カプコンより2024年7月19日に発売予定のPS5/PS4/Xbox Game Pass/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Windows、Steam)対応タイトル「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」のプレイレポートと、開発者インタビューをお届け。

目次
  1. プレイレポート:新鮮さと挑戦し甲斐に満ちた、手強いけれど懐も深い、新しいゲーム
  2. インタビュー:ディレクター・川田脩壱氏、プロデューサー・平林良章氏
  3. 「CAPCOM NEXT - Summer 2024」でも「祇」の最新情報が!

本作は「アクションと戦略」を楽しむ1人プレイ専用の神楽戦略活劇。プレイヤーは主人公である宗(そう)を操作するアクションと、村人たちへの指揮を駆使して、巫女である世代(よしろ)を守り、山村の穢れを浄化していくことになる。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

このたびは発売に先駆けて序盤を中心にいくつかのステージをプレイ、これを踏まえて本作のディレクター・川田脩壱氏、プロデューサー・平林良章氏への合同インタビューに参加する機会をいただいた。

本稿では前半でプレイレポート、後半でインタビューを掲載。あわせて読めば本作の魅力がより深く伝わることと思うので、ぜひ最後まで読んでみてほしい。

プレイレポート:新鮮さと挑戦し甲斐に満ちた、手強いけれど懐も深い、新しいゲーム

「祇:Path of the Goddess」はステージクリア制のゲームとなっている。

訪れる村のひとつひとつがステージになっており、通常ステージの攻略という形で村人たちを助け、彼らをともに戦ってくれる仲間として協力して穢れを祓う。穢れを祓う方法は、巫女である世代を、“畏哭(いこく)”と呼ばれる怪物を生み出すようになってしまった鳥居まで導くこと。

通常ステージの攻略は“昼フェイズ”と“夜フェイズ”に分かれており、昼フェイズでは探索による戦力強化を図り、夜フェイズでは畏哭が出現、襲撃から世代を守るべく戦闘になる。

通常ステージのクリア後は、穢れによって荒れた村を、助けた村人の手を借りて復興しつつ、ボス戦ステージに挑むことに。この一連の流れをクリアすれば、さらに次のステージへと挑めるようになる。

図はライターの自作
図はライターの自作

いずれのパートも複数回プレイすることで、アイテムや素材を増やし、宗や村人を強化して先々の攻略を楽にするといった遊び方が可能。ストイックにも楽しめる一方、こうした要素によって、かなり幅広い腕前のプレイヤーが本作を楽しめる作りになっていると感じた。

アクションとストラテジー“ちょうど半々”。夜の襲撃に備えるべく昼に“霊道を引く”のも忘れずに

昼フェイズでは難しい操作を要求されることはあまりないが、夜が来てしまう前にフィールドを隈なく探索することで、夜フェイズの戦闘が有利になる。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

穢れに覆われた村人を見つけ出す、より多くの穢れを祓って結晶を手に入れる、アイテムを拾う、場合によっては村人の手を借りて障害物をどかすなど、やるべきことは多い。なお、ひと通りの探索が終わったら、夜まで時間を早送りすることも可能だ。

そんな探索と平行して、忘れずにやっておきたいのが“霊道を引く”というアクション。これを行うことで、昼フェイズのあいだ、宗が霊道を引いた道を世代が踊りながら移動していく。霊道を引く際のルートは決まっており、今回プレイした範囲では、鳥居までの最短ルートを進む形になっていた。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

通常ステージのクリアには「世代を鳥居まで導く」ことが不可欠なので、これをやっておかないと夜フェイズで敵(畏哭)をいくら倒してもクリアにはならない。ただし、世代が移動できるのは昼のあいだだけで、夜になった時点でたどり着いた場所で、世代の身を敵から守ることになる。ことを急いては、地形的にリスクが大きな地点で世代を守る必要が生じてしまうので、時間の流れを踏まえて適当な場所で世代を“待機”させるといった判断も重要のようだ。

画面左下に表示される時間経過を表す水盆で、日が沈み、月が昇ると夜フェイズが幕を開ける。この夜フェイズでプレイヤーは、大挙して押し寄せてくる畏哭を相手に、宗によるアクションと、村人たちへの指示を並行してこなしていくことになる。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

宗の操作自体は、ボタン入力の組み合わせにより技が変化する近接攻撃の連撃や、敵の攻撃にはガードで対処するオーソドックスかつ爽快なもの。連撃は周囲のたくさんの敵を巻き込めるもの、単体の敵により多くのダメージが期待できるものなど、状況にあわせた使い分けができるようになると、戦いが楽になる印象だった。また、“霊力”を消費するため多用はできないがピンチを打開できる“必殺の奥義”も存在する。

村人たちへの指示は、基本的に向かってほしい場所をひとりひとり指定するだけ。ほかに全員に対して「敵に突撃して総攻撃を仕掛ける」、「世代の周りに集まって守る」といった指示もできた。今回プレイした各ステージで指揮した村人の人数は4~5人程度。また、指示しているあいだは時間の流れが止まるので、この手のゲームに不慣れでも落ち着いて最適な役割分担を考えられるはずだ。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像
「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

村人たちは、結晶を消費して転職させることができる。近接攻撃が得意な“杣人”、遠距離攻撃で近づかれる前に攻撃できて浮遊している敵にも有利な“弓取り”など、ステージごとの敵の種類にあわせて、どんなバランスで編成を行うべきか、臨機応変に対応していくのが重要となっていた。

夜フェイズにおけるゲームプレイは宗を操作してのアクションと村人への指揮、それぞれの重要性がちょうど半々といった印象。多くの通常ステージは道が複数に分かれており、村人たちの守りをかいくぐって手薄なルートから敵が世代に迫ってしまうこともあったが、村人の陣形を変えてカバーすることもできれば、宗のアクションで対処することもできた。この辺りはプレイヤーの性格が出る部分かもしれない。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像
「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

ちなみに、回復アイテムは各ステージの攻略中はいくらでもストックできるが、別のステージに持ち越せるのは最大5個まで。余剰分は攻略中のステージで使い切って問題ないので「あとあとを見越して使用をケチりたくなる」心理が働きづらいのが筆者の性格的にありがたかった。

なお、これらは序盤ステージの印象であり、より多くのジョブをアンロックできる中盤~終盤では印象は変わってくるかもしれない。なにせ今回プレイした序盤だけでも新たなステージに挑戦するたびに新しい要素が追加されてゲーム性が変化していき、新鮮に頭を悩ませることができたからだ。

複雑に感じるかもしれないが、アクションと村人への指揮、いずれもシンプルかつ直感的なゲームプレイにまとめられている。加えてチュートリアルが丁寧なので、すんなりと受け入れて自分なりの試行錯誤が楽しめるようになるだろう。

ボス戦では通常ステージ以上に臨機応変な判断やアドリブ的アクションが重要

鳥居の穢れを祓い終えてクリアした通常ステージは宗たちの拠点となり、村人たちの手を借りて復興していくことになる。フィールド上に復興が必要な場所が点在しているため、ステージ攻略で助けた村人たちを割り当てて、修復してもらうのだ。これが完了するとアイテムや結晶が手に入る。

ステージ攻略や拠点の復興で手に入れたアイテムや結晶で、宗や村人たちの強化が可能。序盤ではまだ恩恵を感じづらかったが、ここでの強化の方針により、宗自身のアクションと、村人たちへの指揮、どちらを重視するゲームプレイになるかといった部分が変わっていきそうだ。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像
「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

復興は時間経過ではなくステージクリアするごとに進行するため、たとえば挑戦中のステージやボスが手強くて宗たちをもっと強化したい場合などは、一度攻略したステージに戻って再プレイするといった選択もあり得る。自分のペースでプレイすることを意識すれば、かなり幅広いプレイヤーがエンディングまで楽しめそうな印象を受けた。

最後に強大な畏哭が待ち構えるボス戦ステージは、ダイナミックかつ強力な攻撃を放ってきたり、ほかの畏哭を召喚してきたりと、通常ステージ以上に状況にあわせた臨機応変な判断やアドリブ的なアクションが求められた。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

“霊道”による誘導は必要ないながら、世代を守りつつ戦う点は通常ステージと同様で、この点も意識しなければならない。筆者はとあるボス戦で世代を守り切れず、3回ほど挑戦したものの、体験会の時間内には倒すことができなかった。こういった事態に陥ったら、戦術を大幅に見直す必要があるかもしれない(この辺りについてはインタビューでも少し伺ってみたので、気になる人はチェックしてほしい)。

それから、今回プレイした範囲では、直前の通常ステージでアンロックされた新要素や村人の職業などが、ボス戦攻略のカギになっていることが多かった。こうした点を意識することで、ボス戦での苦戦はかなり減らせるかもしれない。

「祇」は、プレイヤーの試行錯誤に応えてくれる、新鮮さと挑戦し甲斐に満ちた新しいゲームだった。手強い面もあるが、アクションと戦術、どちらを重視して戦うかをある程度プレイヤーに委ねてくれる懐の深さなど、幅広い腕前・属性のプレイヤーが夢中になれる作りになっていると感じた。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

インタビュー:ディレクター・川田脩壱氏、プロデューサー・平林良章氏

ここからは、「祇:Path of the Goddess」のディレクター・川田脩壱氏、プロデューサー・平林良章氏への合同インタビューをお届け。

ディレクター・川田脩壱氏(左)、プロデューサー・平林良章氏(右)
ディレクター・川田脩壱氏(左)、プロデューサー・平林良章氏(右)

「正解がひとつしかない」ゲームには絶対にしない

――魑魅魍魎が跋扈する和の世界観とストラテジー的なゲーム性の融合がかなりユニークなタイトルだと思うのですが、着想はどこから来たのでしょうか?

川田:僕自身が怪奇的な日本の昔話といったものが好きなんですよね。それで、“山には神様がいる”といった信仰などをインスピレーションとして、「夜になったら畏哭が襲ってくるから、毎晩それを凌いでいく」というサイクルが生まれました。

そこからゲームとして成立させるために噛み砕いていく中で、ストラテジー要素をはじめとした、さまざまなシステムを融合させていきました。カプコンらしい“アクションによる介入”を取り入れることで、新しいゲーム体験が作れるのではないか? というのが現在の形になるまでの経緯です。

――順序としては世界観ありきでゲームデザインを構築していったんですね。

川田:そうですね。その過程で、おっしゃられた通り、あまり見たことがない組み合わせのゲームになったので、この部分を伸ばすのが開発する上でのチャレンジになりました。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

――発表した時点で開発から3年ほど経過していたそうですが、それまでの試行錯誤でとくに難航したり、時間が掛かった部分があれば教えてください。

川田:いちばん時間が掛かったのは、プレイヤーと畏哭の強さのバランスですね。「アクションだけで簡単にクリアできちゃう」となったら戦略性を持たせた意味がなくなってしまうので。

関連して、ゲームのコンセプトとして最初から大事にしていたのは「正解がひとつしかないゲームには絶対にしない」ことでした。“村を救う”というタスクだけは用意して、「与えられた材料をどう使うか?」はプレイヤーさんが自分なりの方法を考えることで達成してもらえるゲームになっています。

――アクションとストラテジーのバランスはどのような形を想定していますか?

川田:自分の中では“半々”になるようなバランスを意識しています。ただ、このゲームではいろいろな装備品による能力のカスタマイズができるので、「アクションを重視したプレイがしたい」というのであれば、そのためのビルドを組めます。

逆にアクションが苦手なら、村人を強化するビルドにして、配置や職業のバランスに気をつけることで、宗をそこまで動かさなくても攻略できるなど、プレイヤーごとの幅が生まれる余地ができるように開発しています。

――ちなみに、開発中に「アクションだけ(もしくはストラテジーだけ)のゲームでよくない?」といった判断になりそうだったことはなかったのでしょうか?

川田:それはなかったですね。スタッフみんな「どうやってアクションとストラテジーのバランスを取るか?」という考え方をしてくれました。その上で「どこにアクションを感じてもらうか?」といったことを話し合いましたね。

――ステージによってバランスが変わることはありますか?

川田:はい。トータルでの印象はアクションとストラテジーが半々になると思うのですが、あらゆるステージで同じバランスでもつまらないので、このステージはストラテジー色が強い、こっちのステージはアクション色が強い、といった起伏はあります。

特殊なゲームなので、とくに前半ステージは“壮大なチュートリアル”も兼ねていて、いろいろな要素が各ステージの攻略を重ねることで理解できるような構成も意識しています。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

最初から最後まで、そしてくり返しプレイしても新鮮に感じられるゲームプレイ

――体験会でプレイした序盤ステージは、新たなステージをプレイするたびに要素が増えて、ゲーム性が変化していくのがとても刺激的で楽しかったのですが、こういった変化はゲーム終盤に至るまで続いていくのでしょうか?

川田:そう感じられるものになっていると思います。畏哭のバリエーションもかなり用意しているのですが、それぞれの畏哭は“単機能”であるというのが特徴です。それがまさに百鬼夜行のように集まって押し寄せてきたとき、「どの敵をどういう順番で倒すべきか?」「この畏哭とこの畏哭の組み合わせで攻めてくることもあるのかよ!?」という状況もあるので、どのステージも新鮮に頭を悩ませていただけるんじゃないでしょうか。

平林:体験会でプレイしていただいたのは、「祇」の中でも根本的な遊びがそれぞれに違う部分だったんです。あまりにこうした変化がステージごとに続くと“学んだことを活かす気持ちよさ”が出にくいので、“これまで覚えたことの応用を楽しんでもらう”ためのステージもありつつ、最後まで新鮮なゲームプレイを体験していただけるんじゃないかと思います。

あとは、ステージごとにリワードと連動した課題が用意されています。最初はクリアすることに精一杯で、課題を意識する余裕がないステージがあっても、たとえば「村人の力を借りずに宗ひとりの力でクリアしましょう」といった課題に対して、プレイヤー自身が成長することで「あの課題、いまならイケるんじゃないか?」みたいな。

そうなってくると、同じステージでも違った戦い方が必要になる――といった形での応用も、ゲーム性の変化のバリエーションとして楽しんでいただけると思います。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

――たとえばランダム性が高かったり、プレイヤーが倒れるまでずっと続くといった、やり込むプレイヤー向けのエンドコンテンツ的な要素は用意していますか?

平林:エンドコンテンツについてはまだ多くは語れませんが、ランダム性が高いゲームモードみたいなものはありません。ただ、先ほどの話と通じるのですが、条件が違えば同じようなシチュエーションであってもゲームプレイは異なるものになるので、たとえば空間のデザインは近くても敵の種類が違っていれば別の戦い方を考える必要がありますよね。そういった形で、何度も楽しめるやり込み要素は用意しております。

――何度か挑戦しても歯が立たなかったボスが居たのですが、巫女の世代が攻撃の巻き添えを受けてしまい、守り切れなかったのが原因でした。そうした状況での攻略のコツはどういった点にあったのでしょうか?

平林:攻略のコツという形ではお伝えしづらいのですが、どのステージであるかに関わらず、象徴的な環境ギミックがある場面では、これを活用することで戦いを有利に進められるイメージを持っていただくといいかもしれません。

川田:あとは“敵が誰を狙ってきているのか?”というのはけっこうポイントだと思います。

平林:プレイヤー・村人・世代と敵の攻撃対象は移り変わることがありますが、この3者が近くに寄りすぎていると、必然的に敵と世代も近くにいることになるので、世代に標的を変えがちになるというのはあると思います。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

「モンスターハンターライズ」の百竜夜行をはじめ、ほかのゲームからの影響は「何もない」

――「巫女を守るために村人を配置する」というタワーディフェンス的な要素は、「モンスターハンターライズ」の“百竜夜行”を彷彿とさせますが、この“百竜夜行”や、ほかのゲームタイトルからの影響はあったのでしょうか?

川田:この質問に対しては「どこからも影響は受けていません」という答えになると思います。「どんなゲームのようにしたいのか?」みたいな話はスタッフ間の話し合いでも交わされるのですが、具体的に「このゲームみたいに」と伝えてしまうと“そのゲームみたいなもの”が上がってきちゃうんです。

「喩えとして名前を出したけど、そのゲームのまんまにされてしまうとなぁ……」ということになりかねないので、遠回しな言い方になったとしても、自分がいろいろなゲームをプレイして感じたことを、自分なりに噛み砕いた言葉でスタッフに伝えるようにしています。スタッフに説明するときは、“タワーディフェンス”という言葉すら使っていなかったと思います。

これはあまり書いてほしくはないのですが(笑)、タワーディフェンスと呼ばれるジャンルのゲームと「祇」が異なるのは、「最後はアクションでゴリ押しかい!」みたいなことができるビルドも組めちゃうんです。そこが“カプコンっぽい”ですよね。

――(笑)。

平林:調整していく中でユーザーさんの努力の結果であれば「それも良しとしよう」と判断した部分ですね。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

――畏哭は妖怪モチーフになので、この点からも「モンスターハンターライズ」だったり、それから「鬼武者」シリーズを連想したのですが、先ほどの話を踏まえると、とくに影響を受けたわけではなさそうですよね。

川田:はい。妖怪に関連してひとつ開発中のエピソードをお伝えすると、もともと畏哭はモチーフになった妖怪はあるものの、名称はすべてこのゲームオリジナルのものを考案した上で付けていたんです。でも「分かりにくい」と(苦笑)。

まったく新しい名前にすると“取っ掛かり”がなくなって、イメージするのが難しいという意見が出たので、名前くらいはシンプルに既存の妖怪のものを使おうと。その上で、それを逆手に取って「思っていたのとビジュアルやゲーム上の能力はぜんぜん違う!」と驚いてもらえるものを最終的には目指しました。

平林:「既存タイトルのあの要素を参考にしたのか?」という質問をいただくことがけっこうありますが、完全新規のタイトルを作るのは、“まったく新しい体験を提供するため”なので、“参考にする”という発想で作ることはあまりないかと思います。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

――実際にプレイしてみると「過去のシリーズとはまったくの別物だ」と感じるゲームになっていることがよく分かりました。ほかのタイトルとの違いとしては、カットシーンも含め、キャラクターたちの台詞による会話がなかったのが印象的でした。カプコンタイトルは性格面でもハッキリした個性を持ったキャラクターが多い印象ですが、本作ではゲームプレイを通して愛着を持ってもらうといった意図があるのでしょうか?

川田:まさにおっしゃるとおりです。言葉数が少ないぶん、宗や世代の動きを観察していただけると思うので、そこからストーリーが進んでいくことでどのような変化があるのか、どんな旅路になっているのかなど、味わっていただきたいですね。

それから本作には“和菓子”が出てきて、これはゲームとして効果があるものではないのですが、ナラティブ(物語体験)的に感じるものがあると思うので、そういったところからプレイヤーさん自身が解釈して、思い入れを感じてもらえたらと思っています。

――キャラクターのアップデートを行うと世代が拍手をしてくれたりといった所作も可愛らしくて印象に残ったのですが、あの辺りも同じ理由で力を入れているのでしょうか?

川田:そうですね。世代の動きに関しては、霊道を引いたときに止まった場所によって待機モーションが変わったりもするんです。暑い場所にいると暑そうにしていたり(笑)。プレイヤーがいったん足を止めて世代を見たときにしていた仕草の積み重ねによって、人それぞれ“世代像”は変化するんじゃないかと思います。この辺りの解釈もぜひ楽しんでください。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

“新しいゲーム体験”に興味があるならプレイしてほしい

――川田さんは「深世海 Into the Depths」でもディレクターとして関わっていましたが、カプコンでは「モンスターハンター」シリーズの藤岡要氏や、「ストリートファイター6」の中山貴之氏など、デザイナー出身のディレクターが多い印象があります。デザイナーを経てディレクターになった場合の強みや特性、逆に苦労する点があればお聞きしてみたいです。

川田:自分が感じている強みは、“企画内容とビジュアルをいっしょに思い付く”ところです。「この機能を持たせるから、こういうビジュアルにしています」というのを絵で説明できるので、スッと理解してもらえますね。

アニメーションなどを担当していたときプログラマーとのやりとりも多かったので、プログラマーが嫌がる仕様や、「こういう仕様にすれば実現できる」といった知識も得られました。アートに携わってきたことで、全セクションに対して話しやすいのも強みかなぁと思います。

苦労すると言いますか、説明する際にビジュアルを借りてきて自分で作り込めることで、ついつい自由な時間を犠牲にしてそこに当ててしまいがちというのはあるかもしれません(苦笑)。

平林:傍から見ていて、自分で作れる、表現できるというのはプラスに働いているように感じます。広範囲にわたる対応を自分でできるというのは。

川田:そう言われると、“強みしかない”かもしれないです(笑)。

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」プレイレポート&インタビュー:アクション×ストラテジーな神楽戦略活劇の真髄に迫るの画像

――平林さんにも質問です。平林さんは「バイオハザードRE:4」や「ドラゴンズドグマ 2」でもプロデューサーを兼任していました。「祇」でもプロデューサーをしていることに驚いたのですが、3タイトルを並行して見ていたことで、それぞれに活きたことはありますか?

平林:ありましたね。まったく違うジャンル、ゲーム性ではありますが、お客さんに楽しんでもらうための工夫はチームごとに凝らしているので「この工夫はこっちにも活かせるんじゃないか?」とか。僕が橋渡しになって「こういう話を別のチームで聞いたんだけど、こっちではその辺り問題ない?」と確認ができたり。めちゃくちゃしんどかったですけどね(苦笑)。

もちろん僕がひとりですべて担当していたわけではなく、プロデューサーもチームでやっているので、各チームでいっしょにやってくれたメンバーの力も大きかったです。

――最後に、7月19日の発売に向けて読者にメッセージをお願いします。

川田:「祇」はカプコンでも稀に見る挑戦的なゲームとして扱っていただけていて、大変嬉しく思っています。さまざまなプラットフォームで提供されますので、多くのユーザーさんにプレイしていただいて、新しいゲーム体験を楽しんでもらいたいです。

平林:“必ず楽しい”というふうには、皆さんひとりひとり感じ方は違いますから言うべきではないのかもしれません。ただ、“新しいゲーム体験”にご興味がある方には、楽しんでいただけるものが提供できるんじゃないかなという手応えがあります。プラットフォームの多様さや価格感など、手に取りやすいものになっておりますので、ぜひ試していただけたらと思います。

「CAPCOM NEXT - Summer 2024」でも「祇」の最新情報が!

この記事が公開された日の朝、2024年7月2日(火)7:00より配信予定の「CAPCOM NEXT - Summer 2024」にて、「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」の最新情報が公開される。こちらもあわせてチェックしてほしい。

深淵なるゲームのおもしろさを探求しながら「アイカツ!」シリーズや「プリキュア」シリーズ、「プリティーシリーズ」などの女児アニメの魅力を広める活動にも力を入れている。

X(旧Twitter):https://twitter.com/Kusare_gamer

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー