誰かにとっての恐怖が“実感”に変わる瞬間――残すべき魂を選ぶADV「UN:Me」先行プレイ【TGS2026】どの魂を消すのか、罪悪感と葛藤が交錯する“ソウル・トリアージ”

東京ゲームショウ2026
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千葉・幕張メッセで、9月17日から9月21日にかけて開催されている「東京ゲームショウ2026」。ここでは集英社ゲームズのソウル・トリアージ アドベンチャー「UN:Me」の事前試遊レポートをお届けする。

本作は少女の中に宿る4つの魂との「対話」を通し、襲い掛かるトラウマから逃げながら「本当の身体の持ち主」を探していくアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは不可解で不安定な世界を探索しながら魂それぞれの性格や特性を理解し、どの魂を残し、どの魂を“消去”するのかを選ぶことになる。万人が理解しやすい恐怖――いわゆるホラーゲームではなく、先端恐怖症や集合恐怖症などが有名な「恐怖症(フォビア)」や不安を煽る要素を扱っているのが本作の特徴だ。

誰かにとっての恐怖が“実感”に変わる瞬間――残すべき魂を選ぶADV「UN:Me」先行プレイ【TGS2026】の画像

誰もが恐怖を感じる定番の演出とは異なり、こうした恐怖や不安は個人差が大きく、他者からは共感を得にくい場合も多い。とくに筆者は恐怖症にあまりピンとこないタイプだったため、どのように本作と向き合うべきか少々悩ましく感じていた。今回、実際にゲームの一端に触れたことで「なるほど!」と腑に落ちた部分も多かったので、そうした目線で本作を紹介していきたい。

少女の体に宿った4つの魂たちは、自身の記憶を失っている。彼女たちを理解するために必要なアイテムが「記憶の断片」だ。これを頭部が変化した人間のいる水浸しの教室、不気味なナースのいる保健室、遺影が飾られた音楽室などをくまなく探索して手に入れていく。

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「記憶の断片」を入手すると、それに関連する魂と対話できるようになる。今回のプレイでは3つのアイテムを見つけ、I、III、IVの魂と対話が行えた。

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時には「記憶の断片」とは異なる、何らかの記録を目にすることもある。詳細はまだ不明だが、肉体の本当の持ち主を見つけるヒントになるのかもしれない。

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Iの魂は母との楽しかった思い出を語りつつ「母を失ったかもしれない」と呟き、会話の途中で無自覚に涙を見せることもあった。言動や反応は、見た目通り10代の少女相応といったところ。IIIの魂は母を亡くしたこと、仲のいい兄がいたことを話してくれた。思い出した記憶は淡々と教えてくれるものの、あまり心の内を見せてくれている様子はない。

IVの魂は友人について訊ねると「群れるのを嫌ってケンカばかりしていたため、友人はいなかった」「1人が気楽だ」と返してくる。何かにイライラしているように落ち着きなく体を動かしていて、じっとしているのが苦手なタイプかもしれない。モーションキャプチャー導入による臨場感は、このIVの魂との対話が最も体感できた。

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家族構成や友人関係など、それぞれの過去が語られていく中、選んだ返答によっては魂のトラウマを抉ってダメージを与えてしまうケースもあった。全てのゲージが削られてしまうと、おそらく“何か”が起きてしまうのだろう。あえて傷つくと思われる言動を選ぶ瞬間は、胸がざわつくような居心地の悪さがあった。

また、4つの魂は「記憶の断片」の探索中、思わぬタイミングで表へ出てくる。彼女たちには異なるトラウマと特技があり、どの魂が表面化しているかによって襲ってくるトラウマや行動範囲なども変化する。例えばIVの魂は「立ち入り禁止」の看板を蹴り飛ばして進むことができるため、他の魂では遠回りが必要な場面でもショートカットが可能だ。一方、保健室のエリアにトラウマがあるらしく、ナースと遭遇すると恐怖で身動きが取れなくなってしまう。今回はナースがいる部屋の奥でIVの魂が出てきてしまい、危うく外に出られなくなるのかとヒヤヒヤするシチュエーションもあった。

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Iの魂は部屋に閉じ込められた後、おぞましい姿をした髪の長い女性に追いつめられるシーンがあった。捕まるとその場でゲームオーバーとなるため、障害物を使って逃げ回るうちに別の魂へ変わるのを待つか、別のエリアまで振り切るのが基本的な対処法となる。どうしてもトラウマが刺激される場所を通らなければならない場合は、違う魂へと交代するのを待つ必要もあるだろう。

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最終的にプレイヤーは、どの魂を“消去”するのか判断を迫られる。とはいえ今回は手がかりがほとんどなく、ほぼ直感で選択することとなった。

目の前に置かれたのは、それぞれの魂との会話をメモした手帳だろうか。それとも魂が持つ記憶そのものを具現化したモノだろうか。いずれにせよ手帳が炎に包まれて消滅すると同時に、逃げ場のない空間で炎に焼かれ、恐怖する魂の姿が画面に映し出された。

彼女たちとは、たった二言三言、言葉を交わした関係でしかない。それでも怯えながら消えていく魂を前に、妙な罪悪感と切なさを抱かずにはいられないだろう。

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前述の通り、筆者はもともと恐怖症への理解が浅い人間だ。しかし客観的には何でもないような光景や状況であっても、当事者にとっては身がすくむほどの恐怖になり得るのだという感覚は、今回のプレイで少なからず実感できたように思う。

また、少女たちが抱える背景も大いに気になるところ。性格もトラウマもバラバラな彼女たちだが、断片的に語られる家族構成にはどこか引っかかる共通点が存在する。彼女たちの真実を知った後、自分は「どの魂を残し、消すのか」という残酷にも思える問いへどんな答えを出すのだろうか。魂を選んだ先にある結末を見届けるためにも、製品版のリリースを今から楽しみに待ちたい。

※画面は開発中のものです。

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