないかと思っています。ただ、テンポ感などはこれから改善していきたいと思っています。
溝田氏:僕はアクションゲームがあまり上手くないんで、上手い人と普通に戦うとやっぱり勝てないんですよ。でも「血威表明縁絶」を当てて読み勝てれば、勝利できることもあります。なので、アクションゲームが苦手な人でも“ワンチャン”あるシステムとして手応えは感じています。
また、「血威表明縁絶」は、じゃんけん方式ですが、それぞれの択にHP回復などの効果があります。なので状況によって、例えば「HP満タンの時は回復を使ってこないだろう」みたいな駆け引きが発生して、今までの対戦ゲームに無い読み合いを楽しめます。僕は人生経験が豊富なので結構読み勝てますね。
山中氏:人生経験関係ありますか(笑)。
溝田氏:めっちゃありますよ(笑)! あのじゃんけんは人生経験が大事です。
山中氏:腕前がどこまで勝率に収束していくか「技術介入度」という言葉があって、「ギルティギア」なんかは初心者と上級者が戦ったら、絶対に初心者は勝てないじゃないですか。でも「キルラキル」は、技術介入度を低くしていますので初心者の人でも楽しめるはずです。ぜひ気軽に楽しんでもらいたいですね。
――格闘ゲームの醍醐味である読み合いが気軽に体験できるのは、結構すごいポイントですよね。
山中氏:格闘ゲームの読み合いはフレーム単位の攻防になりますが、「血威表明縁絶」は3秒間の猶予がありますから。ゆっくりという程ではありませんが、考えながら遊べると思います。
――昨今の対戦ゲームでは、キャラクターの組み合わせによる掛け合いなどがありますが、「血威表明縁絶」にもそういった要素はありますか?
溝田氏:実装する予定です。TGSの試遊バージョンでは、蟇郡が皐月に対してタメ口でしゃべっていたりしますが、製品版までにはキャラクター毎に固有のセリフを用意します。
――そうするとバリエーションが凄いことになりそうですね。。
山中氏:めちゃくちゃ多いですよ。そして、声優さんも「キルラキル」という作品に対して思い入れが強い方が多いんですよね。例えば蟇郡役の稲田徹さんなんかは、やられボイスの収録の際に“痛いパターン”と“気持ちイイパターン”両方録ろうよって提案してくれて。
溝田氏:気持ちイイパターンの方は「死縛の装」で聞くことができるので、ぜひ聞いてみて欲しいですね。
――TGSで本作を遊ぼうと思っている方に、注目して欲しいポイントなどを教えてください。
山中氏:TRIGGERさん監修の元、ファンの方に喜んでもらえるよう愛情をもって原作再現をしているので、ぜひ会場にきて実際にプレイしてもらえれば嬉しいなと思います。
溝田氏:5年前のタイトルにはなりますが、遊んだらきっと面白いですし、やっぱり「『キルラキル』面白いな」って感じてもらえたら嬉しいですね。
――最後に本作を楽しみにされている読者の方にメッセージをお願いします。
山中氏:5年越しということでお待たせしてしまいましたが、その分、クオリティやボリュームはしっかりと作り込んで、原作ファン、ゲームファンに楽しんでもらえる作品にしたいと思っています。発売を楽しみにお待ち下さい!
――ありがとうございました。
(C) ARC SYSTEM WORKS / (C)TRIGGER・中島かずき/キルラキル製作委員会
※画面は開発中のものです。
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