2016年2月10日でサービス開始2周年を迎えたiOS/Android向けアプリ「サモンズボード」。同作の今後の展望について、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのプロデューサー・荻原智氏にインタビューを行った。

目次
  1. 2015年はTVCMで知名度がアップ!
  2. 新システム「覚醒(仮)」と協力プレイダンジョンが2016年に実装!

マスを使った緻密な戦略が勝利の鍵を握る新世代ボードゲーム「サモンズボード」では、2016年2月10日に2周年を迎えたことを記念して、さまざまなイベントを実施している。また2月9日に配信された公式生放送では、新システム「覚醒(仮)」や「交換所(仮)」など2016年に実装されるコンテンツの一部が公開された。

今回は2015年の振り返りと、2016年に実装される新システムの情報や生放送内で言及された「協力プレイダンジョン」にも踏み込んで、プロデューサーの荻原智氏に聞いた。

2015年はTVCMで知名度がアップ!

――まずは、サモンズボードが2周年を迎えたことについての感想を聞かせてください。

荻原智氏
荻原智氏

荻原氏:「やっとここまで来たか!」というのが率直な感想です。1年目はシステムを導入することに力を入れていましたが、2年目は遊び方の幅を広げるアップデートを中心に行いました。特にアタックやディフェンス等の2ndタイプを追加したことで、編成の組み方やダンジョンの攻略方法の選択肢が増え、ユーザーさんの思考の幅を広げられたと思います。あと、5月31日から2016年1月まで放送していた TVCMの反響も大きかったですね。

――TVCMを放送している期間は長かったんですね。

荻原氏:1年目は「サモンズボードってなに?」と言われることが多かったですが、2年目はTVCMのおかげで知名度がアップして、「CMで放送されていたアプリか!」とさまざまな場所で言われるようになり、すごく嬉しかったです。

――2015年で最も苦労したはどこでしょう?

荻原氏:たくさんありますが、やはり短い期間で多くのモンスターを追加したことです。2015年だけで約400体以上追加しました。

また、TVCMを見て多くの方がサモンズをはじめてくださったので、すでに上級者になっている既存のユーザーさんとはじめたばかりのユーザーさんのどちらも楽しめるゲームバランスを考えるのにも苦労しました。

――逆に嬉しかったところはどこでしょうか?

荻原氏:満を持して発表した機能をユーザーさんがほめてくれたり、最近だとダンジョン「トルブクガスの塔」を年末に実装したときに「こんなものを待っていた!」と多くのユーザーさんに言ってもらえたことがうれしかったです。

――TVCMでどのぐらいのユーザーが増えたのでしょうか?

荻原氏:2015年6月で250万ダウンロード、そこから半年ぐらいで450万ダウンロードを達成しました。また、ゲームやアニメとのコラボのおかげで、本作を知ってくれるユーザーさんもだいぶ増えてきたと思います。

――コラボレーションをするときの基準はあるでしょうか?

荻原氏:最初のコラボでは、話し合いをしたときにさまざまな案が出たのですが、サモンズチームにもファンが多く、知名度も高いということで「ケロロ」とお話をさせていただくこととなりました。2回目の「メルクストーリア -癒術士と鈴のしらべ-」とのコラボは、世界観がとても良かったということもあり、企画書を作成してアプローチしました。

また、ユーザーさんにアンケートをお願いし、そのなかの上位の作品との取り組みも調整しています。ちなみに2月1日まで実施していた「七つの大罪」とのコラボもアンケートで決めました。

――コラボレーションで実装するモンスターの強さはどうやって決めていくのでしょうか?

荻原氏:強さの基準というわけではないですが、コラボしてはじめて本作に触れるという人も多いと思うので、比較的使いやすいキャラクターを入れています。

また、原作が好きで本作を遊んでくれるユーザーさんも多いと思うので、可能な範囲で原作に近づけるように、原作のキャラクター性や特技などに沿った能力をコラボ用に実装することもあります。

――コラボキャラクターをゲームのイラストに起こすうえで苦労することはありますか?

荻原氏:イラストと戦闘中のアイコンはユーザーさんから好評なので、原作の勢いや性格の設定などを表現していくようにしています。

――ユーザーさんからさまざまな意見を多くいただいていると思いますが、2015年で最も多かった意見はどんなものでしょうか?

荻原氏:協力プレイダンジョンを早く実装してほしい、もっとモンスターの進化を解放してほしいという意見が多かったですね。

新システム「覚醒(仮)」と協力プレイダンジョンが2016年に実装!

――2016年の展望を聞かせてください。

荻原氏:3年目は、1年目と2年目で実施してきた新システムの実装と遊び方の拡充の両方をやるつもりでいます。まずは、新機能としてモンスターを覚醒させる「覚醒(仮)」と、余ったモンスターをサモンクリスタル(仮)に替え、アイテムとトレードしたり、コインを使って任意のタイミングでダンジョンの解放ができる「交換所(仮)」を実装するつもりです。またすでに実装済みですが、長く遊んでいるユーザーさんに向けた施策として、ランク100を達成することで、まだ持っていないモンスターをランダムで1体手に入れられる“プレミアムガチャ”といったものもあります。

そのほかにも、既存のコンテンツのランキングバトルを改修して、今までは少し違った遊び方ができるようにしたり…。なかでも一番大きいコンテンツが協力プレイですね。

――まず「覚醒(仮)」からお聞かせください。どんなモンスターが覚醒できるようになりますか?

荻原氏:まずは最前線で戦えるモンスターではなく、レアリティの関係で編成に入れることができなくなったモンスターを中心にしていくつもりです。

――具体的にはどんなモンスターでしょうか?

荻原氏:荻原氏:最初は「ウルス・ラグナ」や「バロール」を実装したいと思っています。このほかにもいくつかピックアップしているので、楽しみに待っていてください。

――スキルも新しいものが入ったりするのでしょうか?

荻原氏:「覚醒(仮)」はバトル中に特定の条件を満たすことで、そのバトル限定で大幅にパワーアップすることができる、将棋の「成り」のようなシステムです。覚醒することで、パラメーターや矢印だけでなく、特別なスキルも使用可能です。

――覚醒の条件はどのようなものがあるのでしょうか?

荻原氏:“ステージ中でモンスターを一定数倒す”、“●コンボ以上で攻撃する”など、さまざまな条件があります。

――協力プレイダンジョンの詳細を教えてください。

荻原氏:ネットワークに対応しており、最大4人でプレイすることができるという方向で検討中です。また、ほかのプレイヤーがモンスターを移動させているのを見ながら、エモーション機能を使って「そこじゃない!」とか「ナイス!」といった気持ちを伝えることもできるようにしたいと思います。

現在の開発バージョンでは自分のキャラクターだけではなく、ほかの人のモンスターも動かすことができるようになっていますが、今後どうなるかは検討している段階です。1ターンに1人ずつ動かす形にするか、1ターンにプレイヤー全員がそれぞれ1手ずつ動ける形にするかなど、様々なパターンでテストプレイを繰り返しています。

――マッチングはどういった形でされるんですか?

荻原氏:基本的にはルームを作成して、そこに入ってもらうつもりです。フレンドやギルドメンバーを招待するということもできます。

――チャット機能は考えているのでしょうか?

荻原氏:いわゆるエモーションのような形で何かしら意思疎通できるようにしたいと思っています。

――対戦みたいなものはできるようになるのでしょうか?

荻原氏:現状だとスキルを一発撃った時点で勝ってしまうので、ルール含めた対戦のバランスがなかなか難しいのですが……。

例えば大きな盤上でチーム戦をできるようにしようという話も挙がっていたりします。

――協力プレイはいつ頃に実装予定でしょうか?

荻原氏:早くて秋頃を予定しています。それよりも先に「覚醒(仮)」などの新機能を入れる予定ですし、なによりきちんと面白く仕上がるまでじっくり考えたうえで実装したいと思っています。

――今後どのような新モンスターが実装される予定ですか?

荻原氏:進化の差分なども含めると1400体以上いるので、悩ましいところではあります。月末に実施しているレジェンドフェスでは、さまざまな神話などからアイディアをもらっているのですが、もう世界の神話を2周ぐらいしている気持ちです(笑)。

他のゲームが目をつけていない神話などもありますが、知名度が低すぎると誰も知らないでしょうし……。神話以外にもオリジナルでモンスターを考えたりもしています。例えば、女の子×重機というテーマで生まれたのが「装姫シリーズ」です。重機の重量感にこだわっており、最初に登場させた「フラマ」というパイルバンカーを持った女の子を作る際、デザイナーが重機を可愛く描いてくれて、「ごめん、それじゃ重量感がない」と いってリテイクを出したりしました(笑)。

ただ出すだけでは面白くないので、そこに本作らしいエッセンスを必ずいれるように考えるのですが、毎回頭を悩ませています。

――すでにどういったものを題材にしようというのは考えているのですか?

荻原氏:すでに、直近のものはいくつか考えてあります。複数人で考えてはいるのですが、時々プログラマーが「思いついたんだけど!!」と言いながらネタを持ってきてくれることもありますし、定期的に「西遊記は出ないんですか?」というデザイナーもいます。

――方針としては人型のキャラクターが多いのでしょうか?

荻原氏:レジェンドフェスは神話がメインなので人型が多いですが、オリジナルについてはなるべくモンスターにしようと思っています。モチーフになるモンスターは世界中の動物から考えているものも多いですね。

――進化解放の予定はありますか?

荻原氏:近いものでしたら、「天冥のバビロニア」シリーズの「四季の神シャマシュ」「暦の神シン」「明星の神イシュタル」「狩猟の神ニンギルス」「冥府の神エレシュキガル」の進化解放を2月24日に予定しています。

――今後のコラボ情報はどんなものが予定されていますか?

荻原氏:一番近いものだと「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」、その後には「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」とのコラボも予定しています。

――ゲームとのコラボは予定されていますか?

荻原氏:今はアニメとのコラボが多いのですが、チャンスがあれば他のゲームとのコラボもやらせてもらいたいと思っています。

――2016年以降の目標を教えてください。

荻原氏:やはりもっと多くの人達に本作を遊んでもらいたいと思っていますし、すでに遊んでいるユーザーさんにもっと本作を愛していただけるようにしようと思っています。

――最後にユーザーにメッセージをお願いします。

荻原氏:3年目は今まで以上にパワフルに、さまざまなコンテンツを実装しようと思っていますので引き続きサモンズボードをよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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