ライブドアニュースは、ゲームで描かれた世界を現実に即して各分野の専門家に語ってもらう動画コンテンツ「ゲームさんぽ」について、Wii U用ソフト「ピクミン3」が題材の動画を公開した。
今回は、各種俳句賞を受賞し、審査員なども務める俳人の阪西敦子さん、関悦史さんとともに「ピクミン3」をプレイ。ゲームの映像をもとに俳句を詠む動画となっている。
動画公開時間・URL
前編:10月30日(金)17:00
後編は10月31日(土)17:00より、下記ライブドアニュースYouTubeチャンネルにて公開されます。
ライブドアニュースYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/gotouchi10sec
「ピクミン3」の不思議な生物や植物を俳句に詠む
「ピクミン3」の惑星には、現実世界にあるもののようでちょっと違う不思議な生き物や植物、風景が登場します。これを俳人に見ていただくと、現実世界を見ているだけでは出てこない、不思議な俳句が飛び出します。
動画に登場する俳句例
関悦史さん:ピクミンたちが出てくる船のようなものを見て「脚生えて食へぬ苺の如きもの」
阪西敦子さん:水玉模様のついた毛虫のような敵キャラクターを見て「木漏れ日のやうな模様の毛虫かな」
このように、短い言葉で情景を描く俳人がゲームの世界を表現することで、想像が膨らむ俳句ができていきます。
現実世界とゲームの世界が交錯して生まれるダブルミーニング
「冬の水飲めば頭の透明に」という句が動画内で読まれます。
これは、普通に解釈すれば「冷たい水を飲んで頭が冴えるような感覚を表現した句」のように思えますが、実際には、透明な頭部を持つアメンボのような生物が水を吸い上げていく様子を描写して生まれたもの。このように、ゲームの世界のことでありながら、あたかも現実世界を詠んだかのようにも解釈できる、二重性を持った俳句が生まれていきます。
俳人の二人もキャラクターに感情移入
ゲーム内で句を詠むにつれて、キャラクターの内面に寄り添うような句も登場していきます。ピクミンが水に弱いながら、雨の中を進んでいく様子を見て「ピクミン進むはかなさ強さ春の雨」、チャッピーという背中が弱点の敵キャラクターを見て「背中よく見えて春眠のチャッピーは」。
プレイを通じてキャラクターの個性がわかるにつれ、俳人の視点が変化していく様子も楽しめます。
俳句の歴史や俳人の現象の捉え方も紹介
プレイをしていく中で、俳句の歴史などの豆知識も登場します。昔の、言葉の組み合わせが決まっていて表現が限定的だったころ(江戸時代)から、情景を客観的に写生することが良いとされた時代(明治時代~)、そしてより自由な表現を求めている現代と、俳句の捉え方が変わってきたことなどが解説されます。
また、葬式にまつわる俳句や、作者ではなく解釈者によって生まれた名作俳句など、俳句の世界の知られざる話も披露されます。
関悦史氏について
1969年、茨城県土浦市生まれ。2002年「マクデブルクの館」百句で第一回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞。2006年「幸彦的主体」で第1回攝津幸彦記念賞。2009年「天使としての空間―田中裕明的媒介性について―」で第11回俳句界評論賞。2011年、第1句集「六十億本の回転する曲がつた棒」刊行。
翌年同書で第三回田中裕明賞。評論集「俳句という他界」。共著に「新撰 21」「超新撰 21」「俳コレ」(以上、邑書林)、「虚子に学ぶ俳句 365日」「子規に学ぶ俳句365日」(以上、草思社)。第2句集「花咲く機械状独身者たちの活造り」(港の人)。「豈」同人。
阪西敦子氏について
祖母の勧めで7歳より作句、日本最古の俳誌「ホトトギス」(1897年創刊)の児童生徒の部へ投句。以降、高校卒業まで掲載に対して与えられる小遣い(百円/一句)に導かれるように、自然に俳句に親しむ。大学ではフランス文学を専攻し、フランス人作家・ポール=クローデル句集「百扇帖」をテーマに卒論を執筆。
2013年、国際交流基金の招聘により、パリ日本文化会館にて俳句実作講座、パリ第7大学、国立東洋言語文化大学(INALCO)にて俳句について講義を行う。松山俳句甲子園本選審査員、HAIKU LIFE MAGAZINE「100年俳句計画」誌上「100年投句計画」選者、江東区小中学校俳句大会審査員。
共著に「ホトトギスの俳人101」(2010年、新書館、作品掲載・鑑賞執筆)「俳コレ」(2011年、邑書林、作品執筆)。「ウエップ俳句通信」にて「地味で変な虚子句 五句集を読む」を連載中。近日、第1句集を刊行予定。普段は会社員。
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