千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2022。KONAMIブースで9月15日に行われたステージイベント「『ONI - 空と風の哀歌』開発トーク&アーティストライブ」の模様をレポートする。
昔話の桃太郎をベースに、モノノフである鬼の空太が桃太郎に復讐するため、かつての鬼達の魂が彷徨う鬼世島(きせじま)での試練に挑むという、独自の解釈が盛り込まれた「ONI - 空と風の哀歌」。ディレクターであるKENEI DESIGNの葉山賢英氏が、自身の好きなものを詰め込んだと話す通り、映像の端々から同氏の世界観が垣間見えるものとなっている。
葉山氏は元々ミストウォーカーに在籍しており、「TERRA BATTLE」や「FANTASIAN」でUIアーティストを担当。その後、KENEI DESIGNとして独立し、スマートフォン向けのコンテンツを独自に開発してきたという。
「ONI - 空と風の哀歌」を制作するにあたっては、SNSで個人的に声をかけてメンバーを集めていき、最大5人の少数精鋭となっている。こうした制作スタイルを取ることで、結果的に葉山氏の作りたいものが色濃く反映されているということだろう。
一方、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の在籍時には幅広いタイトルのプロデュースを務めるとともに、PlayStation C.A.M.P!などの取り組みを行ってきたプロデューサーの山本正美氏(集英社ゲームズ)。葉山氏がPlayStation C.A.M.P!に合格した縁もあって、本作の企画に関する相談を受けたタイミングが、ちょうどSIEの退社後に声がかかった集英社ゲームクリエイターズキャンプの立ち上げと重なり、今回の座組みへと至ったそうだ。
山本氏は、葉山氏のクリエイティブの魅力として、相談を受けた当時のゲーム画面を見せ、その当時から葉山氏には本作におけるアートとしての完成形が見えていたと紹介。そのイメージ力がゲーム制作において珍しい才能であり、かつその芯のブレなさも葉山氏の表現するものとして表れているということだろう。
ここで、Kannaさんによる本作のテーマ曲「セイアクセツ」のライブコーナーに。ライブ中にスクリーンに映し出された映像は、本作のオープニングムービーとなっている。こちらはすでにYouTubeでも公開されているので、気になる人はチェックしてみてはいかがだろうか。
同楽曲は自身で作詞作曲したもので、英語詞になっているのが特徴の一つ。こちらは葉山氏からのオーダーだったようだが、Kannaさん自身も作品の世界観に惹き込まれる中で、鬼の気持ちや悪とは何かを考えながら楽曲を制作。その出来栄えに葉山氏も思わず身震いしたというエピソードが語られた。
その後は東京ゲームショウ2022にも出展されている試遊版をプレイ。本作では敵の“体”と“心”の両方にアクションを繰り出していく。空太だけの場合、敵の体に□ボタンで攻撃を加え、ダメージを与えることで敵の体から浮かんでくる心玉を○ボタンで破壊することで敵を倒すことができる。さらに、心玉を連続して破壊できるコンボ攻撃「心痛連撃」、□ボタンを長押しして繰り出す「回転斬り」なども用意されている。
さらに、相棒である風丸が仲間になると、二人のキャラクターを同時に操作可能に。風丸はR1ボタンを押しながら右スティックで操作できるようになり、そのまま敵に近づいてR1ボタンを押したままL1ボタンを押すと、敵の体力を吸引して心玉を出すことができる。2人のコンビネーションによって、さまざまなバリエーションが生まれていく。
ちなみに、今回のプレイでは叶渚(かんな)というキャラクターとの出会いのシーンも一部紹介されたが、実はこのキャラクターはKannaさんがモデルになっていることが明かされる。鬼しか出ない作品ということもあって、女性のキャラクターを出したかったとその経緯を説明、Kannaさん自身も世界観が好みすぎて即決したと話していた。
最後はそれぞれからメッセージが寄せられて、ステージは終了となった。