カプコンが2021年7月9日に発売予定のNintendo Switch/PC用ソフト「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」について、プロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの大黒健二氏、アートディレクターの川野隆裕氏にメールインタビューを実施した。

モンスターと絆を結び、モンスターを育て、共存する“モンスターライダー”となり、ストーリーやクエストを通じて「モンスターハンター」の世界を思う存分体験できるRPG作品「モンスターハンターストーリーズ」。

その最新作となる「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」では、リオレウスが消えてしまった世界で、偉大なライダー「レド」の血を引く主人公と、タマゴを託された竜人の少女「エナ」の運命的な出会いによって、「破滅の翼」をめぐる壮大な物語が幕を開ける。

4月27日に配信された「モンスターハンター スペシャルプログラム」にて、ついに本作の詳細なゲームシステムや登場キャラクターが公開。発売に向けて本格的に始動を開始した本作について、開発チームへメールインタビューを実施した。

――まずは、改めてになりますが、約5年ぶりの新作となる「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」について、ゲームの概要や開発までの経緯を教えてください。

発売は2016年ですが、アニメや前作のタイトルアップデート開発、スマートフォン版の開発と、発売後も様々な展開があり、前作ユーザーの皆さんから非常に多くの反響をいただきました。そんな中、私どもとしても続編を作りたいという気持ちがありました。ただ“2”を作るにあたって、前作を遊んでいただいた方、“2”から新たに遊んでいただける方に向けてどのようなゲームにするかはグラフィックも含め様々な検証と検討をおこないました。結果、非常に満足のいく続編を作れたと思っております。

ストーリーズはジャンルがRPG、つまりアクションではない「モンスターハンター」ということになります。「モンスターハンター」をプレイされている方は、その世界観でRPGを楽しんでいただけますし、RPG好きという方にも是非プレイして頂きたい作品となっております。

また「モンスターハンター」はモンスターのキャラクター人気がとても高いタイトルです。そんなモンスターを今度は仲間として遊んでいただけますので、今まで以上に愛着を持っていただけると思います。これは1作目からですが、シリーズとしてもアクションの「モンスターハンター」ではない、新たな柱として育てていきたいシリーズとなっています。

――前作との繋がりが気になっている方も多かったかと思いますが、リリアとリヴェルトが登場することから続編であることがわかりました。特にリリアは今作の主人公を追う役目ということで、驚きました。

まだ詳しくはお話しできませんが、リリアは書士隊として、破滅レウスの調査をしていく中で主人公達と出逢います。前作の元気な女の子からずいぶん変わったので、ギャップを楽しんで頂ければ嬉しいです。リヴェルトは前作でもライダーの理解者でもありましたので、主人公をサポートするようになります。

――前作では登場人物がモンハン語を話しているのに対して、映像を見る限りでは今作では我々と同じ言語で話していますよね? ここはどのような判断だったのでしょうか。

前作ではモンハン語だったのですが、日本語言語での要望がかなり多く、「モンスターハンター:ワールド」でも多くの方が日本語で遊ばれているのを見て、今回は日本語でしっかり物語を体験していただこうという判断となりました。

――オトモンを仲間にする方法は、前作同様タマゴを採取してふ化をする流れになりますか?

変わっていません。今作も「金色の巣」を見るたびに寄り道してしまう、その寄り道が楽しいゲームになっています。

――本作にはアンジャナフやプケプケなど「モンスターハンター:ワールド」の新モンスターが多数登場することが発表されていますが、「モンスターハンターライズ」のモンスターは登場しますか?

具体的に何体かは言えませんが、「モンスターハンター:ワールド」や「モンスターハンターダブルクロス」から多くのモンスターが登場します。「モンスターハンターライズ」から新登場したモンスターは、残念ながら本作には登場しません。ただ、今はまだ言えませんが、今後の発表をお待ちいただければと思います。

――バゼルギウスがオトモンとして登場するのには驚きました。……色々と危険ではないのでしょうか?

討伐する際に危険なモンスターなのは本作でも同じです。前作でもイビルジョーがオトモンとして登場していますので、バゼルギウスも大丈夫だと思います。

――公開された新映像ではバトルシステムが公開されました。シンボルエンカウントや3すくみのバトル、ダブルアクションなど基本は前作を踏襲している形になるのでしょうか?

前作を遊んでいただいたお客様からは好評で、「モンハンをRPGとして上手くアレンジしている」という声もあり、バトルシステムの基本部分は同じです。ただし、課題として残っていた3すくみのランダム要素は廃止する方針でバトルシステムを改修しています。「確実に勝てるジャンケンが楽しいのだろうか」と懸念される方もいるかと思いますが、それは杞憂どころか、すごく面白いバトルシステムに改修できたと思っています。

アクションゲームのモンハン上級者は、モンスターの動きを読んで「ずっと俺のターン」的な立ち回りができるかと思いますが今作のバトルは、その「ずっと俺のターン」の気持ちよさを再現することができました。アクションの腕前に自信がなくてもすぐにコツはつかめると思いますし、RPGなのでレベルを上げることで誰でも勝てるようになります。アクションが苦手な人こそ、このゲームでモンハンの楽しさを味わっていただきたいです。

――本作では新たに共闘パートナーと一緒に戦うことができるようになるようですが、これはどのようなものなのでしょうか?

続編としてどこを広げようかと考えた時に、モンハンといえば「共闘」なので、自然とその流れになりましたが、どのように共闘を楽しんでもらうかが大きな課題でした。別モードとして割り切って実現する形だけではダメで、ストーリーでも共闘を感じられ、エンドコンテンツでさらに広がっていく、繰り返して遊ぶことができる、ということを考えました。ストーリー進行では、ストーリー中に出会う仲間との共闘が楽しめるようにしています。バトルだけでなく、ストーリー展開でも共闘を楽しめる構造になっております。

一方で、通信で友人と一緒に遊ぶときは、ミッション=クエストを受注して一緒に挑戦するモードで遊んでいただくことになります。

――マルチ要素についても詳しく教えてください。共闘専用のクエストなどがあるのでしょうか?

ゲーム本編と共闘クエストは、それぞれが独立した作りになっています。ゲーム本編では、ケイナやアルマといった物語で出会う仲間との共闘となり、物語の進行によって出会いと別れがあり、共闘パートナーも変わっていきます。

共闘クエストは、他のプレイヤー1名が参加して、合計2名(ライダー2人とオトモン2体が戦闘に参加)でプレイできます。また対戦では、最大4名(ライダー2人オトモン2体vsライダー2人オトモン2体)で楽しめます。ゲーム本編のほうで他のプレイヤーと共闘するのではなく、共闘専用のクエストに挑むのが本作でのマルチプレイになります。ゲーム本編の進行にあわせて、遊べる共闘クエストが増えていく構造になっています。

通信プレイの共闘探索クエストではいくつかのテーマが設定されたダンジョンを用意しています。ダンジョン内部構造は固定ではなく、ランダム生成されます。また巣は一つではなく複数ありますので、一度の探索で多くのタマゴを入手することができ、繰り返し遊んでも楽しめるようになっております。NPCと一緒に一人でコツコツも楽しめますが、友達と一緒に協力し合いながら探索するとより一層楽しめます。

――前作をプレイしていて、モンスターの挙動や各種SEなど、アクションゲームの「モンスターハンター」らしさが随所に詰め込まれているのが「モンスターハンターストーリーズ」の魅力だと感じました。本作で拘ったポイントなどがあればおしえてください。

モンハンらしさを感じてもらうためには、モンスターの生態表現はもちろんのこと、ゲームシステム面でも多くのこだわりが詰まっています。表現のみならず、遊んだあとも「RPGでもモンハン」と感じていただけるように作り込んでいます。

――ハードがNintendo Switchに変わって、進化した点や新たに導入可能になった要素などがあればおしえてください。

色々ありますが一番はイベントシーンですね。表現力が上がったことで、キャラクターの表情や、ライティング、映画的な演出など、全て再設計して製作しました。ご覧になっていただければ、かなり進化している印象を受けると思います。

――「モンスターハンターライズ」との連動特典として「カムラノ装」が手に入るそうですが、「ライズ」側では特典がありますか?

「モンスターハンターライズ」では、「モンスターハンターストーリーズ2」のセーブデータがあると、本作の主人公の初期装備「ライダー」シリーズが、ハンターの重ね着装備として手に入ります。

※画像は「モンスターハンター スペシャルプログラム」をキャプチャーしたものです。

――「モンスターハンターライダーズ」との連動要素はなにかありますか?

プラットフォームが異なるので、直接的な連動は難しいですが、何かできたらいいですね。

――最後に本作の発売を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

前作のファンの方も今回初めてプレイされる方もどちらも楽しめる作品になっていますので、ぜひプレイしてみてください。遊びやすく丁寧に作った自信作です。ぜひ遊んでいただき、RPGだからこそできるストーリー展開、RPGなのにしっかりとモンハンらしいゲームということを感じてほしいです。発売まであと少し、今後の続報に期待しつつお待ちください。

※画面は開発中のものです。

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