【TGS2018】「ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~」プロデューサーインタビュー“街づくり×RPG”をテーマとした意図や「アトリエ」20周年について聞く

インタビュー
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千葉・幕張メッセにて9月20日より開催の「東京ゲームショウ2018」。その会場内で、「ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~」の総合プロデューサー・細井順三氏と開発プロデューサー・菊地啓介氏に話を聞いた。

(左から)開発プロデューサー・菊地啓介氏、総合プロデューサー・細井順三氏

――まず、「ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~」(以下、「ネルケと伝説の錬金術士たち」)の制作経緯についてお聞かせいただけますでしょうか?

菊地氏:今回「アトリエ」シリーズが20周年ということで、今まで本編19作品のキャラクターたちが一堂に会したお祭り的なファンサービスのタイトルを作りたいなという考えが2年ぐらい前からあって、そこから彼女たちが活躍するゲームシステムはどういうものかと考えて、みんなで掛け合いながら街を作っていくようなゲームを作ろうということで企画が始まりました。

――今作は“街づくり×RPG”というテーマの通り、街づくりの要素を表に出されている反面、調合をはじめとしたアトリエのこれまでのシステムは、従来とは違うかたちで組み込まれているように思います。このあたりのバランスは元から意識されていたのでしょうか?

菊地氏:今回は既存のゲームの流れとは違って、錬金術士たちがみんなで力を合わせて街を大きくしていくというゲームをメインに据えようという考えがありました。従来の調合や戦闘といった要素はゲーム内に落とし込みつつ、新しいゲームスタイルで20周年をお祝いしたいという気持ちがありました。

――「アトリエ」シリーズを遊んでいる人ですと、いわゆる街づくり系のゲームを遊んでいる人とそうでない人に当然分かれると思うのですが、バランスとしてはどのぐらいの遊び方を想定されているのでしょうか?

菊地氏:そのあたりのさじ加減については、あまり難しいゲームにしたくないという気持ちと、その一方である程度の手応えは感じられるようにしたいなという気持ちがありまして。比較的進めていきやすいところでは、自由度が高く自分の好きなスタイルでできるようにして、必要な商品の作り方を考える部分などをハードルとして設定しています。そのさじ加減については今も調整しています。

――先ほど伺った調合やバトルがそもそも無くなってしまうと“アトリエらしさ”が無くなってしまうかなと思いますが、今作におけるそれらの役割についてはどのように考えられているのでしょうか?

細井氏:調合についてはシリーズを通して、システムが変遷してきている部分だと思います。「アトリエ」シリーズの調合は、基本的には良いものを作ったほうがいいということになりますが、その本質は素材を採ってきて調合するというところだと思います。それがゲーム内にどのように作用していくかがポイントとしてあって、その要素を今回は重視した結果となっています。

――まず最初に抽出すべき点として、“素材を採って調合する”部分があったと。

細井氏:「マリーのアトリエ」をプレイした人も、「リディー&スールのアトリエ」をプレイした人も、どの角度からでも調合は目的のアイテムを作るというところから始まっているので。つまり調合は目的意識を持って行うものなので、それを街の中に組み込んだというかたちになります。

調合にすごい奥深さがあるかといえばナンバリングほどはないですが、考えて作ったり、どういうところに採取に行くかといったところは従来と同様のものなので、インプレッションとしては変わらないものが提供できているのではないかと思います。

菊地氏:街を発展させるために調合を積み重ねていって、より良いものを作って売ったり、モンスターに使ったりといった本質的なところは変わっていないですね。

――今回プレイさせていただいた部分がゲームの最序盤だったので、よりゲームが進んでくれば調合の存在感も増してくるということでしょうか。

細井氏:そうですね。「アトリエ」シリーズはゲームを進める中で、どんどん自分の考えるゲームサイクルを構築していくのが特徴だと思っていますので、今作でもそのように遊んでいただければと思っています。

――新たな主人公であるネルケは錬金術士ではないという部分がひとつの特徴だと思うのですが、シリーズの主人公たちが登場するという本作の中で、存在感を出すためにキャラクター作りで意識された点はあるのでしょうか?

細井氏:ネルケは従来の主人公と本質的なところは何も変わらないんですよ。未熟な自分が成長していく物語というのが「アトリエ」シリーズが本質的には描いているものなので、従来の主人公と何が違うのかといえば錬金術が使えないところだと思います。

その理由としては、いろんな錬金術士が登場する中で、自分が錬金術を使えちゃうと自分が錬金術をすればいいだけになってしまいます。今作では多くの錬金術士と交流を持ってほしいというところから貴族という設定を付与しましたし、交流がはかどるように領地や街づくりを設定の中に組み込んだというイメージです。

「アトリエ」シリーズの錬金術士たちはみんな師匠がいて、師匠との関係で成長した後は、自分自身で作るのが最後の醍醐味だと思うんですよ。今回はいろんなキャラクターと協力して、成長していく物語を作りたかったというところです。

――徐々に登場するキャラクターが発表されていますが、最終的にはどのぐらいのキャラクター数が登場するのか、具体的でなくてもお聞きしたいのですが…。

菊地氏:キャラクターについては現時点で30人ぐらい紹介しているのですが、まだまだ歴代のキャラクターたちが登場します。そこは誰が登場するのか、期待してもらえればと思います。いただいたアンケートにも一通り目を通していて、そちらのご意見も参考にさせていただいています。

――発表前に行われたキャラクター人気投票の結果で、上位に入った中で意外なキャラクターはいらっしゃいましたか?

菊地氏:今回の投票結果の中でソフィーの1位という結果を受けて、初回封入特典のシーズンパスで“不思議な本の錬金術士像”を用意させていただきましたが、同時にプレミアムボックスで、ウィルベルのなりきり衣装をネルケのコスチュームとして用意していただきました。ウィルベルは人気投票で6位と、錬金術士ではないキャラクターの中で上位に入るほどの人気だったので、みなさんにお届けする特典にも反映させていただこうということで、細井と話をして用意させていただきました。

――「ネルケと伝説の錬金術士たち」では多くのキャラクターにバストアップイラストが豊富に用意されている印象を受けたのですが、今作でイラストを担当されているNOCOさんの作業も結構なボリュームになっているのではないかと思います。ご自身でキャラクターデザインをされるのと比べて、デザインのリファインならではの苦労された点があればお聞かせください。

細井氏:NOCOさんにイラストを描いていただく上で、原作のイラストをどれだけ忠実に再現するのか、NOCOさんのタッチをどういう風にミックスアップしていくのかという点がNOCOさん自身も、開発側としても苦労しました。

NOCOさんは過去作の全てのイラストレーターをリスペクトしていて、真似しすぎるとただの模写になってしまうので、それを自身の名前で出してしまうのは失礼ではないかと考えられていました。自分の色を出す、そのさじ加減が一番大変でした。

――そういった苦労がありつつ、「リディー&スールのアトリエ」の後からこれだけのキャラクターを描かれたというのはすごいですね。

細井氏:そこは本当に頑張っていただけたと思います。

――「ネルケと伝説の錬金術士たち」ではマリーなど一部のキャラクターが3Dモデルになって登場していますが、どのぐらいの幅のキャラクターが3Dモデルになって登場するのでしょうか?

菊地氏:「ネルケと伝説の錬金術士たち」が好評であればシリーズ化していき、3Dモデルで登場するキャラクターもどんどん増やしてきたいなと思っています。ただ、今作については最近のキャラクターたちを除くと、マリーなど限られたキャラクターのみになります。

――「アトリエ」はシリーズ単位で異なるファンがいる中で、本作の特徴をどのように伝えていくかが発売に向けて大事になってくると思いますが、現状で体験の機会などファンに知ってもらうための施策を考えられているのでしょうか?

菊地氏:今回の東京ゲームショウ2018で街づくりとしてのゲームサイクルをご紹介させていただき、その後はプレイ動画などで予めゲームの仕組みを紹介できるような機会を用意していこうかなと思っています。

――「アトリエ ~アーランドの錬金術士1・2・3~ DX」(以下、「アーランド」シリーズDX版)がPS4/Nintendo Switch向けに今週発売されましたが、このタイミングで発売するに至ったきっかけなどあればお聞かせください。

菊地氏:昨年「アトリエ」20周年の発表会をやらせていただき、その後もグッズやライブなどさまざまなところで過去のキャラクターをフィーチャーしていました。ただ、ゲームとしては「ネルケと伝説の錬金術士たち」のようなお祭りゲームがないと、なかなか日の目を見ることがなく、特に「アーランド」シリーズは根強いファンの方がたくさんいらっしゃるので、そういった方々にもう一度、現行機で触っていただける機会を作れればと思いました。

オリジナル版がPS3で発売され、その後PS Vita版でPlusシリーズを展開したりもしましたが、PS Vita版を遊ばれている方はどうしても一部になってしまいます。今遊んでも色あせないと思うので、シリーズ20周年というタイミングで、これまで遊んでいない方も含めて触っていただきたいなと思い、細井と相談して進めていきました。

――「ネルケと伝説の錬金術士たち」の発売前であるこの時期に発売しようというのは元々意識されていたのでしょうか?

菊地氏:「ネルケと伝説の錬金術士たち」の発売前にキャラクターたちを予習してもらうことができるのではないかという考えはあります。昨年も「マリーのアトリエ」をスマートフォンでリリースさせていただいたりもしましたが、キャラクターを知っていただけると「ネルケと伝説の錬金術士たち」もより楽しめるのではないかと思います。

――「アトリエ」シリーズはこれまでたくさんのシリーズ内シリーズが展開しているものの、個人的に好きな「マナケミア」シリーズなど、中々日の目が当たらないシリーズもあります。実際にゲームを触ってみると、それぞれのシリーズごとの面白さがあると思っているので、「アーランド」シリーズのように改めて触れる機会があると嬉しいと思います。今後、過去作での要望があった時に検討の可能性はあるのでしょうか?

菊地氏:お客様の声は常に耳を傾けていて、その中で実現できるものは限られると思うのですが、タイミングが合えば何らかのかたちで出していきたいなと思います。

細井氏:「アトリエ」シリーズをずっと遊んでいる方は本当に少ないと思うのですが、例えば「ネルケと伝説の錬金術士たち」を触っていただいて、過去作のキャラクターに興味を持っていただけたのであれば触ってみていただきたいですし、そういう要望をいただけたら僕らも考えられると思います。ユーザーのフィードバックを見るのが「アトリエ」シリーズなので、検討していければと思います。

実際、「アーランド」シリーズDX版に関しては本当にそういう“やってみたかった”という意見がすごく多いんですよ。なので出してよかったなとすごく感じています。

――「ネルケと伝説の錬金術士たち」を含め、「アトリエ」シリーズ20周年の中でさまざまな施策を行われてきたが、これまでの中で手応えを感じている部分と、これからより頑張っていきたいと思う部分があればお聞かせください。

菊地氏:20周年については一番最後に「ネルケと伝説の錬金術士たち」のリリースが控えていますが、いろいろ欲張って考えたことは大体は叶えられたかなと思います。ただ本当はもっといろいろ幅広くやりたい部分もありましたが、そこは次の10年に取っておこうと思います。

今回は自社だけでなく、NHN PlayArtさんから「アトリエ オンライン」も出していただけますが、もっともっと世の中に広めていくというのが次の10年の課題かなと思います。ただ、ライブやグッズも含めて展開していく中で、本当にお客様あっての「アトリエ」だなと感動しました。

細井氏:本音を言うと、これから「ネルケと伝説の錬金術士たち」をみなさんに知ってもらわなきゃいけないので、全然総括できる気分じゃないです(笑)。

その上で、「アトリエ オンライン」や「マリーのアトリエ」のスマートフォン版、「アーランド」シリーズDX版を展開していくことで新しいお客さんに対して多方面に展開できたというのは大きなポイントだと思います。ただ、もっとやれたんじゃないかなという気持ちもあるので、まずは「ネルケと伝説の錬金術士たち」で達成したい目標に挑んでいきたいと思います。

――22日(土)12時30分からは東京ゲームショウ2018でのステージも控えていますが、そちらの見どころも交えて最後に一言いただけますでしょうか。

菊地氏:今回は東京ゲームショウ全体のテーマとして、「ネルケと伝説の錬金術士たち」はどういうゲームで、どういう風に遊ぶのかというところを直接伝えられたらなと思っています。実際に来ていただいた方にはチュートリアルの部分を手にとって遊んでいただけますし、ステージではいろんな映像を用意していますし、ゲームの遊び方をお伝えしたいです。そちらをご覧いただきつつ、製品版を楽しみにしていただければと思います。

細井氏:20周年を迎えられたのは本当にファンの方々のおかげです。ありがとうございます。ステージに関してはサプライズ発表もあると思うので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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