バンダイナムコエンターテインメントがenzaにてサービス中の「アイドルマスター シャイニーカラーズ」(以下、「シャニマス」)。サービス開始2周年を迎える中、激動だった2020年を振り返るべく制作プロデューサーの高山祐介氏に話を伺った。

制限のある中で一生懸命取り組んできた1年

――まずは「シャニマス」の2020年を振り返ってみての、率直な感想をお聞かせください。

高山祐介氏

高山氏:すごくいろんなことがあった1年だと思っています。もちろん良いこともたくさんありましたし、残念なこともありましたが、その時々でできることがあり、それを一生懸命やろうとしてきた1年だったかなという感じです。

――「シャニマス」としては2020年は年始から動いていく流れがあったかとは思うのですが、イベントを中止にせざるを得ないなど、新型コロナウイルス感染症の影響は大きかったかと思います。計画を練り直す部分もあったかと思いますが、どういった意識で進めていったのでしょうか?

高山氏:やはり新型コロナウイルスの感染拡大という状況下では、移動が制限されてしまったり、一箇所に人を集めることへの感染リスクが出てしまったりするので、できることというのが限られていたというのはあると思います。その中でも、ゲームはデジタルの媒体で、ある程度その制限に縛られずにサービスを提供できるものだったので、変わりなくサービスを提供し続けるというのは必要かなと思いました。

また、例えば人を集めるイベントもできるようになるまでやらないとなると、残念に思われるプロデューサーさんもたくさんいらっしゃると思うので、できることをやろうという意識でやってきました。

――特に4月~5月の緊急事態宣言下ではやれることがほぼないという中で、高山さん自身がリモート配信での生放送を実施されたこともありました。

高山氏:配信の意図としては、やはり(公式が)発信源として情報を届け続けないと、プロデューサー(※)さんもこの先どういう楽しみがあるのかわからないかなと思ったので、Twitterなどのメディアだけでなく、言葉で説明するターンも必要だと思い、実施してみました。

※「アイドルマスター」シリーズにおけるファンの呼称

――そのほかの試みですと、「アイドルマスター シャイニーカラーズ はばたきラジオステーション(以下、シャニラジ)」の動画回をenza上で配信されたりもしていますが、このご時世だからこそ、プロデューサーもより参加している感覚を味わえるのかなと思いました。

高山氏:デジタルという空間ではあるのですが、enzaというプラットフォームのそもそもの意図が円になってみんなでワイワイ楽しめるものを目指しているので、シャニラジでもデジタルではあるけど、みんなで集まってひとつのものを楽しむという、擬似的なライブ、イベントみたいな空気を作り出せたらなと思い、シャニラジ側にも協力してもらって実現しました。スタンプも送り合ったりして盛り上がってくださっているみたいですね。

2020年の「シャニマス」のトピックスを振り返る

――2020年の大きなトピックのひとつが、新たなユニット「ノクチル」の登場だと思いますが、ユニットコンセプトについて改めてお聞かせください。

高山氏:ノクチルそのものについては幼なじみ4人というところが特徴で、今までのアイドルユニットと違って、最初から関係性のある4人がアイドルになった時に、どんなアイドルになっていくんだろうというところがテーマになっています。

運営を通して今までイルミネーションスターズからストレイライトまでを描いていく中で、アイドルというものを彼女たちは目指しているけれど、彼女たち、そして受け取るプロデューサーさん側もそれぞれイメージするアイドル像は違っていて、ひとつの正解ってあるのかなと思ったんです。

ノクチルに関しては、シナリオでは意識的に既存のアイドル像の型にはまるべきかどうかというテーマを描くことが多いです。既存のアイドル像ではなくても、彼女たち自身しか生み出せないアイドル像を描いていけたらなと思っているユニットです。

――実際にプロデューサーに届ける上で、反響として印象的だったものはありますか?

高山氏:ノクチルで特徴的なのが、彼女たち同士の会話だと幼なじみだからこその意思疎通という意味で、言葉少なで情報量が少ないんです。彼女たちはそれで会話が成り立っているんですが、そこから受け取る情報が少ないゆえに解釈が分かれてくるというのが面白いポイントだなと思いました。

ノクチルに関しては、現状では受け取り方がさまざまだから答えを提示しようみたいな発想はあまりないです。まだ追加されて1年も経っておらず、描ききれていない部分もたくさんあるので、まずはそちらを描くという意識が強いです。

――その一方で、既存ユニットのアイドルたちを描くシナリオの内容はどんどん踏み込んできていますよね。アイドルたちを描く上でここまで深堀りしていくのかというのは感じましたが、このあたりも運営を通して段階的に描いていくからこそなのでしょうか?

高山氏:あると思います。当初からアイドルによって設定やこういうことを描きたいというコンセプトはあったのですが、描いていく中で我々もシナリオチームもこの子にはこういう一面もあるんだなと気づかれることもあり、そこを深堀りしていこうというのはあります。

――私は三峰Pなんですが、プロデュースアイドルのコミュの内容が毎回すごいなと(笑)。プロデューサーとして彼女たちと接してその距離感が近づいたからこその踏み込みを感じています。こういうゲームでは時間の流れを描くのは難しいところがあると思うのですが、そこを人間関係の変化で描くというのは「シャニマス」ならではなのかなと。

高山氏:積み重ね、みたいなものはそれぞれのアイドルに存在するので、そこだけは無視しないように描いていきたいとは思っています。

――ユニット間の関係もすごくしっかり描いていて、最近行われたアルストロメリアのシナリオイベントの「流れ星が消えるまでのジャーニー」もすごく印象的でした。

高山氏:アルストロメリアは特に関係性の変化みたいな部分は意識していて、それこそ甘奈と甜花の関係性もありますし、千雪と大崎姉妹の関係性というところもあります。良い子3人って主張のぶつかり合いとかは起きにくいところはあるのですが、アルストロメリアの魅力はやはりそれだけじゃないというところは提示したいなとは思っています。そういう意味で、「薄桃色にこんがらがって」のシナリオや、大崎姉妹がいかにしてああなったのかを描く「流れ星が消えるまでのジャーニー」のシナリオは生まれてきた感じです。

――そうしたシナリオイベントだけでなく、プロデュースシナリオとしても新たに「G.R.A.D.」が追加されました。今回はほかのプロデュースシナリオとは違って、アイドルがソロで挑むという方向性で、アイドルごとにいろんな面を見せてくれていますが、シナリオの方向性やゲームシステムのコンセプトはどのように作っていったのでしょうか?

高山氏:アイドルたちはこれまでユニットで活動してきましたが、ユニットといっても分解すると個人の集まりなんですよね。個人がそれぞれステップアップをすることで、ユニットとしても輝く側面はあると思うので、そういった個人のステップアップの場として「G.R.A.D.」をシナリオとして用意しました。

また、2021年1月から予定されているCDシリーズ「THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS」でのソロの楽曲もその意図で、個人のアイドルがより輝くための新たな表現の場として用意しています。今年はユニットとして今まで磨いてきた自分がユニットを離れた時に、自分の原点のアイドル像を見つめ直すなど、個人がより輝くための1年みたいなイメージをしていて、「G.R.A.D.」はその舞台のひとつでした。

システムとしては「W.I.N.G.」「ファン感謝祭」と続けてきて、それぞれ同じ32週で選択を繰り返していくというゲーム性ではありますが、遊びごたえみたいなところのエッセンスは毎回加えたいなと思っています。

「G.R.A.D.」であれば“ひらめき”という機能を通して、誰かと一緒に行動することでひらめきポイントが溜まっていくのですが、それもソロだけどユニットを越えたほかのアイドルから影響を受ける、学ぶところがあるという意味があります。また、ゲーム的にはひらめきを消費することでアビリティをゲットしていきますが、RPGのような育成の自由度みたいなところを作れないかなと思っていました。

――今回は「ファン感謝祭」とは違い、サポートアイドルのカード単位ではなくアイドルごとにひらめきの属性が固定される形式で、一見すると選択肢が狭まるのかなと思ったのですが、どういった意図だったのでしょうか?

高山氏:当初は「ファン感謝祭」と同様にカードごとに異なるひらめきにするか、アイドルごとに固定にするのかの2択がありました。

固定にしたのにはいくつか理由があるのですが、そのひとつがカードごとに異なるかたちにした時に「ファン感謝祭」と遊びごたえが似てしまうのではないかという懸念です。また、いろんなカードを使っていろんな編成を試してほしいなと思っているので、プレイングの固定化を避けたかったというのもあります。「G.R.A.D.」では、例えば真乃だったらボーカルのひらめきですが、真乃の中でどのカードを使うのかを試してみてほしかったんです。

――カードの選択から考えるというよりは、まずはどの属性のひらめきを持つアイドルと一緒に組んでいくのかというところから考えてもらうということでしょうか?

高山氏:そうですね。編成の時にボーカル特化で育てるのであればボーカルのひらめきのアイドルを多めに入れておいて、その中でどのカードを使うかの順番で考えてほしかったというのはあります。また、先ほども言ったアイドル同士で影響を受け合って学ぶという意味で、そのアイドル自身から学んでいる感覚を作りたくて、ひらめきを固定化しているというのもあります。

――システム的にも、アビリティを活用することで最終的なステータスを上げやすいという側面はあると思うのですが、アビリティ自体がその後のフェスでも活かせる仕様になっていて、プレイそのものの幅にも広がっているように感じました。

高山氏:プロデュースというのはフェスアイドルを育てる手段ではあるので、アビリティも最終的にフェスを見越していて、フェスアイドルになった時に自分はこんな編成をしたいから、このアビリティが必要だなというかたちで進められるかなと。例えばアルストロメリアでフェスユニットを組みたいと思っている場合は千雪と甘奈の絆が必要になったり、凛世を育てていて、そこにアルストロメリアのアイドルを組み込むのであれば、放課後クライマックスガールズだけでなく、アルストロメリアとの絆をとっておこうとか。同じ凛世でも放課後クライマックスガールズで組むか、ほかの編成に組み込むかで能力や育成方針、選ぶカードも変わったりすると思うので、いろんな編成でいろんなプレイングをしてみてほしいというのはありました。

運営の中で育まれていったプロデューサーへのフォローアップ

――「シャニマス」のプロデュースは、サービス当初は難易度が高めの印象を受けていましたが、2年半以上におよぶ運営の中で、ゲーム側のアップデートなども含めてフォローアップしている印象を受けます。プロデューサーに遊んでもらう上で、どのような点に注力しているのでしょうか?

高山氏:プレイのしやすさみたいなところは常に意識しています。ただ、ゲームではあるので全て成功してしまうと作業になってしまうため、運の要素や失敗する場面もゲーム内には出てくるのですが、それをもう1回やってみようと思えるくらいの難しさに制限したいなと思っています。

例えば新しく始められたプロデューサーさんのために初心者ミッションを用意していて、そこでプレイすると資産も溜まってその後のプレイングが少し楽になり、かつ立ち回りの基本を理解できます。その後W.I.N.G.攻略ミッション、True End研修などで徐々にステップアップしてもらうよう意識をした結果、割とTrue Endまでの道のりも初期より短くなって、ハードルが高すぎない範囲に落ち着いてきたかなと思います。

アイドルロードも、Rのアイドルは使い道が無いとかあると思うのですが、せっかく持っているカードなので活用してもらうために、自分はこのアイドルの担当だから育てようといった、アイドルへの愛着を示すものを用意しようと。かつ、ノクチルは今年入ったユニットでカードが増えてくるまでに多少時間がかかってしまうというところもあり、いち早くSSRにして育ててもらい、グレードフェスでも多少は使えるという状態にしたかったというのがあります。

――私はサービス開始当初にプレイしていたので見えづらい部分もありますが、確かにこれからプレイされる方にとっては、入り口は大分入りやすくなっている気がしますね。

高山氏:我々自身の反省として、プレイし続けていて立ち回りを知っている状態でチュートリアルを作っていたので、最初はチュートリアルが終わってすぐに放り投げられてしまう感じはあったかと思います。やはり「シャニマス」は育成だけでなく、そのために誰を編成したら良いのかといった超えるべき壁が多いゲームなので、そこはカバーするべきだし、してあげたいなと思って今のかたちになっています。

――「シャニマス」は特にTrue Endを出せるようになってきてからが楽しいというのもありますよね。

高山氏:やはりTrue Endを達成してジュエルが手に入るようになってからゲットできるカードが増えてくるので、その分特訓できるサポートカードが増えて育成も変わってきます。なのでそこのサイクルに早めに到達してもらうのが良いのかなと思います。

――運営を続けていくと、イベントやガシャの更新によるアイドルたちのイラストやコミュのバリエーションも難しくなると思うのですが、その中でも「シャニマス」はすごく攻めているなという印象です。少し前にあっためぐるの広告のイラスト(アップ・トゥ・ユー)など、毎回想像のつかないという意味で面白いなと思うのですが、アイデア出しの部分はどのようなかたちで取り組まれているのでしょうか?

高山氏:アートとシナリオの部分で若干違いはあるかなと思っていて、アートに関してはアートディレクターの方やチームの方々が、既存の延長線ではなく、新鮮に驚いてもらいたい、楽しんでもらいたいという思いを常に持ってくれています。だからこそ、普通はしないような構図にしたり、先ほどのめぐるの広告の例でも写真で、色使いもモノクロでスタイリッシュな感じを出したりと、チームが常に新しいアイデアを出してくれるという感じです。

シナリオに関しても、やはり大方針としてどういうことを描いていきたいかを漠然とシナリオチームと話したりはするのですが、イベントシナリオが入ってくるからここのタイミングではこれをやって、その後のカードではこれをやってと、実際の運営スケジュールを見ながら、どこまで肉付けをするのかをシナリオチームが具体的にかたちにしてくれています。なので、どちらも基本的にはアートチーム、シナリオチームが知恵を絞って考えてくれている感じです。

――その時点では任せていて、最終的な実装の部分で一緒にタイミングなどを考えていく感じになるんですね。

高山氏:特にシナリオは実装時点でどこまで描くかの話し合いをして最終的に決めていきますが、アートに関しては私も詳しいわけではないのとパッと見て良いなと思うものがあがってくるので、本当に何か無い限りはそのまま進行するかたちになります。

――生放送の中で新イベントを紹介する際、オススメの編成についても紹介されるのが印象的ですが、プレイにおけるプロデューサーへのフォローアップとして意識している点はありますでしょうか?

高山氏:以前はカードを追加する際に性能を見てもらい、プロデューサーのみなさん自身にフェスアイドルになった時の運用を見越した育成方法を考えてもらうというかたちでおまかせしていた部分がありました。ただ、やはりすごく変数が多くて、育成するにしてもどんなパッシブスキルをとれば強くなるのかといったところは難しいと感じていたので、そこを多少噛み砕いてフォローアップできればと思っていました。

例えばグレードフェスでも最上位のグレードLv.7にいらっしゃるプロデューサーさんはそんな解説が無くても自分たちで分かりますし、多分私たちが説明するよりももっと良いものを見つけてくれているかもしれません。ただ、もっと裾野を広げてカードの強さを体感してもらうにはという発想で始めた試みです。

――グレードフェスは正直天井が高すぎて全然見えないという感じで、私はLv.4とLv.5を行き来しているのですが、ほかのプロデューサーもそのあたりが分かれ目になっているのでしょうか?

高山氏:Lv.4とLv.5以上で見える世界が変わっているというのは良くも悪くもあると思います。Lv.5以上だとW.I.N.G.のアイドルだと残留も厳しいくらいの感じになっていて、ファン感謝祭の高ステータスのアイドルか、G.R.A.D.のアビリティで火力を積んだアイドルじゃないと残留や昇格は難しいです。だからこそ、そのカードのパフォーマンスを発揮するための育成の方向は意識的にお伝えするようにしています。

――そういうお話を聞くと、True Endを目指すという意味でのW.I.N.G.はありつつ、フェスに挑む部分というのは切り分けて考えられているのでしょうか?

高山氏:W.I.N.G.は最初に触れるプロデュースエリアで、W.I.N.G.のアイドルでもLv.1~4までは全然戦い抜けますし、Lv.5への昇格もできるのですが、それ以上になってきた時にファン感謝祭やG.R.A.D.といったプロデュースエリアにステップアップしてほしいなと思っています。だからG.R.A.D.のアイドルはアビリティで結構強くなる状態にしています。

――プロデュースシナリオも徐々に先の話になっていくのと同様、プロデュースによってアイドルを育てること自体も曲線になるよう設計されているのですね。

高山氏:プロデュースエリア自体の難易度もファン感謝祭、G.R.A.D.で徐々に高くなっていくようには意識していますね。ファン感謝祭であればSPが足りなくなるので、アイデアノートでいかにSPを稼いでいくかやユニットマスタリーSPがあるかとかが育成のキモになってきますし、求められるデッキも少しずつハードルが高くなっていくとは思うので、徐々にチャレンジしてもらうイメージを持っています。

――運営の方にこういうことを言うのは失礼ですが、めちゃくちゃ考えられていますね(笑)。その上で、グレードフェスで上位になることだけを目指さなくても、アイドルたちのシナリオを読むという目的だけでも十分達成できるようになっていますよね。

高山氏:グレードフェスはPvPの仕組みで上位にいけばいくほどパッシブスキルのとり方やどの順番でスキルを発動していくか、審査員の体力を一番ならしたタイミングで思い出+リンクアピールを発動するとか、戦術と試行回数が必要になってくる、難易度の高いゲームではあると思っています。それだけだとついていけない方もいると思うので、育成してシナリオをたくさん読む、報酬を集めてガシャをたくさん引く、ファン人数を増やしていくといった、それぞれの楽しみ方を提供できるようには意識しています。

無観客配信イベントの取り組みからも見える、この先の「シャニマス」

――イベントの実施が難しい中で、10月31日・11月1日に行った「THE IDOLM@STER SHINY COLORS MUSIC DAWN」は新たな試みも多く、印象的でした。この取り組みを振り返ってみていかがでしょうか?

高山氏:今年は「THE IDOLM@STER SHINY COLORS SPRING PARTY 2020」と「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 2ndLIVE STEP INTO THE SUNSET SKY」の2つができなかったという事情があって、このまま手をこまねいていると、アイドルたちの歌唱をプロデューサーの方に聴いていただけないということになりかねなかったので、何かしらイベントはしたいなとずっと思っていました。

その中で10月に無観客というかたちでイベントを実施させていただきましたが、観客を入れるか入れないかというのも2、3ヶ月前まで社内でも議論がありました。感染が収束するかも含めて先のことは正直どうなっているかわからず、でももう決断しないといけないという状況で、安全を優先して無観客での実施を決めました。

無観客だと盛り上がりに欠けてしまうのではないかという心配はあって、でも画面越しに見ているからこそできるものを提供できれば喜んでもらえるのではないかという発想でドローンを取り入れたりして、結果としては無観客だからこそできる新しいライブイベントのかたちを提供できたのかなと振り返って感じています。

――進行を音楽番組風にするというのも実際に目にするまでイメージはわかなかったのですが、パフォーマンスの間に挟まれるMCの津田健次郎さん(天井 努役)、山村響さん(七草 はづき役)のコメントが自分たちの言いたいことを代弁してくれる部分もあって、共感を感じられるやり取りだったなと思っています。

高山氏:現地で行われるライブも絶対に楽しいと思うのですが、音楽番組という体裁も画面で見る上での魅力を届けるためのひとつでした。音楽番組というコンセプトを表現しようという意味でああいうMCのスタイルになったのですが、津田さんも山村さんもそれぞれお二方の観点、視点で感想を伝えてくださいました。それだけでも嬉しいのですが、仰っていることもお二方の異なる視点で言っていただけたのですごく印象的でしたし、見てくださっている方も同じことを思ってくれているという嬉しさを余計に感じられる効果があったと思います。

――ノクチルの初披露も印象的でしたが、今回はユニット混合メドレーという試みもありました。先ほどのソロのお話もありましたが、今後はユニットにとらわれない動きも意識していくのでしょうか?

高山氏:具体的なイメージができているわけではないのですが、既存のユニットが長く活動をしていく中で、ユニットの色は十分伝わったかなと。ユニットでの活動に軸足を置きつつではあるのですが、ユニットという箱を飛び出て、ほかの表現をしても良いタイミングだなとは思っています。

――2020年も終わるというタイミングですでに3周年の足音も聞こえてくるころだとは思いますが、2021年の抱負や展望があればお聞かせください。

高山氏:2021年も正直言って、先行き不透明な部分があると思うんです。今後社会がどうなっていくのか、ゲームをプレイしてくださっているプロデューサーさんの環境もどうなっているのかが見えない中ではありますが、我々ゲームを提供する側にできるのは、きっとコンテンツや楽しみを提供し続けるということに尽きると思っています。

その時々でもしかしたら何かしら制限があって、やりたいことをフルでできない可能性はあるのですが、その中で逆に今だからできることはなんだろう、今やるべきことはなんだろうという視点で、ゲームやイベント、そのほかの展開は2021年もやり続けていくだろうなと思っていますので、ぜひご期待ください。

――ありがとうございました。

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