スマートフォン向けマルチプレイアクションゲーム「スクワッド・バスターズ」をレビュー。「クラッシュ・ロワイヤル」や「ブロスタ」といった人気作で知られるSupercellの最新作の魅力を紹介する。

「スクワッド・バスターズ」は最大10人でプレイ可能な、スマートフォン向けマルチプレイアクションゲーム。これまで「ヘイ・デイ」、「クラッシュ・オブ・クラン(クラクラ)」、「ブーム・ビーチ」、「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」、「ブロスタ」といった人気作をリリースしてきたSupercellの最新作であるとともに、これら過去作のキャラクターが一堂に介するお祭り的作品でもある。

ところで「過去作」と書いたが、どの作品も現在進行形でプレイし続けられており、現役と言っていい。このことは、Supercellのリリースする作品が長期間に渡って楽しめる作品であることの証明といえるだろう。だからこそ、Supercellの新作に高い期待を抱いていた人は少なくないハズ。筆者もそんな一人だ。しかも、過去作のキャラクターが集結するお祭り的作品なのだから、期待度も並じゃない。では本作は、そんな圧倒的に高い期待に応えてくれる作品だったのだろうか?このレビューでお伝えしたい。

初心者から熟練プレイヤーまで共に勝負を楽しめる爽快マルチプレイアクション「スクワッド・バスターズ」の画像

Supercellキャラクターを集めて育成!エメラルド大量獲得を狙うマルチプレイアクション

最初に答えを言ってしまうと、本作は期待を上回るレベルで圧倒的におもしろい作品だった。しかも、ただおもしろいだけでなくオリジナリティが高い。これまでのSupercell作品のどれとも似ていないのはもちろん、現在世の中でプレイされている他のゲームとも似ていない。本作でないと味わえない独特なおもしろさを持った作品なので、ちょっとでも興味を持ったならプレイしないのはもったいないぞ!

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本作におけるプレイヤーの目的は、エメラルドを獲得すること。4分の制限時間終了時にエメラルドの獲得数によって順位が確定、最も多く保有していたプレイヤーが勝者となる。

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プレイヤーができることは、移動と攻撃。スワイプ操作でフィールドを自由に移動でき、移動していない状態で攻撃範囲内に敵がいると、自動的に攻撃が行われる。このため、攻撃時には移動ができない。

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本作においてプレイヤーの敵として立ちはだかるのは、他プレイヤーの操作するキャラクターと、コンピューターが動かすエネミーたち。バトル開始直後に戦うのは、基本的にエネミーだ。エネミーを倒すことでコインを獲得、宝箱の開封を狙う。

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宝箱は勝敗に大きな影響を与える。宝箱を開けると、ランダムに選ばれた3体のキャラクターの中から、1体を選んで獲得できる。もちろん、登場するのはSupercell作品のキャラクターたちだ。獲得したキャラクターは自分の部隊=スクワッドへと即座に加入。人数が増えるのに加えて、各キャラクター固有の能力も使えるようになるため、総合的に部隊の戦闘力がアップする。

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また、同じキャラクターを3体集めると合体してより強力なキャラクターへと進化する。同種のキャラクターを集めて純粋に強さを伸ばすのか?それとも、異なるタイプのキャラクターを手に入れ多彩な能力を獲得するのか?この点が本作における戦略性のひとつとなっている。

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バトルがラスト1分を切るとエメラルド鉱山がオープンする。エメラルド鉱山からは一定時間ごとに大量のエメラルドが出現するため、エメラルド鉱山付近に行くことが勝利の近道。ただ、ほとんどのプレイヤーが同じように考えるため、エメラルド鉱山付近にプレイヤーが集結、結果としてバトルが繰り広げられることにになる。このため、この時点までに部隊をどれだけ強化しているかがカギといえるだろう。

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対戦ゲームの課題を解決しつつ爽快なアクションに仕上げたゲームデザイン

では、本作のどこがおもしろいのか?魅力のひとつが、爽快感。これは、序盤の展開とアクションの手触り、そしてバトルの決着に順位というスタイルを持ち込んだことによってもたらされている。

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本作の攻撃は移動停止時にオートで行われるため、プレイヤーとして主に操作するのは移動の部分。本作ではこの移動が、かなりスピーディーに調整されている。このため、移動の手触りが気持ちイイ。コインや宝箱を求めてマップを移動するのは楽しいし、迫りくる他プレイヤーから逃げる…というスリリングなシチュエーションでも、ストレスがない。

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また、バトル序盤においてエネミーとの戦いが重視されている点も、爽快感に繋がっていると感じた。バトルスタート直後のプレイヤーより強力なエネミーも存在するものの、基本的にプレイヤーは自分より弱いエネミーを相手に戦っていく。もちろんスタート直後からいきなり他プレイヤーを狙う好戦的なプレイヤーも存在する。ただ、序盤で他プレイヤーとの戦いを仕掛けてしまうと、その分コインが獲得できないので宝箱が開けにくい。すると結果的に終盤の勝ち目がなくなるので、必然的に序盤はエネミーを相手にしたほうがいい…という結論になる。このため、バトルスタート直後でいきなり倒されてしまい、意味も分からず敗北…ということは少ない。つまり本作は、確かにマルチプレイゲームではあるのだが、序盤に関してはソロプレイ的な爽快アクションを楽しめるのだ。

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そして、バトル終盤には、序盤で体験した爽快感が損なわれないような仕掛けが持ち込まれている。それが、順位という決着スタイル。本作の決着は、エメラルドを最も獲得したプレイヤーのみが勝者で、他は敗者…というかたちではなく、エメラルドの獲得量によってランキングされるというかたちなのだ。

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このため、ゲーム終盤で仮にキャラクターの育成に失敗していたとしても、まだ勝ち目が残される。強そうなプレイヤーから逃げ回りつつ、上手いことエメラルドを奪えば、まだまだ上位入賞の可能性があるのだ。これは、バトル決着前に結果が見えてしまい、まともにやる気を失ってしまう…というモチベーション面で、まず意味がある。それに加え、爽快感という面でも意味があると思う。

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なぜなら、対戦型のゲームにおいて負けることは強いストレスになるからだ。対人対戦型のゲームである以上、勝つこともあれば負けることもある。なので負けることは織り込み済み……のハズなのだが、それであっても負けた際のストレスは小さくない。対人対戦型のゲームをやり込んだことがある人であれば、この点は同意できるのではないだろうか。

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本作は、終盤の展開に首位プレイヤーとの直接対決以外の立ち回りが残されるという展開や、順位型の決着スタイルを持ち込むことで、こうした「負けのストレス」を緩和している。このため、たとえ終盤負けていたとしても、1位を逃したとしても、プレイ感が比較的爽快だ。この点は、作品としての楽しさを実現するとともに、最近の対戦ゲームの課題へのSupercellなりの回答なのではないかと感じた。

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FPSにしても格闘ゲームにしても、あるいは「クラッシュ・ロワイヤル」や「ブロスタ」といったSupercellにしても、運営が長く続いている対戦格闘ゲームは、「気軽に楽しめる」という意味での娯楽性から離れていってしまう。というのも、運営が長く続いているということは、それだけ多くの戦略・戦術が生み出されているということ。それらの戦略・戦術をキャッチップしていないと、なかなか勝てなくなってしまう。

もちろん、勝つために戦略や戦術を学び、プレイヤースキルを磨いていく…ということは、それ自体が対戦ゲームの「楽しさ」と言える。しかし、ストイックに腕を磨くこと「だけ」が対戦ゲームの魅力ではないハズだ。気軽にプレイして、「今回は負けちゃった」という少しの悔しさと、「今回は勝った!」というちょっとした喜びを味わうこともまた、対戦ゲームの魅力。いや、「娯楽」という観点からいえば、息抜きや気晴らしとして気軽に爽快感を味わえることこそが本質といえる。

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おそらくこうした課題に対応するためだろう。本作は、「戦略」と「プレイヤースキルの影響」といった要素を意図的に抑えているようだ。「戦略」面については、獲得可能なキャラクターやバトルマップ、バトル時の特別ルールなどをランダム化している。戦略とは、勝利を狙って事前に準備しておく長期的な計画のこと。なので、ランダムな要素が多ければ多いほど、戦略を立てにくくなる。たとえばキャラクターやマップ固定であれば、事前に立ち回りを考えておくことができるが、ランダムならそれは不可能だ。

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また、プレイヤースキルについては操作性を最大限シンプル化することで対応している。この記事で紹介した通り、本作でプレイヤーが行う操作は移動と移動停止=攻撃という形に集約されている。何かのボタンを押して攻撃なのではなく、何も操作をしないことが攻撃。FPSのエイミングや格闘ゲームの連続技のように、操作技術に秀でていれば有利になる…という要素が抑えられているのだ。

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「戦略」と「プレイヤースキルの影響」が抑えられているため、本作はゲームに慣れていない人がプレイしたとしても、楽しむことができるようになっている。操作に慣れていなくとも指を離すだけで敵を倒すことができるし、運が良ければ宝箱から強キャラを引き当てることが可能。たとえ運悪く強キャラが出てこなかったとしても、上手いこと逃げてエメラルドを集めれば、ランキング上位に食い込めるかもしれない。初心者が熟練者とプレイしたとしても、勝つ確率はゼロではないのだ。

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だからといって、本作は決して運ゲーではない。確かに「戦略」と「プレイヤースキルの影響」は抑えられているのだが、まったく存在しないわけではないのだ。「戦略」については、現在の状況に対してどのキャラクターを獲得するか?という立ち回り方として残されている。戦略をあらかじめ決めておくことはできないが、キャラの引きに合わせて切り替え可能な戦略の引き出しと、柔軟性があれば上位入賞を安定させることができるだろう。

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また、本作の敵は攻撃予測を表示してくれるため、位置取りをきめ細かく変えることでダメージを軽減できる。たかが移動、されど移動。キャラクターコントロールが優れていれば、敗北を避け、上位入賞に繋げることが可能なのだ。

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結果として本作は、初心者プレイヤーから熟練プレイヤーまで、あらゆるプレイヤーが楽しめるマルチプレイアクションゲームに仕上がっていると感じた。初心者プレイヤーでも爽快に勝敗を楽しむことができ、熟練プレイヤーは上位入賞を安定させるための戦略・プレイヤースキルを追求することができる。さすがはSupercell。筆者もまた、長期間プレイすることになりそうだ…。

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ホラーに特化してゲームを作るインディゲーム作家。インディゲームデベロッパー株式会社ワーを一人でやってます。クリエイターとしてゲームライターとして講師として、そしてもちろんいちゲーマーとしてゲームとともに生きています。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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