バンダイナムコエンターテインメントよりiOS/Android向けアプリ「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(以下、「ミリシタ」)が、2018年6月29日にサービス開始から1周年を迎えたことに合わせて、プロデューサーの狭間和歌子氏へのインタビューをお届けする。

目次
  1. 身近さと手作り感が「ミリオンライブ!」の魅力
  2. コース別の“体験”を楽しんでもらいたい
  3. プロデューサーさん同士の交流や世界観を体感できる施策に注力
  4. 声を聞き、コミュニケーションを取ることが最高の体験を生み出す

2018/6/29 1:26 インタビュー中の一部内容に誤りがございましたので訂正いたしました。誠に申し訳ございません。

765プロライブ劇場(シアター)を舞台に765ミリオンオールスターズのアイドルたちをプロデュースする「ミリシタ」は、アイドルの魅力に加えリズムゲームや楽曲の完成度、劇場でのコミュニケーションなど高評価を得ている要素が満載だ。さらに、最近はソーシャルゲーム版「アイドルマスター ミリオンライブ!」(以下、ソーシャルゲーム版/2018年3月にサービス終了)をほうふつとさせるシナリオでも、プロデューサー(「アイドルマスター」ファンの呼称)たちを喜ばせている。

今回はリリース1周年を記念して、「ミリシタ」のプロデューサーであるバンダイナムコエンターテインメントの狭間和歌子氏にロングインタビュー。本作の魅力や特徴、1周年施策の意図、最高を生み出すチームの秘訣までたっぷり語っていただいた。

狭間和歌子氏

身近さと手作り感が「ミリオンライブ!」の魅力

――1周年おめでとうございます。リリースから1年を迎えた率直な感想をお願いします。

狭間氏:ひとことで言うと、「やっと1周年」という印象です。リリース前から1周年のタイミングでもりあげる企画を楽しみにしていたので、やっと1周年を迎えられたというのが正直な思いですね。

――リリースする際に一番気を遣ったのはどのようなところでしょうか?

狭間氏:ソーシャルゲームとして誕生しリアルライブで展開してきた「ミリオンライブ!」。「ミリシタ」を誕生させることで、すでに遊んでいただいている方にもっと喜んでもらえるように、触れたことがない方にも楽しんでもらえるようにという両方向のコミュニケーションを意識し、どちらかに偏らないことに気を付けました。

例えば、桜守歌織と白石紬の2人は、すでに「ミリオンライブ!」をご存知の方には“新しいアイドル”という感覚ですが、「ミリシタ」からプレイし始めてくださった方には52人全員が新しいアイドルです。そのため、アイドル1人1人の表現方法やコミュニケーションの仕方はすごく気を遣いました。

――ソーシャルゲームから始まった「ミリオンライブ!」の魅力や特徴は、「ミリシタ」へどのように受け継がれているのでしょうか。

狭間氏:ソーシャルゲームから始まった「ミリオンライブ!」の魅力は、「手作り感」と「身近に感じられるアイドル」だと思っています。それを実感してもらうため、「ミリシタ」では765ライブ劇場を舞台にアイドルと「もっとふれあえる」要素を充実させています。

また、アイドルをよりリアルに感じられるよう、3Dモデルとなったアイドルのライブパフォーマンスを楽しむことができます。これは、リアルライブや音楽でも展開してきた「ミリオンライブ!」の魅力をそのまま受け継いでいる要素だと考えています。

――ソーシャルゲーム版はぶっ飛んだ世界観が登場することも話題でしたよね。その色は特に新ユニットのシナリオから感じました。

狭間氏:そうですね。その特色を一番表現できるのは新ユニットと楽曲だと思っていましたので、私もその皮切りとなる新ユニット「夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-」が披露できることを楽しみにしていました。

企画段階から、「ミリシタ」から遊んでくださっている方には驚きを、昔から遊んでくださっている方には「『ミリオンライブ!』の世界観きたー!」という感覚をもっていただけると、チームみんなが確信していました。

――まさに「俺たちの『ミリオンライブ!』が帰ってきた」という反応でしたね。

狭間氏:「アイドルマスターミリオンラジオ!」でMV初披露後、Twitterで「夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-」がトレンド1位になったときは、開発チームと大喜びしたのを覚えています。

――「ミリシタ」のすごいところとしては、リリース以降一度もメンテナンスで止まってないこともあります。アプリゲームとしてはいい意味で異例ですが、なぜ実現できているのでしょうか?

狭間氏:別のインタビューでもお答えしたのですが、経験豊富なメンバーによるミリシタ専属のテストチームの功績が大きいと思っています。さらに、開発チーム全体が協力してテスト環境を整えてくれる協力的な関係性、お客様の反応に対して敏感で迅速に対応してくれる体制も要因だと考えています。

コース別の“体験”を楽しんでもらいたい

――より具体的にゲーム内容のことをお聞きします。まずは「ミリシタ」のリズムゲームとしての特徴やこだわりを教えて下さい。

狭間氏:特徴は「難易度」ではなく、2MIXからMILLION MIXまで「プレイ体験」でコースが分かれていることです。

――どの体験を味わえるかは、コースによってきちんと決まっていると?

狭間氏:はい。2MIXではライブを見ている応援感覚、4MIXは歌い手の振付感覚も味わえるよう、譜面がつくられているんです。

4MIX(左)と6MIX(右)

――ライブでのダンスのモーションもすごいですよね。

狭間氏:「ミリシタ」の振付けは「ミリオンライブ!」リアルライブのダンスチームにお願いしているものが多く、そのモーションを元にアニメーターが手先まで細やかな調整を行っているので、とても躍動感のある仕上がりになっているかと思います。また、ライブ部分の開発チームは、実際のライブやリハーサルゲネプロにも足を運んでくれ、細部にこだわったリアルな演出をアプリで実現してくれています。私自身も完成したMVを見るのが毎回楽しみなんです。

現在は13人ライブも実装されている。

――そのようなダンスを5thライブ(2018年6月2日・3日にさいたまスーパーアリーナにて開催)で実際に踊っているのを見ていかがでしたか?

狭間氏:アプリ内で毎日体験している世界観が目の前に広がるようで本当に感動しました。特に、ミリシタから展開開始した新ユニットのライブパフォーマンスは、リアルライブではどう実現されるのか楽しみにしていましたが、キャストの皆さんのパフォーマンス力に圧倒されました!

――では、リズムゲーム以外の特徴や魅力はどこでしょうか?

狭間氏:アイドルと「もっとふれあえる」ことです。例えば、劇場エントランスを入ると毎日アイドルがあいさつしてくれ、親愛度をあげると彼女たちからも声をかけてくれる。アイドルをより身近に感じられるふれあいは「ミリシタ」ならではの特徴だと考えています。

――控え室などでのアイドルの固有モーションが増えていくのも楽しいですね。

狭間氏:そうですね。劇場を移動していくなかで、固有モーションを見つけた時の「やった!」という特別な気持ちをぜひ体験していただきたいと思います。私も見つけた時は嬉しくて写真とります(笑)。

――5thライブは会場が上までびっしり埋まっているのも印象的でした。

狭間氏:様々な場所からライブ会場の様子を拝見していたのですが、500レベル(一番上の席)や、ステージサイド席でも、みなさんがノってくださっている姿がすごくうれしかったです。

プロデューサーさん同士の交流や世界観を体感できる施策に注力

――次に1周年施策についてお聞きします。メルカリとのコラボはどのような経緯や意図でやられたのでしょうか?

狭間氏:1周年をきっかけに、プロデューサーの皆さんがもっと交流できる場を設けたいと思ったからです。今回のキャンペーンを通じて、自分の担当アイドルのグッズを作り販売する。それを魅力的に思った方が購入することで、そこにプロデューサー同士の交流が生まれていってほしいとおもっています。

――ハッシュタグをつけてTwitterに投稿する「#ミリシタメルカリつくってみた 作品投稿キャンペーン」も、その一環なのですね。

狭間氏:そうです。私自身も皆さまがつくったものを拝見するのを楽しんでいます。

――5thライブでいち早くお披露目となった、1周年を記念した新衣装も登場します。

狭間氏:「ヌーベル・トリコロール」という1周年を記念した新衣装で、3タイプ(Princess、Fairy、Angel)でデザインが異なる新しいデザインになっています。アシンメトリーのデザインで、肩に特徴があるデザインになってるのですが、そのまま再現された衣装を拝見したときは感激しました。

――そのほか、1周年企画としては「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ 1st anniversary in AKIHABARA」や公開生配信イベントがあります。スタンプラリーなどリアルとの連動もかなり考えているのですね。

狭間氏:ミリシタ1周年を、アプリ内でもリアルな世界でも感じていただきたいと思い、本当に多くの方々にご協力いただきました。キャンペーンやイベントと連動したアプリ内の仕掛けなども用意していますので、是非楽しみにしていただきたいと思います。

――こんなメールまで来るのかと驚く時もあります。

狭間氏:ライブやイベントに足を運んで、アプリを立ち上げるとアイドルからメールがきているというリアリティのある体験を常に提供していきたいと思っています。

5thライブの後には、白石紬、桜守歌織、田中琴葉からメールが届いた。

――5thライブでは今後のゲーム内イベントについても発表がありました。近々、キャスティング投票企画「THE@TER BOOST!」第1弾となる「超ビーチバレー」が配信される予定です。「THE@TER ACTIVITIES」のぶっ飛んだ感を楽しみにしているプロデューサーも多そうです。

狭間氏:「超ビーチバレー」というテーマ自体がチャレンジなので、「THE@TER ACTIVITIES」を知っている方も知らない方にも、驚いてもらいたいと思っています。楽曲もコミュもライブシーンの演出にもご期待ください。

――このような投票企画について狭間さん自身はどのような印象ですか?

狭間氏:プロデューサーの皆さまの意見をアプリに反映させられる機会をつくれたことをうれしく思っています。皆さまは“プロデューサー”なので、「この企画にどのアイドルをキャスティングするか」「この子をどういうステージに立たせるのか」など、よりリアルにプロデュースする機会を提供したいと考え企画しました。

――ただの人気投票にならないところがいいなと思います。

狭間氏:ステージ演出を考えてキャスティングされているところが、「さすがプロデューサーさん!」と私も思いました。笑

「THE@TER BOOST!」の結果

声を聞き、コミュニケーションを取ることが最高の体験を生み出す

――イベント以外にも機能の追加や遊びやすさの向上など考えていると思いますが、そちらについてはいかがですか?

狭間氏:遊びづらいと感じているところや、こういう機能があればいいなという皆さまの声を、開発チーム全員がいつも意識してくれています。いただいた声を踏まえ、タイミングを考慮しながら、様々なアップデートをしていきたいと思っています。

――プロデューサーさんからの声は、開発チームも共有していると?

狭間氏:そうですね。開発チームは本当にプロデューサーさんたちの声を聞いているので、安心してもらいたいです。

以前のUI(左)と現在のUI(右)。

――昨今のアプリゲームでは、開発の技術力だけでなく運営力も重要視されますが、その部分で意識していることを教えて下さい。

狭間氏:「スピード」と「タイミング」です。アプリを通じて体験していただく感動は、「タイミング」次第で無限に大きくなるものだと考えています。その感動を最大化できる「タイミング」に間に合わせるべく、チーム全員が連携してスピード感をもって取り組んでくれています。

――今後の展開も期待しています。個人的には次のSSレアの衣装として着物のような特徴的なものが出たら嬉しいです。

狭間氏:ご意見ありがとうございます。衣装も皆さまに喜んでいただけるものを提供していけるよう、チーム一丸となって頑張りたいと思います。これからも「ミリシタ」を宜しくお願い致します!

※画面は開発中のものです。

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