コーエーテクモゲームスが2023年に発売を予定している、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam・Windows)用ソフト「Wo Long: Fallen Dynasty」。東京ゲームショウ2022の会場で、プロデューサーの安田文彦氏と山際眞晃氏にインタビューを実施した。
Team NINJAが手掛ける完全新作アクションRPG「Wo Long: Fallen Dynasty」。これまで、「仁王」シリーズや「NINJA GAIDEN」シリーズなど、和のテイストが強いタイトルをリリースしてきたTeam NINJAにとって、初の三国志を題材としたタイトルとなる。インタビューでは、開発の経緯から、同じ「死にゲー」ジャンルの作品である「仁王」との違い、試遊を通して感じたシステム的な疑問といった、様々なお話を聞くことができた。
なお、インタビュー中にも話題として登場している、TGS2022での試遊版レポートもすでに掲載しているので、チェックして欲しい。
スピーディな中国武術のイメージを盛り込んだバトルシステム
――まず、開発の経緯について教えてください。
安田氏:これまでTeam NINJAとして、7年くらい「仁王」シリーズを製作してきて、アクションRPGに対する技術やノウハウの蓄積ができてきたので、新しい展開のアクションRPGを作りたいなと。
そこから検討を進めていた中に、三国志をテーマにしたアイディアもあって。コーエーテクモとして色々なタイトルを手掛けてきたこともありますし、中国武術を取り入れることで、本作ならではのアクションの特徴も出せるのではないかと考え、開発をスタートさせました。
――TGS2022の出展は、ユーザーが体験できる初めての機会となるのでしょうか。
山際氏:はい、世界初の試遊となります。すでに反響も聞いているのですが、たくさんの方に遊んでいただけているようで嬉しいです。
――TGSでの試遊版もプレイさせていただき、やはり本作も難易度は高いなと感じました。その一方で、「仁王」とは難しさのベクトルが変わったという印象もあり、本作のバトルデザインの方向性についてお聞かせ願いたいです。
安田氏:おっしゃる通りで、「仁王」はスタミナや構えの要素があって、侍らしい静と動のメリハリがある一撃一撃が重めのデザインになっていました。
本作ではスタミナの制約もなくなり、ジャンプの追加などもあってより直感的な操作に近づいていて、バトルのスピード感も変わっています。ちょっと考え方を変える必要もあって、よりアグレッシブに攻めたり、逆転を狙うという能動的なプレイによりフォーカスしています。
――これは「仁王」以外のタイトルもそうですが、スタミナ制のアクションゲームって互いに攻撃のタイミングを待つ、ターン制のバトル的な要素がありましたよね。本作はそれが結構違っているなと。
安田氏:映画とかを見ていてもそうですが、中国武術のイメージとして攻守が一瞬で入れ替わるとい部分もあったんですね。それを表現したのが本作のバトルで、是非プレイして感じていただきたいです。
――本作のシステムの特徴である「氣勢」について教えてください。
安田氏:「氣勢」は、自分と敵共通のルールとして存在するゲージで、それぞれの勢いを示す要素となっています。プラスは青、マイナスはオレンジで表示され、ゲージの状態を踏まえた上でプレイヤーがどんな判断をするかが重要になります。アクションゲームなので、攻撃するのかガードするのか避けるのか、いろいろな選択肢がありますが、「今は青いから攻撃しよう」「今がオレンジだから控えよう」といったように、一つの判断基準として利用していただければと思います。
また、アクションゲームにはいろいろなリソースが出てきて画面内の情報が多くなりがちなのですが、今回は3Dのアクションに集中していただきたいという想いもあり、一目で分かるゲージに集約させました。
――自分もそこはかなり特徴的な部分と感じたところで、様々なアクションに対するリソースがほぼ氣勢に集約されていますよね。「仁王」との大きな違いでもあるなと。
安田氏:そうですね。「仁王」シリーズでは、気力だったり忍術だったり妖力だったりと、いろいろなリソースが存在していました。それはそれでより緻密な戦略性を立てやすいという効果もあったのですが、今回はバトルのスピード感も上がっていますし、アクションにより集中していただくためにも、シンプルなリソース設計にしています。
――仙術に関しても、使用回数制限のようなものはなく、氣勢ゲージさえあれば何度でも使用できるのでしょうか。
山際氏:仙術も、リソースとして消費するのは氣勢のみになります。ただ、条件として士気ランクが必要なものもあり、それほど強くないけど最初から使えるもの、強力だけど士気ランクをかなり上げてからでないと使えないものなどがあり、その使い分けの戦略性も楽しんでいただけるかと思います。
――士気ランクについては、ステージ内における自身のレベルのようなものという認識で間違いないでしょうか。
山際氏:そうですね。基本的にそのステージの中で上げていく要素です。本作の成長要素は二軸あり、一つがステージ内における士気ランクで、もう一つがレベルなど恒常的な成長要素になります。従来のようなRPG的な成長がある上で、ステージ内での成長システムがさらに加わると考えていただければ。
――士気ランクが高くて倒せなさそうな敵と遭遇した時、一旦無視して先に進み、士気ランクを上げてから倒すといったこともできるのでしょうか。
山際氏:可能です。反対に、リスクを負ってランクの高い敵を倒すと自身の士気ランクも一気に上がったり、強力なアイテムが手に入ることもあるので、その後の攻略が楽になるというメリットもあります。プレイの戦略性の幅に繋がればと考えています。
――バトルシステムの特徴として、「化勁」の存在も挙げられます。敵の攻撃に対してタイミングをあわせる、いわゆるパリィ系のシステムかと思うのですが、パリィが苦手な自分でも結構出しやすいなと感じました。
安田氏:特定の攻撃だけではなく、どんなアクションに対しても「化勁」で対応できるというのは重要な部分だと思っています。
ただ、実はTGSの試遊版は、体験時間が短く初めて触られる方も多いので、タイミングを少し優しくしていまして……(笑)。話を聞いていると、試遊に来られたのはアクションゲームがかなり得意な方が多かったみたいで。ちょっと気を使いすぎたかと、少し反省しています(笑)。
山際氏:気の使い方が下手でしたね(笑)。
安田氏:ただ、敵のアクションを覚えて、プレイヤーがかっこよく回避しながら打ち勝つという、スタミナの制約がないからこそ実現できた気持ちよさは体感できるようになっていると思いますので、是非とも触っていただきたいです。
――「化勁」については、やはりバトルの軸になると考えて問題ないでしょうか。
安田氏:そうですね。間違いなく、本作の中で一番重要なアクション要素だと思います。
――死亡した時のペナルティも「仁王」とは違いますよね。いわゆる経験値がなくなるのは同じですが、本作では半分手元に残るので、最初の一瞬は「すごく優しくなった」と思ったんですよ。
安田氏:はい、はい(笑)。
――それから何度かプレイしていると、「いや、まったくそんなことはないぞ」と思い直しました(笑)。ハードさという意味では、従来以上かもしれないと感じたくらいで、あの仕様の狙いについてもお聞かせください。
安田氏:やっぱり何度も思考錯誤していただくゲームなので、ペナルティには本作独自の特徴をもたせたかったんです。
「仁王」もそうですが、倒されるとその場にアイテムを落とすというのが一般的ですよね。今回はそれを敵がもっているという形に変えたので、一気に0になってしまうと、2重のペナルティが課せられるようになってしまいそうだなと。ただでさえ勝てなかった相手に、手持ちがない状態でもう一度挑まないといけないということですからね。
とはいえ、失敗時のリスクがある程度ないと、乗り越えた時の気持ちよさも生まれません。そうしたいろいろなものを加味して生まれたのが、あの仕様となっています。
山際氏:敵に倒されると、敵の士気が上がって強化されてしまうので、再度挑む時はより工夫をしないといけなくなるという面もあります。奇襲をしかけたり、敵の氣勢を崩すことで士気を下げたりといった戦い方もあるので、リベンジ時ならではの遊びも含めての仕様になります。
――落下死など、敵の攻撃以外の要因で死亡した場合、千氣はどうなるのでしょうか?
山際氏:同じように半分になり、取り戻すことはできません。ただ、本作にはジャンプを使って地形を上がっていくような遊びもありますが、プレイヤーが納得できない、理不尽な死に方が発生しないように調整していきたいと思っています。
三国志ファンにも楽しんでもらえる作品を目指す
――三国志には非常に魅力のある武将たちが多数登場しますが、本作の物語には武将たちはどのように関わってくるのでしょうか?
安田氏:やっぱりそれぞれの武将たちのドラマというのは、三国志の一番の魅力だと思っているので、そこはしっかり描いていきたいなと。
現在は序盤の黄巾の乱あたりのお話を少し出したりしていますが、後に有名になる武将たちの知られざる活躍や、武将たちがどういった過ごし方をしていたかも描いているので、三国志ファンもそうではない方にも、三国志の魅力を感じていただけるのではないかと考えています。
――「仁王」では、オンラインで他のプレイヤーに手を借りて、難しいステージをクリアするということもできました。普段死にゲーをあまりプレイしない三国志ファンが本作を遊ぶ上での救済措置のようなものはありますか?
山際氏:有名な三国志のNPC武将と一緒に行動したり、他のプレイヤーと共闘することもできるようになっています。オンライン関連としては、協力だけではなく、敵対するプレイヤーが侵入してくる要素もありますので、そちらも楽しんでいただければと思います。
――これまでのTeam NINJAさんの作品は、どちらかというと「和」のテイストを重視したものが多かったかと思うのですが、今回は中国が舞台ということで、ビジュアル表現的な部分での変化はありましたか?
安田氏:中国を舞台にしたことで、大きいスケールの背景が増えたと感じました。中国の城や関ってものすごく巨大ですし、同じ断崖絶壁や建物も、日本とは比にならないスケールになっているので、そこは分かりやすい違いではないかなと。
あとは、これまでコーエーテクモとして三国志のゲームを多数リリースしてきた流れもあり、中国人のスタッフも大勢参加しているので、彼らの考証も含めて、三国志をTeam NINJAらしく描こうと意識してします。
――最後に、発売を楽しみにしているファンに向けてのメッセージをいただければと思います。
安田氏:Team NINJAとして初めての三国志ゲームとなりますので、アクションだけではなくストーリーや世界観もできるだけ新しいものを届けられればなと。コーエーテクモとして、一番ダークな三国志を目指して作っていたりもするので、そういった部分も含めて感じていただけれればと思います。発売は来年とまだ少し先になりますが、是非期待してお待ちいただければ嬉しいです。
山際氏:今まで文字や動画でも紹介してはきたのですが、実際に触っていただかないと分からない部分も多いですし、我々としても実際にプレイされる方を後ろから見て、初めて分かったことも少なくなかったので、今回の試遊の機会というのは必要だったなと改めて感じています。
またTeam NINJAのタイトルは、今までもお客様とのコミュニケーションを大事にしてきた部分もありますので、より多くの方に遊んでいただける機会も設けたいと考えています。そこでいただいた意見にしっかりとフィードバックして応える形で、よりよい作品を作っていきたいと思ってます。
――ありがとうございました。
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