本日9月17日から21日まで千葉・幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2026」(以下、「TGS2026」)。本記事では「MELTY BLOOD: TWI-LUMINA」の試遊、および芹沢鴨音氏が登壇したメディアセッションの模様をお届けする。
今回お話しする内容は、前後半に分けてお届けしたいと考えている。前半では格闘ゲームプレイヤーである筆者から見た新作「MELTY BLOOD: TWI-LUMINA」(以下、「メルブラ TWI」)のインプレッションについてお話しする。
こちらでは、主に対戦格闘ゲームとしての「メルブラ」について語るつもりだ。
後半では、開発者でありながら配信を通じても魅力を発信している芹沢鴨音氏が登壇したメディアセッションの内容をお届け。
こちらでは新しくなった「メルブラ TWI」の推しポイントである「グランドシナリオモード」を紹介していただいたので、鴨音氏への質疑応答と合わせてストーリーゲームとしての「メルブラ」を紹介しようと思う。
ゲーム画面の撮影、使用は残念ながらできなかったので、主に文章でお伝えする形となる。読みづらくなってしまったら申し訳ない。(文中で使用されている画像は既に公開済みのもの)

※なお、格闘ゲーマーの悪いところと言われると文句の言えない話だが、筆者はメルブラや月姫のストーリー周りについてほとんど知らない状態。魅力的なストーリーがあるのは存じているのだが、いかんせんカーソルがランクマッチに吸い込まれてしまうのである。なので今回はいち格闘ゲームプレイヤーとしての視点で、本作がいかなる変化を遂げているのかに注目していこうと思う。また、本作のいわゆるワンボタン操作について個人的な見解を含む内容である点は留意していただきたい。
簡略化ではなく“整理”されたシステムに感涙。新操作「Act」タイプの持つ意味もちょっと語らせて
「メルブラ」というタイトルと言えば、やはりスピーディーかつ高密度な“攻め”のゲームであるという印象を持っている人が多いだろう。筆者のように、格闘ゲームとして「メルブラ」に注目している人はもっぱらこの点に魅力を感じているはずだ。
その一方で、「メルブラ」というタイトルにはもう一つの顔がある。それは、ノベルゲーム「月姫」シリーズの世界観を引き継ぐゲームという顔だ。
「月姫」シリーズのファンが「メルブラ」シリーズをプレイした時に、“対戦”の部分で手を焼くというのは筆者もよく耳にした話である。実際、「月姫」ファンである同期のライターが「メルブラ」をプレイした際「オンライン対戦には怖くて行けない」と話していたのをよく覚えている。
前置きが長くなってしまったが、まさにそういった“月姫から続くストーリーゲーム”としてプレイしたい人たちに、「メルブラ」の対戦を楽しんでもらえるのが今回実装される新操作タイプ「Act」だ。

コンボの長さゆえに「メルブラ」が生み出した“選択”の面白さ。Act操作が持つ魅力を語ってみる
「Act」操作は前作にあったボタン連打でコンボができる“ラピッドビート”をさらに発展させたものという印象だ。A連打で打ち上げ→空中投げまでのコンボ、B連打で新システムを使ったバウンドコンボ、C連打でアークドライブまでつなげる大ダメージコンボと使い分けが可能になっている。
さらに、必殺技をワンボタンで出せるなど格闘ゲームが苦手、ないしは未経験の人でもキャラクターが満足に動いてくれるモードというのが「Act」操作の概要だ。
一言でまとめてしまえば、昨今の格闘ゲームではおなじみとなりつつある“ボタン連打で対戦ができるようになる操作タイプ”ではあるが、本作における意味は大きく異なる。何しろ「メルブラ」というタイトルは“ストーリーを目的にプレイする人が圧倒的に多い”タイトルであるからだ。
筆者の意見としては、「メルブラ」にこそこういった操作タイプは必要だった思う。実際、今回の新操作タイプの実装を待ち望んでいた人も多いことだろう。
では対戦のツールとして見たときの「Act」操作のクオリティはどうなのか、そちらについて語っていこうと思う。結論から言えば、「プレイヤーにゆだねるプレイフィール」に何よりの評価をしたい。
どういうことか、詳しく話そう。先ほど述べた通り「Act」操作ではA/B/Cそれぞれの連打で異なるタイプのコンボが発動する。ただし、連打するだけではなく途中で切替が可能なのがミソ。
例えばB連打のコンボには前作の“ムーンアイコン”に近い役割を持つ“ルミナゲージ”を消費する。そこでプレイヤーが「そろそろゲージ消費を抑えてコンボをフィニッシュさせよう」と思ったら、途中からA連打に切り替えることでバウンドコンボ→空中コンボ→空中投げといった流れを自分で選択する事ができるのだ。
同様にA連打のコンボを選択している中で、コンボしながら体力状況を見たときに「あ、倒しきれる!」という判断ができればC連打コンボに切り替えることでリーサル選択が可能だ。
このプレイフィールにはうならされた。従来の格闘ゲームでコンボをする意味を、筆者は自分で次の攻撃を選ぶ楽しさだと考えているのだが、「Act」操作にはシンプルな形でこの楽しさを整理したいという意思を感じる。ただの連打に上達の余地はないが、判断という要素をプレイヤーにゆだねることで面白さを確保しているのではないだろうか。
今回の試遊で詳細を調べることはできなかったが、シンプルになっているかわりに対戦ツールとしてバランスをとるためいくらかのデメリットがあるようだ。こちらについては続報などに注目していただきたい。

わかりやすく整理され「シンプルだけど奥深く」。AACC寄りになったシールドシステム
新規プレイヤーに向けて簡単になった要素だけかと言えばそうでもない、小見出しにもある通り“整理された”「メルブラ」では難度が上がった要素もある。今回はその中でもシールドについて語りたい。
前作では非常に複雑であったシールド周りのシステムが整理され、シンプルになった代わりに難度が上がった印象を受けた。
前作ではシールドを張っている間に攻撃を受けると画面が暗転し、効果の異なるA/B/BC派生で反撃できるというシステムだった。
今作では旧作にあたる「MELTY BLOOD Actress Again Current Code」よりクレセントムーンスタイルの“EXシールド”を踏襲したようなシステムへと変化している。まず通常シールド(持続シールド)での画面暗転がなくなり、派生行動は削除。ただし、タイミングよく相手の攻撃を受け止められた際には“EXシールド”となり画面が暗転→前作のBC派生にあたる無敵反撃が可能となるシステムだ。
整理、整理と繰り返し述べているのは、これまで紹介したシステムがただの“簡素化”ではないということをお伝えしたいからである。よりわかりやすく、ただのシンプル化ではなく奥深く。そういった“メルブラらしさ”を上手く残している調整には、個人的には賛成である。
ほかにもキャラクターの技やバランスについても新作らしく大幅な調整が入るとのことなので、こちらも続報に期待してほしいところである。

芹沢鴨音氏が登壇!奈須きのこ氏書き下ろしの重厚なストーリーモード「グランドシナリオモード」を紹介
ここからは、フランスパンの開発ディレクターであり、「メルブラ」プレイヤーには配信者としてもおなじみ芹沢鴨音氏が登壇したメディアセッションの内容に触れていこうと思う。

奈須きのこ氏書き下ろしのストーリーが20時間以上も!いろんなADVゲーの良いとこどりが味わえる「グランドシナリオモード」
本作のメインとなるストーリーモード、それが「グランドシナリオモード」だ。再三の繰り返しになるが、「Fate」や「月姫」でおなじみの奈須きのこ氏が書き下ろしたストーリーが収録されている。鴨音氏曰く、なんとプレイ時間は20時間以上になるという大ボリュームだ。
紹介された映像の中では、
- 「月姫」のような画像の上にテキストをかぶせたノベルゲームパート
- ファンには嬉しい新イラストやイベントを含むアドベンチャーゲームパート
- 格ゲーならではのバトル用ドット絵を使った寸劇パート
- ストーリーの流れで発生する特殊性能CPUとの対戦パート
といった一辺倒ではない画面の切り替わりも確認できた。アドベンチャーパートでは、マップを選択、移動する形でシナリオを選択したり、キャラクターの返答を選択したりといったルート分岐も多分に含んでいる様子である。紹介映像では、アルクェイドのお誘いを断りバッドエンド(?)に突入していく模様を見せてもらった。

これらのなかでも鴨音氏はドット絵を使ったパートについて、専用のドットやカメラワーク、BGMを使った自信作であると語っており、これには純粋に対戦格闘ゲームとして「メルブラ」を捉えている筆者も「メルブラ」ならではの魅力だと感じた。
格闘ゲームの要素を思い切り解体すれば「動いて戦うイラスト」でもあるため、その要素をノベルゲームのストーリーテラーとして組み込むのは上手い手である。寄ったり引いたりだけではないカメラワークには、ぜひ注目してほしいところだ。
いろんなタイプの“読み物系”ゲームの良いところを抽出しつつ、格闘ゲームならではの要素が入っていると感じたので、「メルブラ」&「月姫」ファンの人はぜひ本作を手に取ってみてほしいところである。(対戦も「Act」操作で遊べる点も良い)
芹沢鴨音氏へちょっとだけQ&A。これだけ物語に力を入れた理由や気になるポイントを聞いてみた
最後に、鴨音氏への質疑応答の内容を抜粋してお届けしていこうと思う。
――月姫シリーズをプレイしていない人でも遊べるんでしょうか?
鴨音:問題なく遊べます。むしろ、今作から「メルブラ」をプレイする人にもストーリーに触れてみてほしいと思います。
――参戦キャラクターはどうやって選定しているんですか?
鴨音:フランスパンとTYPE-MOONで話し合った上で決めています。先日発表されたレンや白レンについても、協議の上で決定したものになります。私もメルブラプレイヤーとして「このキャラが参戦すると嬉しい」というような意見をTYPE-MOON側に話しています。

―かなりストーリーモードに力を入れていますが、ここまでストーリーに振り切ったのはなぜでしょうか?
鴨音:確かに、かなり今作はストーリーに振り切っていますね。一つの理由として、私は格ゲーとしての「メルブラ」はある程度完成していると考えていますが、最近の格ゲーは“格ゲーだけ”ではダメですよね。そこで、奈須きのこ先生のストーリーを読みたい人達にも「メルブラ」を遊んでほしいと思いストーリーに力を入れました。「Act」タイプの追加なども、そういった人達に遊びやすく楽しんでほしいというのが狙いの一つです
――前作では「Fate」からのゲストキャラクター(牛若丸や巌窟王など)が多く参戦していましたが、物語の大筋に関わりを持たせる予定はあるのでしょうか?
鴨音:基本的には関わらない予定です。本作のベースは「月姫」や「メルブラ」なので、あくまでFate組はコラボキャラクターとしてシナリオには絡んでこないと思います。明確に断言はできませんが、基本的にそう思っていただくのが良いですね。
以上、短い時間のなかではあったが、鴨音氏への質疑応答の内容抜粋をご覧いただいた。

最後に全体の総括をば。途中にも書いたが「よりわかりやすく、ただのシンプル化ではなく奥深く」。これが今回感じた「メルブラ TWI」の印象のすべてである。「お前、ただシールドカウンターが嫌いなだけじゃねえの?」とツッコまれたらちょっと言い返せなくなりそうだが、それはともかくとしてだ。
そもそも物語ゲームとしての「メルブラ」の顔と、格闘ゲームとしての「メルブラ」の顔に若干の乖離をそもそも感じていたというのが筆者の個人的な印象であり、本作でその溝を埋める意思を大いに感じた点が筆者が本作をたたえている理由の大部分である。確かにシールドカウンターは嫌いだけど……。
せっかく格ゲーの入り口として“ストーリーから入ってもらえる”土台がある作品であるのなら、格ゲーマーとして定着しにくいのはもったいないと常々思っていたので、今回の「Act」操作は大変良い試みであると思う。繰り返しになるが面白く遊ぶ事と簡単に遊ぶ事を両立させる狙いが良い。
ちょっと批評家ぶってみたものの、まだまだ本作は情報が出そろっていない状態で、この記事も正確な意見とは到底言い難い。しかしながら、門出としての印象は大変好感触だったので、皆様もちょっと前のめりに情報を追ってみてほしいなという願望をお伝えして締めとさせてもらおう。
(C)TYPE-MOON / Project LUMINA
※画面は開発中のものです。
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