日本マイクロソフトが2016年4月7日に発売を予定しているXbox One/Windows 10向けタイトル「Quantum Break」。同作のプレイインプレッションをお届けする。

本作は2010年に発売されたXbox 360向けタイトル「Alan Wake」で高い評価を得た開発会社、Remedy Entertainmentが手がけている新作アクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは、時を操る能力「タイムパワー」を持つ主人公 ジャック・ジョイスを操り、時の終焉を食い止めるべく、時空を超えた戦いに挑んでいく。

今回、日本マイクロソフトにお邪魔して、ゲームの序盤をプレイすることができたので、発売前のインプレッションとして記事をお届けしたい。

まずは、本作の簡単な概要から説明する。本作最大の特徴は、タイムパワーを使ったオリジナリティ溢れるのアクションと、CGパートと実写パートが交互に展開されていくストーリー、さらに、プレイヤーの選択によって、その後のストーリーに大きな影響を与えるタイム分岐だろう。

ゲームデザインは、オーソドックスなTPSのスタイルをベースにしたもの。そこに、タイムパワーを駆使した独自のアクションが乗っかることによって、既存のTPSには無い、一風変わったプレイ感覚をもたらしているのだ。もちろん、TPSとしての出来も高水準なものに仕上がっているので、安心してほしい。

シューターとしてしっかり遊べることを基本に据え、そこに、タイムパワーがプラスαの要素として光る、そんなイメージだ。

先ほど実写パートと記述したように、キャスト陣の好演も見逃せないポイントだ。「X-MEN」シリーズでアイスマンを演じたショーン・アシュモアさん、「ゲーム・オブ・スローンズ」ベイリッシュ役のエイダン・ギレンさん、「ロード・オブ・ザ・リング」メリー役のドミニク・モナハンさんなど、キャストは映画界の第一線で活躍している一流どころばかり。このあたりのキャスティングは、洋画ファンにはたまらないものがあるだろう。

また、ストーリーの中身に関しては、ネタバレ防止のため避けるが、体験会で観た実写パートは、まさに海外ドラマそのもの。ゲームをプレイして「映画を観ているようだ」と表現することがあるが、本作は美麗な実写映像をそのまま使っているので、「映画観ている感」は、CGムービーの比ではない。

タイムパワーがもたらす、新しいTPS体験

ここからは、実際に「Quantum Break」をプレイした感想を伝えしていこう。ゲームの基礎的な部分は、先ほども説明したようにTPSを主体としたもの。経験者ならば、何の違和感もなく馴染むことだろう。エイミングはオートが効いているので、むしろ、シューターが苦手な人でもすんなりプレイできる親切設計だと言えるのではないだろうか。

ただし、そこは「Alan Wake」で多くのファンを魅了したRemedy Entertainmentの新作。最大の特徴とも言えるタイムパワーの存在が、戦略の深みや独自性に直結していることは、本作の大きなアピールポイントとなりえるだろう。

では、タイムパワーとはいかなる能力で、プレイフィールにどのような影響を与えるのか。数あるタイムパワーの中でも、おそらくプレイヤーが一番お世話になると思われる代表的な技は「タイムビジョン」。これは、その場にいる全ての敵が赤いシンボルで表示されるというもの。遮蔽物に隠れていても、すぐさま敵の位置を特定できるので、タイムビジョンで敵の位置を確かめながらステージを進めていくことが、攻略の基本となるだろう。

タイムパワーは他にもある。次に紹介する「タイムブラスト」は、敵の一定範囲など、局地的に時間を止められる能力だ。時間の止まっている箇所を銃撃すると、打った弾の数に比例して爆発の威力も大きくなる。攻略において主力技となることは間違いないので、遮蔽物と併用すれば、効率よく敵を倒すことができそうだ。

「タイムドッジ」は、長距離を一瞬で移動できるタイムパワーだ。敵の集中攻撃から逃れたり、後ろに回りこんで隙を突くなど、サプライズ攻撃に向いている、少々テクニカルなもの。最初は慣れが必要だが、上手く使いこなせた時の喜びは大きい。

筆者は、TPS中級者くらいの腕前(だと思っている)なので、特にハードルを感じることもなくゲームに入り込めたのだが、タイムパワーに関しては、慣れていないと使いどころに迷うという印象を受けた。敵の攻撃はそれなりに激しいので、タイムパワーを使うことばかりに気を取られていると、集中攻撃を受けて一気にやられてしまう。そのため、序盤では、まずタイムパワーの役割と使いどころをなじませることが大事だと言えるだろう。

要領さえ掴んでしまえば、もうこっちのもの。タイムブラストやタイムドッジを使いこなして敵を翻弄していくプレイは、かなりの快感だ。「時を操る」能力を持ったキャラクターは、なにも本作だけに登場するわけではないが、本作ほど「時を操る」という能力をゲームに上手く落とし込んだ作品は、なかなかないのではないだろうか。タイムパワー込みの戦略をアレコレ立てながらステージを進めていく感覚は素直に楽しかったと言えるものだし、本作ならではの魅力だと強く感じた次第である。

最後に、ストーリーについて補足しておきたい。ゲームを進めていくと、「タイム分岐」と呼ばれる要素が登場する、選んだ選択肢によって、まるで違うストーリーが展開されていくというものだ。

本作はシングルエンディングを採用しているのだが、分岐によって、途中のストーリーが大きく異なってくるので、全てのストーリーを見るためには、2回目以降のプレイはほぼ必須。スタッフによると、1回で全てのストーリーを見ることも不可能ではないらしいが、それなりに難しいとのこと。なお、二周目以降には引き継ぎの要素もあるので、一周目よりは楽に攻略できるだろう。

筆者も序盤のストーリーしか確認していないので確かなことは言えないが、少なくとも、製品版がリリースされたら、全てのストーリーを見てみたいと思わせるだけの魅力が、本作にはあると断言できる。

Remedy Entertainmentは「Alan Wake」で我々の度肝を抜いてくれたが、「Quantum Break」で再びしてやられるとは思わなかったというのが、体験会に参加しての率直な感想。もちろん、ゲーマー的には歓迎したいことだ。

3月31日には、「Xbox One 500GB スペシャルエディション」(「Quantum Break」 同梱版)が発売される。ソフト単体発売日である4月7日より一週間早くプレイできるので、興味のある方は、ぜひこちらもチェックしてほしい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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