2020年12月10日に発売された「トレイルメーカーズ」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。
目次
子供の頃は、何かを作るのが好きでした。絵を描いたり、何かを組み立てたりと、とにかく何かを作るのが好きでした。しかし、不器用ゆえに、他の人から見ると不格好な何かしか完成しないため、低い評価しか受けることがなく、次第に何も作らなくなってしまいました。誰からの評価も気にせずに、自分が楽しいという気持ちを貫いていれば、今でもいろんなモノを作っていたかもしれません。
一方、テレビの中の世界のモノ作りは、人に見られる心配がないため、自由に楽しむことができました。適当に場を荒らすように何かを作り、飽きたら電源を切ってしまえば、他の誰かから不当な評価を受けないため、自己満足ではあっても気分よく楽しむことができました。
家でファミリーコンピュータのゲームを遊べるようになった時、真っ先に購入したのが「エキサイトバイク」と「ロードランナー」でした。どちらのゲームも、ゲームとしての目標があった上で、自分でステージをエディットして楽しめるような要素が入っていました。
エディット機能は、最初は適当に何かを作り、適当に操作をしているのが楽しいのですが、すぐにゲームのルールに従っていくのが楽しくなります。そして、難しいステージを作って、自分で挑戦してクリアするのが楽しくなっていくのです。
一方、昨今のゲームの中ではサンドボックスと呼ばれるタイプのゲームが多数あるのですが、いざプレイしてみるとゲームの中に目標を持てず、気が付くと疎遠になってしまうことが何度もありました。何でもできるとはいっても、遊び手としてはゲームの外側にもやりたいことがたくさんあるわけで、世の中に山ほどあるやりたいことに勝てるだけの目的がゲームの中にあり、その目的を達成するに見合うだけの遊びやすいシステムが必要なのです。
というわけで、サンドボックスタイプのゲームには要警戒だったのですが、作れるモノが乗り物限定のゲームが発売されるということで、大変興味を持ちました。
今回は「トレイルメーカーズ」をプレイさせていただきます。
1.惑星内の歩き方を学んで2時間迷子
2.色んな乗り物をこなして4時間迷子
3.残りのモードを確認して6時間迷子
4.やりたいことを見つけて10時間迷子
5.そして、まとまらないまとめ
惑星内の歩き方を学んで2時間迷子
ゲームを起動すると、タイトル画面。
かと思えば、いきなりプロフィールを作成することになります。
とはいえ、2種類の顔以外の装飾品はDLCの購入が必要だったので、今回はシンプルなキャラクターでのプレイになります。
ゲームモードは「宇宙で迷子」と「TRAILMAKERSラリー」の2種類から選べるようなので、ひとまず「宇宙で迷子」を選んで、ゲームを始めてみます。
洋々と宇宙を冒険する勇ましい宇宙船が現れます。
一方、ものすごい速さで隕石が飛んできます。
そして……。
確かに知らない惑星に不時着したので迷子といえば迷子なのですが、迷子で片付けるには大事でした。
「ビルダー」に入るとチュートリアルが発生し、ブロックの配置、カメラの回転、ブロックのコピー、ブロックの回転、ブロックの色の変更、ブロックの削除の6項目の操作を学んでいきます。
続いて、車を作るチュートリアルへと移り、指定された場所に指定されたブロックを配置していく手順を学んでいきます。実際には自由にブロックを配置できるのですが、このチュートリアルでは指定された場所に指定されたブロックを配置しないと進まないため、強制的に完成形を見せてもらえます。もっとも、適当にブロックを組み合わせただけだと走らない車が完成するだけなので、今はとにかくチュートリアル通りに作っておきましょう。
ちなみに、操作方法はこんな感じ。人と車の操作があるゲームを遊んだことがあれば、迷わず操作できます。
車に乗れば、素早く移動できるようになります。
作った車で発射台までたどり着くと、ばらばらになった貨物の中身を回収して宇宙船を作り上げ、自力でこの星から脱出するという目的を提示されます。
とにかく惑星内で何かを見つけたら、回収ドローンに持っていけば回収できて、車を作るブロックの種類が増えていき、惑星内に点在している回収ドローンはスモークを焚いて発見されるのを待っています。
そして、近付くと回収ドローンが使えるようになり、全体マップから回収ドローンを指定すると、回収ドローンの場所までテレポートできるようになります。
つまりはこの崖の上にある「ヘッドランプ」らしい物体を崖の下にある回収ドローンまでもっていけばいいんですね。
ということは、車で勢いよくぶつかって崖から落とせば……。
あっ!! ブロックで作られた車はあまり頑丈ではなく、崖から落ちたら壊れてしまうようです。まぁ、リアルな車でも十分事故になる高さだったわけで……。
しかし、ブロックの車ゆえに、Xボタンを押せば一気に元通り。
この惑星には水があるようで、陸地は水で囲まれていて、自由に移動できないようで、
車で水の中に突っ込むと運転手が外に飛び出てしまい、それ以上先に進めません。
しかし、人だけであれば、泳いで他の島に移動できます。
他のゲームでは、この後、車なしで行動しないといけないのですが……。
今作では着いた先の島で「ビルダー」に入れば、どこでも車を作れます。
全体マップを見ると、川(海?)を渡って他の陸地に来ていることがはっきりとわかります。
本来ならば、新しいブロックを入手するたびに、そのブロックを使ってやれることが増えていくことを実感すべきだと思うのですが、コレクター的には集められるブロックを集める作業に集中してしまいました。ひたすら回収ドローンの発見と手に入れられるブロックの回収を進めていくと、岩の上に「ピストン」なるモノを発見。車と同じ高さにあるモノは押せば運ぶことができるのに対して、岩の上にあるモノは、すぐに取れそうなのに、容易には移動することができません。
そんなときには、ブロックで車を改造すれば、容易にモノを移動できるようになります。
ということは、この大岩の上の「電磁石」は……。
当然ながら、こうですね。
「電磁石」はかなり重いようで、普通に押しても移動できないため、勢い付けてタックルを繰り返すことで、何とか回収ドローンのところまで持っていくことができました。
なんとなくゲームの楽しみ方が分かってきたところで2時間が経過。このゲームはモードが多いので、他のモードにも挑戦します。
色んな乗り物をこなして4時間迷子
メニューに戻ると、「宇宙で迷子」以外にもたくさんのモードがあることが確認できました。今度は「Trailmakers ラリー」に挑戦してみましょう。
最初に挑戦できるコースは「イージーライダー」のみで、画面の右側を見ると、ゴールド、シルバー、ブロンズの評価タイムが提示されています。
このコースに適した車が提示されます。
一応、自由に車を作れるようになっているのですが、わざわざ提示して頂いているので、提案に応じた車を作ることにしましょう。「オートビルド」をクリックすれば自動で車が完成するのですが、手順を学ぶために手動で組み立てることもできます。
レースが始まると、ゴールド、シルバー、ブロンズに対応したゴーストが並走します。単なる基準タイムかと思っていたため、並走してくれると目標を持ってプレイできて非常に好感が持てます。
最初のコースゆえに楽々独走。すると、目の前に半透明のフラッグが表示され……。
ゴールと同時になぜか車が破壊され、ドライバーが飛び出して歓迎を受けます。
コースから出ると全体マップが表示され、新しいコースが発生していました。
新しいコースに入ると新しいブロックが使えるようになりました。
そして、今回もこのコースに適した車が提示されます。
といった感じで、レースで勝ってお金を稼ぎ、お金を使って新しいコースをアンロックして新しいブロックが使えるようになり、新しい車でレースに挑戦することを繰り返していくうちに、島がコースで埋まっていきます。
そして、いろいろなバリエーションの乗り物があるといっても、車だらけだったのに対して、今回はどう考えても車では無理そうなコース。
ここは素直に提示されたキティーホークを作りましょう。
車に比べると挙動を把握するのが難しそうですが、それでも簡単に空を飛ぶことができます。
急降下して持ち直せるか!
まだ大丈夫!
よし、ゴールだ!
完全に破壊されても、強制終了にならない場合があるようですね。さて、もっと難しいコースに挑戦すると……。
やっぱダメだ!
車で挑戦するコースはドライビングテクニック次第では提示された車で勝てたのですが、飛行機関連は操作に慣れてもなかなか勝てません。とか言いつつも、新規に発生したコースでは車でもそれほど勝てなくなってきたわけで……。
この辺りはカスタマイズで速いマシンを作っていかないといけないんだろうなぁ、と悟ったところで4時間経過していました。
残りのモードを確認して6時間迷子
「遠心分離エリア」に挑戦。
モードに入るといきなりよくわからないところに到着。
回りに何かないかと、車を作って走ってみると、空に怪しい何かが存在しました。
全体マップを確認すると、空にある何かこそが「遠心分離エリア」だったようです。
ということで、内向きに垂直になっているコースを走り切る「遠心分離エリア」向きの車を作成。
そして、颯爽とスタート。
あっ! このコースでは普通に走ろうとしても、容易にハンドルを取られてしまいます。
再度挑戦。今度は少しずつ左へ左へ(上へ上へ)と移動するも、微妙にバランスを崩すと……。
あっ!
何度挑戦してもうまくいかなかったため、ここはインチキと言われてもカスタマイズするしかありません。具体的には車体を重くするだけなのですが……。
一回のカスタマイズで狙いは的中。かなり安定して走ることができました。
どうにかゴール。
続いて、「危険地帯」。
モードに入ると、やはりよくわからないところに到着。
しかし、すでにこれは想定済みなので、全体マップを確認してみると、移動できるところがたくさんありました。
車を作って走らせてみると、いろいろと気になるコースがあることだけは確認できました。
次は「レース島」。
「Trailmakers ラリー」では、1つずつコースをアンロックしていったのですが、「レース島」では最初から自由にコースが選べるようになっていました。
ゴーストなしでわっかを通過していくタイムトライアル形式のレースで、ホバー系を含め、乗り物にもコースにもいろいろと変化が見られ、違った楽しみを体験できました。
「テストゾーン」は地形の設定も障害物もないようで……。
本当に何もないので、とりあえず走ってみました。
最後に「宝島」。
やはりよくわからないところに到着。しかし、周りを見回すと、一癖二癖ありそうなモノがいろいろと配置されています。
何となくボールに近づいてみると……。
周辺に枠ができて、地面から光が伸びているところを確認できます。
これは、ボールも車も枠から出ないように気を付けながら、ボールを光のところまで導けということだな、と気づくも、意外と難しく、試行錯誤の末にやっと成功。
続いて、「宝探し」を発見。
「宝探し」に触れてみるとタイマーが表示されて急かされるので、「ビーコン」の矢印の方向に進んでみるも、どうしてもタイムアップになってしまいます。
この燃えている輪はくぐると何かあるのかな。
ふと「デイリーチャレンジ」を見てみると、「鶏を3匹轢く」という何とも残酷な内容が書かれていました。いや、本当は嫌なんですよ。でも、ゲームの目的として書かれているからやるんですよ。と心の中で何度も言い訳をしつつ、鶏を観察します。そして追いかけて……。
ぎゃっ!
うわっ!
うおっ!
……不本意ながらも「デイリーチャレンジ」を達成したところで、6時間が経過しました。
やりたいことを見つけて10時間迷子
再び、「宇宙で迷子」に挑戦。
ふと「設計図」内にある「テンプレート車両」を見ると、山ほど乗り物が登録されていました。
しかし、いざ選んでみると、不足しているブロックがあるため、全然作ることができません。
現在作れる乗り物は、いつも乗っている「バンパーカー」以外に「水陸両用車」しかないのですが、海を泳ぐよりも車の方が速いはずなので、「水陸両用車」を組み立ててみました。
「バンパーカー」と「水陸両用車」を乗り分けながら各地を冒険していると、「シンプルなテールフィン」を発見。
しかし、全体マップを見てみると、現在地の近くに回収ドローンがありません。(回収ドローンは黄色い球)
とりあえずどこまで持っていけるか試してみると……。
軽く押せばコロコロと転がっていくので、面白いように距離を稼げるのですが、現在の車両には限界があり、残念ながら今は断念。
細かい物体を運ぶ際に、シンプルな「バンパーカー」だと扱いにくいなぁ、と思ったので、前面を改良してみると……
かなり扱いが楽になりました。
再び、「シンプルなテールフィン」と同じサイズの物体を発見。今度は近くに回収ドローンがあるため、すぐに運ぼうとすると……。
崖に対して車一台が入るくらいのスペースしかありません。
それでも、切り返してどうにか隙間に入り込むと、少しずつ物体を押していき、
ただ押しているだけではあまり動かないので、助走をつけては思いっきりタックルを繰り返して……。
ゲーム内では1日がかりで回収ドローンまでたどり着くことができました。リアル時間でも30分以上かかってしまったので、安易にマネをしてはいけません。
その後も、組み立てよりも回収作業に精を出してしまったところはコレクターの性なのですが、それ以上に力を入れてしまったのが、全体マップを開放する作業でした。海はどこまで行けるのかな?などと興味本位で移動して見たら……。
海はどこまでも続くけど、開放するマップの方には限界があり、すでに全体マップの外側を漂っていました。さすがにジパングとかは見つからないことでしょうから、戻りましょう。
ここは外枠を決めようと探索していると、綺麗にマップの端が確定していき、
現状、行ける範囲を移動しきったところで10時間が経過しました。
そして、まとまらないまとめ
サンドボックス系のゲームをプレイするとき、ビルドの煩雑さと、何がどういう動きをするかわかりにくいところに難しさを感じていたのですが、今作の場合は作るモノが乗り物に限定されていて、十分にテンプレートが用意されているため、ゲームに慣れるまではテンプレートだけでどうにか遊び続けるところに魅力を感じました。
自分の場合は、現状のツールだけでなんとかやりたいことを実現してしまい、どうしても達成できないことが分かった時に、初めて新しいツールに手を出すタイプなので、「宇宙で迷子」モードでは、「バンパーカー」と「水陸乗用車」の標準スタイルでほとんどのミッションをこなしてしまい、どうしても無理だと思ったらちょっとだけブロックを付け足すような方法になってしまいました。しかし、これだけでも十分に遊べてしまうため、個人的には問題なし。ブロックを巧みに使いこなせば、もっと効率よくミッションをこなすことができたのではないかとは思います。
また、メインの「宇宙で迷子」モードではなかなか組み立てられない飛行機などの乗り物を、「TRAILMAKERSラリー」や「レース島」ではすぐに作れるため、「宇宙で迷子」モードで今すぐ取れない物体や行けない場所も、あの乗り物にあのパーツを付ければどうにかなるんだろうなぁ、と想像することができ、複合的に遊べるのも今作の魅力になっています。
今回のプレイでは、あまり深掘りしなかったのですが、レースで最速を目指すためのカスタマイズも、根を詰めればいつまでもやり続けそうですね。
あと、モード開始時のロード画面がいちいち勉強になるため、ロード時間があまり気になりませんでした。
あぁ、ここまでずっと実利的なシンプルなプレイしかできていなくて申し訳ないのですが、当然ながらクラフト要素を駆使すれば素晴らしいモノは作れるんですよ。タイトル画面を眺めているだけでも、こんな魅力的な乗り物が出てくるのですから。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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