日本一ソフトウェアより2026年11月12日に発売予定のPS5/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam/Windows)向けパーティーゲーム「みんなでポイっと!プリニーすごろく」のインプレッションをお届けする。

「みんなでポイっと!プリニーすごろく」は、コマンドRPGとスゴロクを融合させたパーティーゲーム。「魔界戦記ディスガイア」シリーズのマスコットキャラクターであるプリニーが主役と見せかけて結局最弱キャラクターとして登場するなど、同シリーズの世界観がスゴロクに落とし込まれた作品だ。
最大4人で協力してボスを倒すのだが、そのボスをスタート地点まで連れ帰った1人だけが勝者になるため、必然的にボスの奪い合いが始まるゲームシステムが最大の特徴となっている。
先行してプレイする機会を得たので、協力から奪い合いへと戦い方が切り替わる本作の面白さを、システムとあわせて紹介する。
育てて、協力して、ボスを倒す。最初は仲間だが……?
舞台は「スゴロク大魔王」に乗っ取られた「スゴロクパーク」。最大4人でマスを進め、キャラクターを育てながら、四天王やスゴロク大魔王といったボスの撃破を目指す。

手番では「すすむ」「こうげき」「アイテム」などの行動を選ぶ。これらは1ターンに1回ずつ選べるため、攻撃してから進み、さらにアイテムも使う、といった組み合わせができる。移動するマス数や攻撃の結果はスロットを止めて決める仕組みで、一見すると運次第に見えるが、慣れや練習次第で目押しも可能になるようだ。こうしたスロットの結果も計算しつつ、どの行動をどの順番で使うかという戦い方を工夫する必要がある。


盤面にはキャラクターを強化するプラスマスと弱体化するマイナスマス、さまざまなイベントが起こるイベントマス、敵が出現するエネミーマス、施設を建てられる建設マスなどが並ぶ。出現した敵を倒せば、キャラクターが成長し、資金も手に入る。RPGのように戦ってキャラクターを育てる流れが、すごろくのシステムに上手く組み込まれている。


プレイヤーキャラクターは、戦士、魔法使い、アーチャー、盗賊、プリニー、格闘家、重騎士、僧侶、忍者の9種類。それぞれ固有の「わざ」を持ち、たとえばプリニーは一度に5マス進める「プリニー走り」、盗賊は他のキャラクターからアイテムを必ず盗む「盗賊の手」を使える。ちなみにプリニーは公式でも最弱キャラとされている。

施設を重ねて強くする。「投げる」が盤面をかき回す
手に入れた資金には、いくつかの使い道があり、そのひとつが建設マスでの施設づくりだ。たとえば「武の練成房」を建設すれば攻撃力の高い武器に改良でき、「病院」を建設すればキャラクターを回復できる。そして面白いのが、同じ施設を重ねるとランクアップし、利用できる内容が強化される仕組みだ。ランクアップすると、より強力な武器が手に入ったり、販売されるアイテムがより豪華になったりする。

この重ねる操作を担うのが、本作独自の「投げる」コマンドだ。手番で使うと、近くにいるキャラクターや施設を投げて移動させられる。投げられる距離はキャラクターによって異なるが、使い道は大きく分けて3つある。
まずひとつが、施設を投げることだ。同じ施設の上に投げて積み、ランクアップさせる。逆に、積まれた施設を崩してランクを下げ、他のプレイヤーを妨害することもできる。

そしてもうひとつが、ほかのプレイヤーを投げることだ。攻撃役をボスの近くまで運んだり、瀕死の仲間を安全な場所へ逃がしたりと、連携にも使える。
最後が敵を投げることだ。自分の行き先に敵を置いたり、逆に距離を取ったりと、位置取りを変える手段になる。注意したいのは、敵のいるマスへ敵を投げると合体し、ステータスの上がった強敵になる点だ。妨害にも使えるが、使いどころを間違えると、自分の首を絞めかねない。

施設、味方、敵のどれを投げるかで戦局が変わるため、「すすむ」「こうげき」と並んで、盤面を読む力が問われるコマンドになっている。
そして、ゲーム展開を大きく変えるユニークな仕掛けが「スゴロク議会」だ。資金を投じて議題を提案し、議員の多数決で可否が決まる。可決されれば盤面やプレイヤーの状態に影響が出て、否決された場合でも、逆転して可決を狙う要素が盛り込まれている。
議題の中には「ギャラクシービームを発射したい!」のように、可決すれば超強力なダメージを与えられるものがある。ほかにも、スロットが狙いやすくなる議題もあり、状況が一変する可能性もある。トラバサミなどの罠と組み合わせれば、能力で劣るプレイヤーが格上を出し抜くための武器にもなるだろう。

四天王は予行演習。本命はスゴロク大魔王
最終的には、スゴロク大魔王を倒してスタート地点まで持ち帰った人が勝者になる。
ただし、ルール設定によっては、スゴロク大魔王の前に「四天王」が魔王城から出現する。生半可な育成で倒せるほど甘い相手ではないため、基本的にはこちらも単独ではなく他のプレイヤーとの協力が前提になる。
倒した四天王をスタート地点へ持ち帰ると、アイテムやお金といった大きな報酬が手に入る。「協力して倒し、奪い合い、持ち帰る」というスゴロク大魔王と同じ流れを、一度先に体験できるわけだ。プレイヤーにとっては、四天王がスゴロク大魔王を運ぶための予行演習として機能しつつ、試合の節目をつくる役割も果たしている。

もし、最後までボスが1体しか出ないと、展開が間延びしかねないが、途中で四天王が現れ、協力して倒し、持ち帰りを争う場面が挟まることで、試合にメリハリが生まれていた。
なお、ゲーム開始時のルール設定で、四天王やスゴロク大魔王の出現タイミングを早めたり遅らせたりできる。じっくり育成したい人や、ひとりで遊びたい人など、プレイヤーの好みに合わせた調整もしやすい。
ボスを倒してからが本番。奪い合いに正解はない
ボスを倒すと、ここから本当の闘いが始まる。倒されたボスはその場で捕縛され、「誰がスタート地点まで連れ帰るか」の争奪戦になるからだ。というのも、ボスを運んでいるプレイヤーを倒すと、捕縛したボスはその場に落ちる。つまり、ボスを倒した人が必ず勝てるわけではない。
この場面で重要になるのが、1ターンに複数の行動を選べる自由度だ。たとえば、「すすむ」で味方に近づき、「こうげき」でその味方を倒してボスを奪い、「アイテム」を使って逃げる、といった流れも成立する。「投げる」や罠を組み合わせれば、奪う側の手札はさらに増える。
だからこそ、どこで裏切るか、どこで裏切られるかが重要になる。早く手を出しすぎれば、そもそもボスを倒せない。遅すぎれば、出し抜かれる。協力の見返りを受け取りつつ、最も効果的な瞬間に刃を向ける。そのタイミングの見極めが勝負どころだ。
そして、ボスを運ぶ道のりにも安全はない。思わぬ流れ弾を受けたり、予期せぬ場所へ飛ばされたりして、あと少しのところで倒れることもある。スロットの運も絡むため、最後の最後まで逆転の余地が残るだろう。
筆者がプレイしたときも、なんとかボスを倒しきり、満身創痍でスタート地点に戻ろうとしていたら、ほかのプレイヤーから容赦のない集中砲火を浴びた。あえなくボスを奪われたと思ったら、奪ったプレイヤーもまた別のプレイヤーに奪われ……と連鎖的な展開になった。今回の相手はCPUだったが、遠慮なく裏切ってくる姿に思わず笑ってしまった。
人間同士のマルチプレイならこうした駆け引きはさらに盛り上がりそうだ。CPUは遠慮なく裏切ってきたが、人間が相手なら、誰がいつ裏切るかの読み合いが加わる。ボスを倒す前から「とどめは誰が刺すのか」「いま背中を向けて大丈夫か」と、互いの出方をうかがうことになりそうだ。「投げる」でボスの近くまで運んでもらった相手が、そのまま奪い合いの相手になる展開もあるかもしれない。誰と遊ぶかでも展開が大きく変わることだろう。

育てて、積んで、投げて、最後は奪い合う。多くの要素が「ボスを連れて帰る」という一つの目的でつながっている。仲間とわいわい遊ぶのはもちろん、ひとりで育成を突き詰めるのも楽しい、懐の深いパーティーゲームに仕上がっていた。「ディスガイア」シリーズファンはもちろんだが、シリーズ未経験者も、冗談を飛ばし合える友人たちと集まる機会が増えるこれからの時期に遊ぶ作品として候補に入れてみてはいかがだろうか。
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