千葉県・幕張メッセにて9月17日~21日にかけて開催される「東京ゲームショウ2026」。本稿では、ココフォリアからリリース予定の「テーブルゲーム・ワールド CCFOLIA for Nintendo Switch 2」の試遊レポートと、開発者インタビューをお届けする。
ゲーム進行をシステム化していないからプレイヤーたちがルールを自由に決められる
本作は、TRPGやボードゲーム、マーダーミステリーなど多彩なテーブルゲームを、みんなで一つのテーブルを囲む感覚のままオンラインで遊べるタイトルだ。「おすそわけ通信」に対応しており、ルームコードを共有するだけで、遠くの友達とも最大8人で同じ卓を囲むことができる。

リリース時点で用意されている収録ゲームは全47タイトル。将棋や囲碁、チェスといった定番のものから、TRPGやマーダーミステリーまで幅広く網羅されている。なお、本作の収録ゲームに関しては、まだ公開できないゲームもあるようだ。これら収録ゲームについては続報に期待したい。



さて、本作最大の特徴は、プレイヤー次第で自由な遊び方ができる点だ。カードや駒、ダイス、マップなど、テーブルゲームに必要な道具と遊ぶための空間は用意されているが、ゲームのルール自体はプレイヤー同士で自由に決められるという。
実際に試遊して感じたのは、本作はゲームというよりもテーブルゲームを遊ぶためのツールという捉え方のほうがしっくりくる、ということだ。


例えば花札をプレイしてみると、画面上に現れるのは花札の役が書かれたマニュアルと山札のみ。そこから場に札を並べ、それぞれのプレイヤーが手札を配るところまですべてコントローラーで一つ一つ操作する。札をめくったり裏返したり、手札を出して場札を取る動作もすべて手動で行うため、まさに現実で花札を遊ぶプレイ体験そのものをシミュレートしているような感覚だ。
プレイヤーの先攻、後攻の決定もプレイヤー同士が相談して任意の方法で決める。ゲーム側から「あなたのターンです」といったシステム的な指示が出されることはない。役が揃った際の判断や、「こいこい」をするかアガるかの選択も、すべてユーザー同士のコミュニケーションに委ねられている。

何がボードゲームらしさや、アナログゲームらしさなのかを追求したからこその振り切った仕様
ここまで説明してきたように、本作ではゲーム側ですべてをシステマチックに管理、制御する一般的なデジタルゲームとは、真逆のアプローチが取られている。本作が、一体どのような経緯で生まれたのか。本作を手掛ける川﨑康平氏と近藤智宏氏に、開発の経緯や本作に込めた思いについて伺った。

――まずは、本作をリリースするに至った経緯についてお伺いします。
川﨑:元々弊社がウェブで、こういうテーブルトークシミュレーターみたいなサービスを8年ぐらいやっているんです。そこでいろいろボードゲームとかが今、買えるようになっていて、そのNintendo Switch 2展開という位置づけです。
――プレイをユーザーに委ねていて、ともすれば不親切と受け取られてしまうリスクや誤解が生じる可能性もあると思うのですが、あえてここまで振り切った仕様にしたのはどういった理由からでしょうか?
川﨑:我々は、もともとTRPGとかボードゲームとかをオンラインで遊ぶためのツールをずっとやってきて、いわゆるデジタルゲームに取り組んできたわけではなかったんですよね。じゃあ何がボードゲームらしさ、アナログゲームらしさなんだろうと考えた時に、我々の中の定義として、ルールを誰が運用するかが一番コアで大事だと思っています。
要するに、遊ぶためのルールがプログラム化されて「あなたのターンです」とか、「出せる手札はこれです」って出されるのは、もうコンピューターゲームなんですよ。そうじゃなくて、このカードをどう扱ったらいいのか、どうなったらアガリなのかを人間が理解して、そのルールを人間が運用するところが境目だというのが前段の価値観としてありました。そのうえで、Nintendo Switch 2の中でそれを表現するには、どういうことがやれるだろうという結果が本作です。
――制作にあたって特に難しかったところやネックになっていたところはありますか?
近藤:一番ネックだったのは操作ですね。Nintendo Switch 2はボタンが多いように見えても、割り当ててみると意外と少なくて。今回3D化したこともあり、3D空間の操作があった上でカードやアイテムなどを扱わないといけないので、ひっくり返したり回転させたりさまざまな操作が発生します。
当初はコマンド選択式みたいなのも考えていたんですけど、「そうじゃなくて、もっと直感的に遊べないとダメだ」という川﨑のこだわりや目指すところがありました。そのため、できるだけショートカットのような形で何でもできるようにしようとしていった経緯があります。
――どこまでを手動でプレイするかという切り分けも大変ですよね。
川﨑:基本的にはすべてプリミティブな操作、例えば、カードを引くとか表にするとかですね。実際の物理的なものがあった時の操作をモデル化して、そのプリミティブなものだけが入っているという考え方です。
近藤:手触りや、アナログのボードゲームで遊ぶ感覚を大事にしたとも言えますし、同時にそうすることによってCPUを用意したり、自動的に動かすプログラムを用意する手間が一切かからないんです。つまり、メーカーさんが「こういうボードゲームがあるんだけど載せたい」と言った時に、アセットさえあればすぐに移植できるんです。それによってこの土台の上にもっとゲームを用意できると。
――根本的にゲームというよりは、アナログゲームを遊ぶテーブルのような場所と考えた方がいいんですね。
近藤:コミュニケーションの場を用意したというイメージに近いです。逆にこれが丁寧に何でもやってくれるようなゲームにしてしまうと、本当にただのミニゲームを集めただけのタイトルになると思うんですよね。
川﨑:言ってしまうと、ゲームじゃないんですよね(笑)。ただ、ゲームだと思って買う人もいるかもしれないので、ちょっと誤解を与えないようにだけは気を付けたいですね。
――この仕様がユーザーにどこまで受け入れられるかという手応えや懸念についてはどう感じていますか?
川﨑:むしろ、どうなんだろうという一つのチャレンジでもあると思っています。とは言え、ボードゲームはそもそもテーブルの上でやる時に何も自動化されてないですし、マニュアルを読んで遊ぶものなので、それで言うと遊べないということはないはずだと。ハードルがあるとすれば、手でやるよりワンクッション挟むので、コントローラーの操作感の問題だけですね。
――本作を遊んでもらう人に向けて、メッセージをいただければと思います。
川﨑:もちろん「ここに来たら楽しませてくれるよ」という遊びやすいソフトも色々あると思います。一方で、本作はどちらかというと、自分たちでどうやったら楽しいのか、どう楽しむのかを能動的に考えないと、何をしていいかわからなくなってしまうかもしれません。
ただ、そこのハードルを超えると、すごく面白いことがいっぱいあるんです。大富豪など、ローカルルールが非常にたくさんありますよね。将棋を遊ぶときに強い人にハンデを作ったり、既存のルールをどう変えたら楽しくなるのかという発見や創造的なタイミングが絶対にあって、それを見つけられると、ものすごく楽しくなるはずです。
最初は、もしかしたら面食らうかもしれませんが、ぜひその楽しみを見つけられるところまでユーザーさんにもチャレンジしてみてほしいと思います。

※画面は開発中のものです。
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