ディースリー・パブリッシャーより発売中のPS5/PS4用ソフト「地球防衛軍6」。プロデューサー・岡島信幸氏へのインタビューを実施した。

目次
  1. 「地球防衛軍」シリーズのナンバリングは売上が右肩上がりに
  2. 「6」でのタイムリープは「5」のラストを受けての必然だった
  3. アイテムの自動回収を導入しない理由とは

「地球防衛軍6」の発売から約2ヶ月が経過し、もうゲームをクリアしたというEDF隊員も少なくないだろう。すでにプレイした人はご存知の通り、本作はストーリー構造がかなり特殊となっており、とくに終盤にはこれまでのシリーズ以上のカタルシスや感動を味わえるようになっている。

今回のインタビューには、そんなストーリーについての話を中心に、発売後のユーザーからの反応やシステムの仕様に至るまで、発売後だからこそ話せる内容が満載。ネタバレも含む内容となっているので、これから本作をプレイする予定の人は注意して欲しい。

「地球防衛軍」シリーズのナンバリングは売上が右肩上がりに

――「地球防衛軍6」は、販売本数がシリーズ最速で30万本を突破するなど好調が伝えられています。シリーズはナンバリングを重ねるごとに売上が落ちていくのが珍しくないかと思うのですが、シリーズの人気が続く要因は何だと考えられていますか?

岡島氏:もちろん、すべてのシリーズを重ねたゲームがそうではありませんが、おっしゃる通りの傾向があるのは事実と言えるでしょう。その中で、「地球防衛軍」シリーズについては、お陰様でナンバリングを重ねるごとに数字が上がっている状況ではあります。「6」についてはまだ発売されて間もないので、最終的に「5」の数字を超えられるかまでは分からないのですが、出だしに関しては非常に好調ですね。

要因については、これは自虐的な意味も込めての話ですが、シリーズ自体がまだそこまでメジャーではなかったというのもあるのかなと。「地球防衛軍」シリーズは昔からすごく熱いファンの方々に支えられていて、そうした方々が周りに楽しさを伝えてくださり、少しずつ広まってきたという認識をもっていますが、まだ本当のメジャータイトルにはなりきれていないからこそ、成長を続けられている側面はあると考えています。

パブリッシャーの立場としては、もっと早く力を入れていれば、よりシリーズを大きくできていたのではないかという反省もあります。ただ、無理をして新しい層を獲得しようとしても、結局合わない方は去っていってしまうでしょうし、シリーズファンを中心に、少しずつ輪を広げていけているからこその現状があるのではないかとも考えています。

――現在は、十数年前だと考えられないくらいシューターゲームというジャンルが国内にも定着しています。「地球防衛軍」は、その中でもライトなユーザーとコアなユーザーが何の気兼ねもなく一緒にプレイできるのも、人気が高まっている一つの要因となっているのではないかと感じていました。

岡島氏:敷居の低さでいうなら、シリーズのナンバリングタイトルって途中から入りにくいという認識をもたれているお客様も少なくないと思うんです。その点地球防衛軍は、「1」と「2」、「3」と「4」といったように、2作品ごとに世界観をリセットしているので、新規のお客様の入り口が多いのも一つの要因なのかなと。

また、難易度もEASYからINFERNOまで5段階を用意しているので、とにかく突き詰めた悪魔のようなプレイがしたいという方から、いわゆる「俺TUEEE」的な爽快感を満喫したい方まで楽しめるようになっていて、純粋に間口も広いですしね。あとは、「地球防衛軍」というタイトルから、ゲームのシチュエーションがすぐに連想できるようになっているので、誰もが入りやすいのかもしれないですね。

――逆に、今の時代にここまでストレートなゲームタイトルというのはなかなかないですよね。

岡島氏:その点は、シリーズの始まりが「SIMPLE2000シリーズ」だったからこその名残ですね(笑)。「SIMPLE2000シリーズ」は「THE〇〇〇」というストレートなタイトルネーミングでしたから。

余談ですが、SIMPLEシリーズには「2000円で気軽に遊びたいと購入してくれた方が、クリアできないことはあってはいけない」というコンセプトがありまして、ゲームが得意な方でもそうでない方でもプレイできるように難易度選択を用意していたんです。「THE 地球防衛軍」に多めの5段階という難易度選択が入っているのも、その流れです。

――今でこそ、難易度選択は大半のゲームに搭載されていますが、「THE 地球防衛軍」が発売された当時は、そこまで多くなかった印象もあります。

岡島氏:シューティングゲームにおいては、ノーマルとハードくらいはあるにしても、誰でもクリアできるイージーや、ハード以上の難易度を用意するというのは珍しかったかもしれませんね。とくに海外においては、ゲームレンタルの影響もあり、ある程度難しくないといけないという風潮もありましたから。

――好調の要因には、ダウンロード版の販売が主流になりつつあることの影響もあるのでしょうか。

岡島氏:「地球防衛軍」シリーズでDL販売を本格的に取り組み始めたのは「4」の頃で、その時点でも多くの方にDL版をお買い上げいただいてはいたのですが、「5」ではその傾向がさらに顕著になりました。まだその頃は、市場全体の主流はパッケージ版の時代だったのですが、「5」に関してはその中でもかなりダウンロード版の割合が高いタイトルだったと認識しています。

今では、ゲームもダウンロード版を買うというのがごくごく当たり前の時代になりましたが、「6」ではダウンロード版の割合はさらに高くなっています。

「6」でのタイムリープは「5」のラストを受けての必然だった

――「6」はシリーズの中でもとくにストーリー性が強いタイトルとなっていました。ストーリーのコンセプトはどのように固まっていったのでしょうか。

岡島氏:これまで「地球防衛軍」シリーズの流れから、「6」が「5」と世界観が共通で、続きの物話になるということは、ファンの方々も分かっていたと思います。「5」は、プライマーを撃退はしたものの、人類の9割が死滅して文明も崩壊寸前になっているという、「1」や「3」とくらべてもかなり悲惨な状態のラストだったんですよね。

やはり、ゲームとしてバットエンドで終わらせるわけにはいきませんから、あの状態からカタルシスのあるハッピーエンドで終わらせるわけにはどうすればいいかを考えた時、多少難解になろうとも、「5」を遊んでくれた方がすっきりするようなシナリオにするしかないだろうと。

なので、ある意味「5」をあのラストにした時点で、「6」のコンセプトは自ずと固まっていたと言えるかもしれませんね。

――これまでのシリーズでも、「1」と「2」、「3」と「4」といったように、ナンバリング同士のストーリーの繋がりというのは存在していましたが、「5」と「6」は、その中でももっとも結びつきが強い関係性だったかと思います。どうしても「5」をプレイしていない人にとっては、ストーリーを理解しずらくなる面もあったと思うのですが、ここまで深い繋がりを設けることに躊躇いはありませんでしたか?

岡島氏:もちろんありましたが、クリエーターの方々の希望もあり、もうその路線でいくしかないということは比較的早い段階から決まっていたので、腹は括っていました。

発売前のプロモーションでは、「6は5の続きで、この悲惨な状況からどうやって地球を守るかが見どころです」と発信していたのですが、「タイムリープして地球を救う物語です!」とは当然言えなくて。

我々としては、「ストーリーもこんなに面白いんだ!」ということを紹介したいのですが、初めてプレイする方にとってのサプライズを大事にしていきたいのはクリエーターの皆さんを含めた現場の総意でした。なので、公式生放送で軍曹がどうなったか聞かれたときも、「軍曹は死にました」と心を鬼にして言わないといけなかったわけです(笑)。情報を隠し続けないといけなかった辛さが一番想い出深いかもしれませんね。

発売前のプロモーションでは、タイムリープに関する情報が秘匿されていた。

――タイムリープを伏せるとなると、出せる素材も限られるのでプロモーションは大変ですよね。

岡島氏:そうなんです。しかも「6」の場合、コロナの影響もあって制作進行も一筋縄ではいかなくて、発売も当初の予定より遅くなってしまいました。そうなると、プロモーションを続けないといけない期間も長くなりますから、開発費だけではなくプロモーションのコストも上がっていくのは、なかなか頭の痛い問題でした。ユーザーの皆様に本当のことを話せない期間が長くなっていく心苦しさもありましたしね。

ただ、結果的にはリリースを延期したのは良かったのかなという感覚もあります。中途半端なものをご提供せずにすみましたし、発表から発売までの期間を長く持てたことで、その間に「5」からシリーズを初めてくれたお客様がかなり増えたんです。あの期間に、「6」の内容をより理解して楽しめる方が増えてくれたと考えれば、プラスの面も少なくなかったのかなと。

――プライマーの正体を始め、「5」で張られた伏線が見事に回収された印象があります。「6」のストーリー構想は「5」の時から存在していたのでしょうか?

岡島氏:これは、シナリオを担当されたサンドロッドの本間(毅寛)さん自身しか分からないことですが……「5」の時はまだ大まかな構想はあるものの詳細はまだ…だったのではないかと思います。「5」は「5」で全力投球をした結果があのラストでしたし、いざ「6」となって、伏線を回収しながらストーリーをひねり出すのには、かなり悩まれていた様子でしたから。

――ストーリー構造が複雑だっただけに、ゲーム内に落とし込むのもやはり大変でしたか?

岡島氏:そうですね……流れとしては、最初に大まかなストーリー展開が決まって、それを元にゲーム内のミッションを作っていくことになるのですが、ゲームの大枠やシステム側はほぼ出来上がっているのに、ミッション中のストーリーに関する詳細な部分がなかなか固まらないという時期がそこそこ長かったですから。私が直接関わったわけではないのですが、現場のクリエイターさんはかなり苦労されていましたね。

――ストーリー上の演出だと、タイムリープが行われる度にナンバリングの数字が進んでいくのが面白かったなと。しかも、ストーリーを進めていくとあの数字の本当の意味も分かってきて。

岡島氏:最初に見たときは、単純にここから「6」の物語が始まる演出だと思いますよね。実は、「7」や「8」、「9」と進んでいくっていう演出は、その先にある答えが何なのか、知りたくなってしまいますよね。次回作が出ることになったら、ナンバリングがどうなるかにも注目してもらえればと思います(笑)。

――「6」は物語性が強いこともあり、印象的なNPCも多数登場していました。お気に入りのキャラクターはいますか?

岡島氏:シナリオが完成する途中までは、大尉の印象ってあまり良くなかったんですよ。おそらく、ユーザーさんも最初はそうだったんじゃないかと思うんですが、ブラック企業の上司気質というか(笑)。

ただ、何度もループしていく内に、「この人はこの人でかなりの苦労をしながらこの場にいるんだな」ということが分かってきて、どんな状況になってもへこたれず地球のために戦っていて、結構良いやつなのかもしれないなと。シナリオ上の扱いとしては、勘違いする変なおじさんという印象を持たれた方がいるかもしれませんが、必要悪的な意味でもストーリーに欠かせない重要な存在ですね。

――結果論的な部分もありますが、彼の行動がなければ地球は救われていなかったであろう可能性を考えると、主人公やプロフェッサーに次ぐくらい重要な役割を果たしていますよね。

岡島氏:そうですね。ただ、あの少人数でリングを破壊しに行こうとする姿は、敬服する点もありますが、やっぱりムチャクチャだと思います(笑)。

――個人的には、未来の地下で毎回合流する中尉もすごく印象深いです。

岡島氏:彼は、「絶対行かない」といいながら、なんだかんだで見捨てずに付き合ってくれるんですよね。彼は色変えの汎用モデルのキャラクターなので、いわゆる専用モデル持ちではないんですが、心はメインキャラクターに劣らないイケメンだと思います。

――「6」は従来のシリーズよりも難易度が少し高い印象も受けたのですが、意図した調整だったのでしょうか?

岡島氏:実は難易度については、発売日当日のDay-1パッチでかなり緩和したんですよ。なので、とくに完成直前版で事前プレイされたメディアの方には難しいという印象があるかもしれません。私はテストで何度もプレイしているのもあり、感覚がおかしいのかもしれませんが、発売後のバージョンに関してはそれほど従来のタイトルから難易度が上がったという感触はないです。

――確かに、自分も事前レビューの印象に引っ張られた部分もあったかもしれません。ただ、追加された新しい敵がなかなか厄介で、とくに赤いネイカーはきつかったなと。

岡島氏:確かに、赤ネイカーはとにかく攻撃力が高いですからね。ただ、乱戦にならないように気をつければ十分対処できる相手ですよ。まあ「5」の時の赤いドローンよりはまだ戦いやすいんじゃないかと思います。どちらも難易度によりますが(笑)。

――「5」の赤ドローンは今でもトラウマです……(笑)。

岡島氏:「地球防衛軍」シリーズの場合、プレイヤーごとに前提条件が大きく違うのもあるかもしれません。兵科や武器によって戦いやすさは変わってくるので、人によっては見たくもなくなるのは理解できます。とはいえ、誰もが一度は躓くポイントがあるのが「地球防衛軍」シリーズの伝統でもあるので、大いに躓きながら試行錯誤してプレイいただければと思っています(笑)。

――レンジャー、ウイングダイバー、エアレイダーについてはそれぞれ新要素が追加されました。プレイヤーの反応も好意的なものが多く見受けられますが、とくに好評だったのはどの兵科でしょうか。

岡島氏:圧倒的にエアレイダーだと思います。今まではレンジャー、ウイングダイバー、エアレイダー、フェンサーの順に使用率が高くて、まだ正確な数値を確認しているわけではないですが、「6」ではエアレイダーがレンジャーの次になるかもしれないくらい使用率が上がった印象があります。

――今まではステージよって相性の差が激しかったのが、ある程度どのステージでもやれるようになったのは大きそうですよね。

岡島氏:エアレイダーはとくにそうですね。装備にもよりますが、大味さが減って緻密なプレイができるようになったのは大きいと思います。

あとはレンジャーのバックパック、ウイングダイバーの独立作動装備も増やして良かったなと思っています。これまでのナンバリングタイトルでは、いろいろな選択肢がある中、2つしかない装備枠をどうやりくりするかが重要なポイントだったのですが、ここまで多種多様な敵がミッション途中から出てくるようになると、プレイヤー側の利便性や対応力を上げて、戦いの幅を広げるという方向の進化が不可欠だったのだと思います。

――「ホロライブ」とのコラボ装備も話題となりましたが、コラボが実現した経緯についてお聞かせください。

岡島氏:元々、ホロライブの大神ミオさんが「地球防衛軍」シリーズのファンで、配信をして下さっていたのを我々も認識していたんです。今VTuberが非常に盛り上がっていることもあり、オファーを出して公式生放送に出演していただいたのがきっかけですね。

そこで初めてお会いして、そんなにシリーズへの愛をもってくださっているのであれば、彼女たちもキャラクターですので、ゲーム内でもコラボできないかと提案させていただいた形でした。なので、最初からコラボありきで出演していただいたわけではなくて、結構自然な流れで実現した企画だったと思います。

いつも初回特典については、結構悩む部分なのですが、今回に関してはすんなり決まりましたね。

――踊るわ歌うわ服は壊れるわ、めちゃくちゃ凝った仕様だったのも驚きました。

岡島氏:それに関しては、開発元のサンドロットのクリエーターの方に好きな方がいらっしゃったようで、お話が決まった時もすごく喜んでいただいたようです。そういうこともあり、こちらが想定していた以上に凝り凝りのものが仕上がってきたので驚きました。振り付けに関しても3人それぞれ違いますし、流れる曲に関しても「3人で歌っている」設定なので、キャラクターが歌う時だけ口が動き、そのキャラクターが歌っていないパートはちゃんと口を閉じているんです。

――まさに、開発側の愛が詰まっていますね(笑)。昨今盛り上がりを見せる、「ゲーム配信」という文化についてはどんなお考えをお持ちでしょうか?

岡島氏:今は誰もが発信者になれる時代ですので、その中で「自分はこのゲームが好きなんだ!」と発信いただけるのは、ありがたい以外の何物でもなく、大歓迎ですね。ただ、プレイヤーそれぞれでプレイのペースや購入時期も違いますし、とくに発売後のホットな時期については、少しネタバレに関する配慮をしてもらえるといいのかなと。

メーカーとしても、「この期間はここまで」といったように、配信可能箇所に段階を設ける必要はあるのかなと考えています。「地球防衛軍」でも「5」から配信のガイドラインを公開していますが、ほとんどのユーザー様にルールを守っていただけていて、非常にありがたいです。この場を借りて御礼申し上げます。

――「地球防衛軍」シリーズ自体、ゲーム配信の文化と共に盛り上がってきたイメージもあります。

岡島氏:そうですね。リアクションがしやすいゲームなので、配信との相性が良かったということだと思います。eスポーツ的なものとは大分方向性が違いますが、眼の前で起こっていることに配信者が戸惑ったりしているのを見ているのも面白いですし、いろいろな意味でツッコミ所があるのも、配信映えする部分なのかなと推測しています(笑)。

アイテムの自動回収を導入しない理由とは

――「地球防衛軍」シリーズは、来年20周年という節目を迎えます。とくに思い出深いタイトルはありますか?

岡島氏:やっぱり最初の「THE 地球防衛軍」ですね。当時は「SIMPLE2000シリーズ」の1つとして、毛色の違うタイトルをリリースする形だったのですが、それがなければ現在はありませんから。

これはすでにいろいろなところでお話させいていただいていることですが、最初に「THE 地球防衛軍」の企画が上がってきた時って、弊社の商品化会議では賛成と反対の意見がちょうど半々くらいだったんです。結果的にはやってみて良かったのは間違いないですし、「ディースリー・パブリッシャーあるある」として、意見が真っ二つになったものほど、後にヒット商品になる確率が高いという法則があるんです(笑)。反対に、全員が良いと感じるような、一見そつない企画はヒットしなかったり。

他にはない光るものがあるからこそ、肯定的から悲観的なものまでいろいろな意見が出るのかなと思っていて、「地球防衛軍」もその法則に則ってヒットしたシリーズでしたね。

――シリーズの歴史の中で、大きな転機となったのはどのタイトルだと考えていますか?

岡島氏:転機という意味では、初めてフルプライスの商品になった「地球防衛軍3」でしょうね。今思い返しても、あの時の決断は間違っていなかったと思っています。「3」がなければその後のシリーズもまた違った形になっていたかもしれません。

※画像はXBOX360版「地球防衛軍3」のもの

――ゲームシステムの根幹部分は、第1作から大きく変わっていないかと思うのですが、大幅にシステムを変えようという話が出たこともあったのでしょうか?

岡島氏:私の知る限りではないです。もちろん、進化するべき所は進化させるけど、変えない部分はそのままにするというのは、私とサンドロットさんの間での共通認識だと思います。

ただ、「3」の時は、グラフィックをハリウッド映画的なアプローチに変えつつ、「2」にあったペイルウイングを削除するということもやっていて、SIMPLEシリーズ時代とその後では明確に線を引いて仕切り直しているつもりです。

低価格のSIMPLE2000シリーズ時代は、やはりかけられる開発費に限りがありました。それを取っ払って価格的な満足度よりもコンテンツとしてエンドユーザーさんが満足できるゲームとなるように構造を変えていったのが、シリーズの転換として一番大きかった部分かもしれませんね。

――アーマーやウェポンの自動回収化については、検討されたことはありますか?

岡島氏:実はそれについても、私の知る限り一度も話題に出たことはないですね。「地球防衛軍」のアーマーとウェポンは、あくまでもプレイヤーが任意で「拾うもの」で、努力する要素なんだと思います。あれが自動で回収されてしまったら、便利な一方で、目に見えないゲームの面白さを削いでしまうのではないでしょうか。

アーマーにしろウェポンにしろ、基本的には全部拾わなくてもゲームは進められますよね。あれは「誰もができるやりこみ要素」という位置づけであり、決して変えてはいけない所だと考えています。

あと、これは私が最近気づいたことなんですが、「地球防衛軍」って、「地球を守る」という前提が表向きにはあるのですが、実は目的達成のために赤と緑の箱を集めるゲームなんですよ(笑)。

――なるほど、そういう考え方もありますか。

岡島氏:ミッションに失敗しても、途中でアーマーとウェポンを拾えていれば、キャラクターが成長して再挑戦する時にほんの少しだけでも楽になりますよね。ある意味、赤と緑の箱の回収はミッションクリアよりも優先度が高いとも言えます。

また、ミッションをクリアするまでの間に何をしたかというのも、大切なゲームの思い出になると思うんです。例えばエアレイダーのユーザーがマップ中を転がって移動し、全部の装備を回収するのは大変だったかもしれませんが、その見返りとして欲しかった装備が手に入った時は一層嬉しいですよね。しかも、アーマーは取れば確実に体力が上がるのに対して、ウェポンは開けるまで中身が分からない一種のくじ引き要素になっています。この2つはとても良いバランスで存在し、実のところナンバリングEDFのアイデンティティを形成している重要な要素だと思いますよ。

――「6」で今後予定されているDLCやアップデートについて、現段階でお話しいただける事はありますか?

岡島氏:現在、大型DLCを鋭意制作中です。大勢のユーザーさんが予想されている通りのミッションパック的な内容で、難易度的にもかなりやりごたえがあるものとなる予定です。具体的なリリース時期などはまだ発表できる段階ではないのですが、楽しみにお待ちいただければと思います。

――一度ゲームをクリアしたという人も、DLCに備えてまだまだ育成を進めないといけないですね。

岡島氏:そうですね。リリースタイミングが遅くなればなるほど、エンドユーザーさんの兵科育成も進むと思うので、ミッションの内容も難しくなっていくんじゃないかと思います(笑)。もちろんDLCにも5段階の難易度設定がありますし、誰でも参加だけはできるようにはなっているので、ご安心ください。

――最後に、シリーズファンに向けてのメッセージをお願いします。

岡島氏:「地球防衛軍6」をお楽しみいただき、多くの方に入隊いただいて大変光栄です。今まではお話できない部分も多かったのですが、現在は動画配信も最後まで解禁されているので、大いに語りあっていただける状態になっていると思います。

とくに今回は、いろいろ考察できる部分も多いかと思うので、何も知らない方への配慮はある程度必要ですが、隊員同士でご自分の解釈を語り合っていただくのも楽しいのではないでしょうか。ゲームと語りの両方で、「地球防衛軍6」を楽しんでいただければ嬉しいです。

――ありがとうございました。

地球防衛軍6

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  • 発売日:2022年8月25日
  • 17歳以上対象

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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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