10月2日、東京お台場のフジテレビにて、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」新章「西洋妖怪編」&新作ゲーム制作発表会が開催された。
今回の発表会には、アニメのプロデューサーを務める永富大地氏と、目玉おやじ役の野沢雅子さん、犬山まな役の藤井ゆきよさん、さらに新章「西洋妖怪編」から登場するアニエス役の山村響さん、アデル役のゆかなさんが登壇。
4月から放送が始まり早くも半年が経過した「ゲゲゲの鬼太郎」第6期だが、野沢さんは過去の作品と比べて「テンポが早い」と語る。昔の子供はテンポがゆっくりでなければついてきてくれなかったものの、今の子供たちは早いテンポでもついてきてくれるという。だからこそ展開が小気味よくなり、面白くなっているというのが野沢さんの見立てだ。
また野沢さんと同じく第6期の序盤から出演している藤井さんは、アフレコ現場を「夢のような現場」だと話す。野沢さんを始めとしたベテラン声優とともに行う収録スタジオを、「声優界の宝石箱」と表現していた。
ここからは永富氏から、10月に放送が始まる「西洋妖怪編」の内容に関する解説が入る。新章では魔女のアニエスが西洋妖怪世界の宝「アルカナの指輪」を盗むところから物語が始まる。アニエスは逃亡の末に日本へとたどり着くが、それを追ってきたのがアニエスの姉であるアデル率いるバックベアード軍団。アニエスとアデルの姉妹関係、そして狼男や吸血鬼、フランケンシュタインといった西洋の妖怪との戦いが見どころだ。
アニエスを演じる山村さんは「小さいころから馴染みのある『ゲゲゲの鬼太郎』に出演が決まったときは信じられませんでした」と率直な気持ちを話すと、アデル役のゆかなさんは「これからどういうお話になるのか、すごく楽しみです」と物語の行く末に目を向けた。
なお、新たな妖怪を演じるキャストもすでに発表されており、ヴォルフガング役を草尾毅さん、ヴィクター・フランケンシュタイン役を白石涼子さん、カミーラ役を井澤詩織さんが担当する。「草尾毅さんが演じる狼男が本当に怖い!」と話す永富氏は、続けて「声優陣の熱演もあって、1、2クール目とは違った魅力が出ています」とアピール。その一方で既存のキャラクターもしっかり活躍するそうで、数少ない人間のキャラクターである犬山まなについても「新章もまながいるおかげで話が展開します。人間だからこその役割があるんです」と熱弁した。
「西洋妖怪編」制作発表のラストは野沢さんがコメント。「1話を見ていただければ、そこからずっと見なければいけなくなると思います。とてもおすすめです!」と話し、会場は新作ゲームの発表へと移っていく。
ヒカキンさんと「ゲゲゲの鬼太郎」がついに共演!?
ここで登壇したのは、新作ゲーム「ゆる~いゲゲゲの鬼太郎 妖怪ドタバタ大戦争」を開発するポノスの岩原ケイシ氏。岩原氏は本作を「ゆるーく進んでいくタワーディフェンスゲーム」と紹介すると、さらに詳細を説明していく。
ポノスと東映アニメーション、そしてディー・エヌ・エーの共同開発で贈る本作は、「にゃんこ大戦争」のタワーディフェンスバトルを基盤にしたスマートフォンアプリ。「にゃんこ大戦争」と同じ横スクロールを採用しており、魂を消費してさまざまな妖怪を召喚し、敵の陣地を攻撃する。キャラクターにはLINEスタンプでおなじみの「ゆる~いゲゲゲの鬼太郎」のデザインが使用されており、シュールな世界観を一層引き立てている。また進化させることで見た目がさらにゆるくなったり、動きに変化があったりと本作ならではの楽しみも用意されている。
ゲームの紹介が終わると、サプライズゲストとしてYouTuberのヒカキンさんが登場する。「子供のころから見ていた『ゲゲゲの鬼太郎』に自分が関われるとは」と感激の様子のヒカキンさんは、アニメもしっかりチェックしているという。特に第1話はYouTuberが題材になっていることもあって、印象に残っているそうだ。
そんなヒカキンさんは、配信前のゲームを早速プレイしてみることに。最初こそ意気揚々と楽しんでいたヒカキンさんだが、徐々にその難しさに圧倒され、結局敵の妖怪たちに陣地を取られてしまう。岩原氏いわく、発表会のために作ったステージで、製品版はもっと簡単になっているとのことだが、ヒカキンさんからは「初めてやるには強すぎる!」というツッコミも。その中で「敵の妖怪の大きさにビックリ」「味方にも巨大な妖怪はたくさんいて、巨大な妖怪が入り乱れるのが楽しい!」と、作品が持つインパクトをアピールするのも欠かさなかった。
この流れで藤井さんも挑戦してみることになり、目の前でヒカキンさんのプレイを見ていたおかげか、粘り強く敵に対抗する姿が見て取れた、それでも徐々に押し込まれると焦ってしまい、操作ミスをしてしまう場面も。藤井さんは「プレイ中はゆるくなかったです」とコメント。シュールな見た目とは裏腹に、本格的な難しさを持つタワーディフェンスに仕上がっているようだ。
こんな具合に発表会が終盤に差し掛かると、岩原氏が突然「(ヒカキンさんに)ゲームにも出てもらえないですかね」とお願いを始め、会場を騒然とさせる。ヒカキンさん本人も驚きつつ、「いいんですか!?」とまんざらでもない様子を見せる。果たしてヒカキンさんと「ゲゲゲの鬼太郎」の共演は実現するのか、実現するとしてどういう形になるのか、今後の展開にも期待したい。
最後に岩原氏は「大人から子供まで楽しめるゲームを目指しています」と意気込みを語ると、永富氏からは「西洋妖怪編はもう一度新しい『ゲゲゲの鬼太郎』を作る、という意気込みで制作を進めています。今までとは違う鬼太郎をお見せできると思います」と自信をのぞかせ、発表会は幕を閉じた。