9月17日から21日まで千葉・幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2026」。KONAMIブースに出展されている「遊戯王 TAG FORCE GX」の試遊レポート、そして本作のディレクターを務める松村氏へのインタビューの模様をお届けする。
シリーズ18年ぶりの復活となる本作は、ファン待望の「GX」の世界をフル3Dで描き出し、当時の思い出が鮮やかに蘇る仕上がりとなっている。会場の試遊では、懐かしのデュエル体験はもちろん、一新された召喚演出やキャラクターたちの生き生きとした姿をいち早く体感することができた。
本記事では、実際に試遊したプレイフィールを振り返りつつ、ディレクターの松村氏に直撃したインタビューを掲載。制作の経緯からフル3D化の苦労、ルールやAI調整の裏側まで、本作に込められた熱いこだわりをたっぷりと語ってもらった。



生き生きと動くキャラや大迫力の召喚演出に興奮!「遊戯王 TAG FORCE GX」の現場の熱気をレポート
今回の試遊出展では主にデュエルパートが体験可能となっていた。本作は2008年に発売された「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX タッグフォース3」をベースに、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam)向けに蘇らせたシリーズ18年ぶりの最新作だ。
実際にコントローラーを握ってデュエルを始めてみると、まず目を引くのが一新されたフル3Dのビジュアルだ。当時の懐かしい空気感やテンポ感はそのままに、キャラクターやモンスターのモーション、そしてフィールド魔法発動時の演出などが現代のクオリティで美しくリメイクされている。
当時夢中で「タッグフォース」を遊んでいた世代であれば、画面を見た瞬間にあの頃の記憶が一気に呼び起こされ、思わず胸が熱くなるはずだ。
ルールや当時の手触り感を大切にしつつも、UIなどは遊びやすくブラッシュアップされており、スムーズにデュエルへ没頭することができた。限られた試遊時間ではあったものの、パートナーとのタッグデュエルや迫力の召喚演出など、製品版で遊べるようになる日への期待値が大きく高まる充実した体験となった。




当時の熱量をそのままに――「遊戯王 TAG FORCE GX」復活の舞台裏に迫る
2026年9月に発表され、大きな話題を集めている「遊戯王 TAG FORCE GX」。東京ゲームショウ2026(TGS2026)の会場にて、本作のディレクターを務める松村氏にインタビューを実施した。企画の経緯からフル3D化の苦労、現代のプレイヤーに向けた調整の裏側までたっぷりと語ってもらった。

――改めて、なぜこのタイミングで本作を制作しようと思われたのか、その経緯や思いをお聞かせいただけますか?
私自身が「GX」や「タッグフォース」を見てプレイして育ってきた世代です。今回改めて「GX」20周年っていうところと、「タッグフォース」シリーズが根強い人気があるっていうのは、私どももしっかり認識しているので、これを機に「GX」のタッグフォースを出そうという風に思いました。
1、2、3とできればまとめたい思いもありましたが、やはりボリュームがかなり大きくなってしまうというところで、3の部分をリメイクする形になりました。
一応、ゲームの中に1、2のストーリーも見られるモードを収録しています。1、2を見たいという声も開発する中で多かったのですが、全部入れ込んでしまうとやはりボリュームが…。なので、ギャラリーという形で今回実装させていただいております。
――「タッグフォース」シリーズの大きな魅力であるキャラクターの多さについてですが、当時楽しめたキャラクターのシナリオは、基本的に今作でも一通り網羅されていると考えてよろしいでしょうか?
基本的には「タッグフォース3」のリメイクではありますので、基本的に当時のものをちゃんと持ってくるようにはしています。
ただ、改めて見直すと「ここは今の時代に合ってないよね」という部分だったり、「今この表現を使うのは避けたほうがいいよね」という部分は調整をかけています。
――キャラクターの魅力自体は、当時の雰囲気がしっかり維持されているということですね。
メインキャラの魅力はそのままに、「タッグフォース」シリーズで根強い人気があるオリジナルキャラクターたちに関しても、今作改めて「キャラ付けを少し調整してより魅力を伝えられるようにしよう」という調整は加えています。
――今作には100名以上のキャラクターが登場するとのことですが、正確な人数と、これだけの大人数を実装するにあたっての苦労などがあればお聞かせください。
キャラに関しては今100名以上というのをお伝えさせていただいておりまして、こちら「タッグフォース3」のものをベースに調整させていただいた形になります。
特に今回フル3D化というところで、当時2Dだった部分をモデリングも含めて起こす部分に関しては、やはり「遊戯王」特有といいますか、独特の髪型をされているキャラが多かったりするので、そこは少し大変ではありました。
ただ、そこがやっぱりお客さんが一番見たい部分というところで、そこは頑張って作っています。


――ボイスの収録についてですが、新規に撮り下ろされたボイスなども用意されているのでしょうか?
基本的にアニメキャラクターたちに関しては当時のボイスを使用させていただく形で、新規収録はありません。
オリジナルキャラクターたちに関しては、当時のものでは少しボイスの数が足りなかったので、オリジナルキャラクターに関してのみ今回新規収録という形で加えています。


――今作のカードゲームのルールがあえて最新のものにせず、リメイク元の当時の仕様に準拠されている点に意図を感じるのですが、どのような狙いがあったのでしょうか?
ルールに限らずというところではあるんですけど、今回はあくまで「タッグフォース3」のリメイクというような形を取らせていただいておりますので、むやみに全て最新化するよりは、当時のままの方が良い部分もあるかと思いますので、カードやルールをバランスを見ながら調整した形になります。
――海外展開も見据えた作品になるかと思いますが、リメイク元をご存知ない海外のファンが、最新の遊戯王のゲームと思って購入した際に、現実のカードゲームとルールが異なる点に対して戸惑いが生じる懸念はありませんでしたか?
検討する中でそういった意見もありましたが、今作の特徴としてタッグデュエルがある部分だったり、オリジナルカードが入っている部分といったように、すでに現行のOCGと違う部分がありましたので、そこを無理に合わせに行くよりは「タッグフォース」独自の環境を作ったほうが、ユーザー的にも楽しんでいただけるだろうという風に考えています。
――禁止・制限カードのレギュレーションにつきましても、過去作の当時のものをそのまま踏襲されている形になるのでしょうか?
少し細かいところは調整しておりまして、具体的なところで言うと、例えばブラック・ローズ・ドラゴンが当時は無制限だったのですが、今回は少しリミットをかけるような形に調整をしています。
追加のカードもあったので、全体を見て「これは少し……」というものは独自に調整をかける形にしています。
――それでは、本作はリメイク版独自の制限環境として構築されているという認識で間違いないでしょうか?
そうですね。あくまでベースにしてるのは「タッグフォース3」当時のものでありつつ、改めて見直すというところと、今作はキャラクターと一緒にPvEを楽しむゲームとしているので、もしかしたらオーバーパワーのものでも、使えなかったらそれはあまり体験的に良くないところがあるので、あえて少し緩めにしてる部分もあります。


――200種類の追加カードをチョイスされた経緯や、その目的についてお聞かせください。
一番は当時、アニメで使われていたもののOCG化されていなかったカードも多々ございまして。アニメのキャラクターとデュエルゲームではあれどそこがつながらなかったので、200枚はそういったものをメインに入れつつ、改めて「こういうのがあった方がいいよね」というのを加えたような形になります。
――少し踏み込んだ質問になってしまうかもしれないのですが、まだOCG化されていないカードなども収録されているのでしょうか?
当時オリジナルカードだったもので、まだOCG化されてないものはそのままオリジナルカードとして入っておりますので、ちょっとこれ踏み込んだ話になっちゃうんですけど、アルカナフォースのレア度を出していくトラップだったりとか、そういったものはそのまままだ入っている感じになります。
――「マスターデュエル」以外の遊戯王のシングルプレイ用タイトルでは、CPUの思考ルーチンに対してモヤモヤを感じるプレイヤーも少なくありませんが、今回のCPUは「タッグフォース3」のものがベースになっているのでしょうか? それとも新規に開発されたのでしょうか?
今回は新しく制作させていただいておりまして、当時色々……あまりちょっと私の口から言えることではないんですけど、多くのネタがあったかなとは思っていまして…。
改めて今の時代に出す上でアップデートしたものを使用させていただいていますが、皆さんかなりデュエリストとしてレベルが高いかなと思いますので、詳しい人からすると「まだ最善手と呼べるかどうか」は状況による部分もあります。
ただ、初心者の方にとってはお手本になるようなCPUの思考になっていると自信を持っています。
――難易度調整として「カジュアルモード」が追加されているとのことですが、具体的にどのような調整が施されているのでしょうか?
カジュアルに関しては、本作で改めて触れていただく方だったり、遊戯王に興味があって入門としてやってみたい方にご用意させていただいているモードです。大きくアドバンテージを稼ぐようなカードを調整しています。
――プレイヤー側の難易度が下がる一方で、タッグを組むパートナーの思考ルーチンもカジュアル側に寄せて調整されるのか、それとも通常モードと同様の挙動になるのか気になります。
今作は色々なキャラとデュエルして、その中でのセリフなどを楽しんでほしいというのがありますので、基本的にはどこのキャラもデュエルをして学んでいってほしいという思いがあり、どのキャラもお手本になるようなCPUの動きを目指して制作しています。

――デュエル中のUIについて、「デュエルリンクス」のようにモンスター召喚時に情報がスマートに表示されるなど、近年のタイトルに近い洗練された演出を感じます。UIデザインにおけるこだわりはありましたか?
今風に遊びやすくというところで、リメイク元からは18年経っていますが、その間も多くのゲームが出て、直近で言うと「デュエルリンクス」「マスターデュエル」が出て、改善を重ねてきている部分があります。
より良くなった部分は本作に受け継いでいこうと、「デュエルリンクス」のいいところと「マスターデュエル」のいいところを搭載しました。
――デュエルやキャラクター以外にも、グラフィックでフィールド上にモンスターがしっかり描写されているのを見て非常に驚きました。ほかに力を入れられたポイントはありますか?
フィールド魔法を発動した時に後ろのデュエル画面が変わるというところは当時からあったものですが、フィールド魔法がお互いに1枚しか発動できないという当時のルールがあったので、そこはしっかり作り直しています。
デュエルとキャラとは別に、モンスターの召喚演出は非常に力を入れて作っています。
――会場の出展動画ではオシリスの召喚演出なども確認できましたが、メインキャラクター以外のモンスターにも専用演出が用意されているのでしょうか?
ここの選定も非常にチーム内で色々議論した部分ではありまして…。基本的にはアニメのエースモンスター中心に用意しています。なので、遊んでいた人には満足いくラインナップにはなってるかなと思います。
――モンスターのエース召喚やフィニッシュ時の攻撃演出が非常にダイナミックになっていますが、開発陣が特にこだわり抜いたイチオシの演出があれば教えてください。
演出はかなりこだわった部分で、多くのゲームでの表現を取り入れてブラッシュアップしてきました。デュエルする上でテンポ感も大事ですし、メリハリよく見せるというのは非常にこだわったポイントです。
個人的には、「究極宝玉神 レインボー・ドラゴン」の召喚演出は非常にこだわりつつ満足のいくものになったかなと思っておりますので、他にも好きな演出はありますが、強いて選ぶならそこがイチオシですね。

――ミニゲームの数々もかなりブラッシュアップされている印象を受けますが、ダンジョンRPG風の要素など、すべて新規に作り直されているのでしょうか? また、過去作のミニゲームはそのまま遊べるのでしょうか?
松村:一部を残しつつ、一部は改めて刷新という表現を取らせていただいておりまして、クイズや定期テストは残しつつ、アドベンチャーのダンジョンは今回改めて作り直したものです。
――今回の出展バージョンでも、ダンジョンのミニゲームは体験可能なのでしょうか?
ダンジョンの方はもう少し歯ごたえと時間がかかるものになっているので、今回の出展からは外しています。自分のパートナーと他2人のメンバーを選んで、ダンジョンに潜って戦うなり逃げるなりして進めていくようなゲームになっています。
ボリュームは、元の「タッグフォース3」にあった「深淵からの訪問者」というものをベースにしているので、釣りなどに比べるとかなりあるかなと思います。当時100階層だったので、それを下げることはないので続報をお楽しみください。



――ギャラリー機能についてですが、1や2のストーリーもそちらから閲覧可能になるとのこと。これは大まかなあらすじが確認できるものになるのか、あるいはキャラクターごとの個別ストーリーまで網羅されているのでしょうか?
基本的にはなるべく多く入れたいという思いで入れておりますが、容量や全体のボリュームの関係で調整はかけさせていただいております。
――テキストやキャラクター同士の会話、当時のムービーなどを通じて1や2の物語を振り返る形式になるのでしょうか?
シナリオの中でキャンプで喋ったり、キャラが会話している場面があったと思いますが、あのフォーマットで当時のストーリーを再現しているような形になります。
――作中にボイスが実装されていたパートについては、ギャラリーモード内でも当時のボイスをそのまま聴くことができるのでしょうか?
ギャラリーを改めて作り直した部分もございますので、ストーリーごとに全体に調整をかけている部分に合わせて選択しているような形になります。
――当時のエンディングスチルは1枚絵が主流でしたが、今作では個別キャラクターのエンディングスチルも動くような演出に刷新されているのでしょうか?
基本的に個別のスチルの部分に関しては、過去のものをベースに今回も動かすような形にはしておりますので、そこは発売してからのお楽しみということで。

――オンライン対戦機能についてもお伺いしたいのですが、タッグデュエルでの対戦をはじめ、チャット、スタンプ、ロビー機能などの現状の実装状況はいかがでしょうか?
オンライン機能に関しては、ルームマッチとフリーマッチの2つを用意しています。
ルームマッチの方では、タッグデュエルでオンライン対戦ができます。厳密に言うと、ルームマッチの場合は4人同時にタッグを組んで2対2のオンライン対戦ができますが、フリーマッチに関しては基本的にはプレイヤー1人とタッグパートナーがCPUのような形でオンライン対戦ができます。
対戦中のチャット機能みたいなものは、特に今作はございません。マッチングについては、海外を含めてのフリーなマッチングになる予定となっています。
――ルームマッチにおいて、禁止・制限カードのレギュレーション変更(制限なしルールなど)をプレイヤー自身でカスタム設定することは可能でしょうか?
ルームマッチですと、見知った仲間でやりたいということもあると思いますので、時間制限などいくつか設定できる項目は用意しています。
――「GX」の展開を皮切りに、今後の展開を期待するファンも多いかと思いますが、今後の展望について差し支えない範囲でお聞かせください。
明確にあるとは言えないですし、分からないというのが正直なところではありますが、本作も根強いニーズがあり、「GX」20周年の契機もあり、作らせていただいたので、まずこの作品を皆さんに届けることを重視して今回制作させていただきました。
引き続きお客さんの反響を見ながら、今後の遊戯王の展開は検討していきたいと思っています。
――ありがとうございました。


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