王殺しの濡れ衣を着せられた孤独な戦士の物語―Xbox 360「ウィッチャー2」ゲーム内容をまとめてチェック！

「ウィッチャー」シリーズとは

前作「ウィッチャー」はPC版として発売され、世界で約210万本以上のセールスを記録した正統派ダークファンタジーRPG。ウィッチャーであるゲラルトが、反乱軍を鎮圧し、テメリア王国の王の命を救うまでの激闘を描いた前作は、ign.com 2007年ベストオブE3、GameSpot 2007年E3エディターズチョイスなど100を越える賞を受賞。

続編となる「The Witcher 2： Assassins of Kings（PC版）」は2011年5月11日に海外で発売されるや、その壮大なストーリーの他に、高いアクション性と戦略性を併せ持つ戦闘システムなどが非常に高く評価。2012年4月17日に発売されたXbox360版「The Witcher 2： Assassins of Kings」のMetaScoreは88Point（2012/5/11現在）、発売から1年が経過したPC版も88Pointをキープしているのだ。

世界に生きるウィッチャーという存在

この世界には、モンスターと戦うために厳しい訓練を積んだ「ウィッチャー」と呼ばれる者達がいた。彼らは門外不出の変異原を用い自己の身体を変異させることで、並外れた反射神経とウィルスに対する免疫、闇夜の中でも見通せる眼、そして永い寿命を得ている。しかし変異の段階で半数以上のウィッチャー候補は死亡し、変異の代償として生殖能力が失われている。

ウィッチャーはその驚異的な戦闘能力ゆえ、人々から必要とされる一方、「変異体」として差別対象となっている。「人間」と「非人間族（エルフ、ドワーフ等）」が繰り返し激しく対立するこの世界において、「変異体」であるウィッチャーはそのどちらにも属さず、そして属せない孤独な存在なのである。

近年においてウィッチャーは過去の遺物となりつつあり、その数は非常に少なくなっているが、その並外れた戦闘能力を覇権争いに利用しようと目を付けた権力者らにより重宝されている。

ストーリー

戦後復興により、その勢力を持ち直したテメリア王国。
繰り返される内乱により、王国内の混乱は今もなお続いていた。

謎多き男、ゲラルト――。
その外見的特徴から＜白狼＞（ホワイトウルフ）とも呼ばれているその男の類稀なる戦闘能力は、彼が秘術と突然変異原により身体強化された「ウィッチャー」であることを証明している。

護衛として幾多の危機から国王フォルテストの命を救ったゲラルトであったが、黒き影は彼等のすぐ近くまで、忍び寄っていた。
その影に突き動かされ、ゲラルトの運命の歯車が動き始める――。

登場キャラクター

ゲラルド

度重なる変異を生き抜き、剣術と魔法の厳しい訓練を経て、並外れた戦闘能力を得た「伝説の白狼」の異名を持つウィッチャー。王殺しの濡れ衣を着せられた彼は、自らを嵌めた暗殺者の正体を探るため、旅立ちを決意する

王殺し

すべてが謎に包まれた暗殺者。ゲラルトが護衛するフォルテスト王だけでなく、北方諸国の王を次々と殺害してまわっているのだが、その目的とは？ゲラルトとは面識があり、これからも行く先々で対峙することになる。

トリス・メリゴールド

ゲラルトの最も親しい友の一人であり、若く才能ある美しい女魔術師。聡明で誠実な彼女は、ゲラルトと共に戦ってきた仲間でもあるが、それ以上に親密な関係であることは、誰にでも見てとれるほどである。

ヴァーノン・ロッシュ

王国の敵を抹殺する特務隊「刺青隊」の指揮官。冷静沈着な戦術家で、特に非人間族の鎮圧に功があったが、そのやり方は残虐とも言える程で敵も多い。悪名高いイオルヴェスを追っているが、未だ捕らえられていない。

イオルヴェス

非人間族のゲリラ部隊を統率するエルフ族の戦士。非人間族を差別する人間に対し激しい憎悪をいただいており、自由のための戦いと称して数々の悪事を働き、民から恐れられている。王殺しとも繋がりがあるようだが…。

幾多にも広がるストーリーと複数のエンディング

本作の物語は、プレイヤーの選択により幾多にも広がり、最終的にマルチエンディングを迎えるのだが、物語の分岐は大きく2つの方向性に分類できる。

プレイヤーがイオルヴェスの勢力に付いた場合と、ヴァーノン・ロッシュに味方した場合だ。

ここでは本作の大きな魅力である物語をダイジェストで紹介しつつ、「イオルヴェス編」と「ヴァーノン・ロッシュ編」の違いにも触れていく。

イオルヴェスに味方した場合

非人間族の解放を目指す革命軍「スコイア＝テル」を率いるイオルヴェス。彼に味方することは皮肉にも「刺青隊」および人間たちを刺激する結果を招いてしまう。イオルヴェスと共に囚われた仲間たちを解放した先に待つ「謎の霧」、そして陰謀の正体とは？
イオルヴェス編では、非人間族の視点で物語が進展する。

ヴァーノン・ロッシュに味方した場合

国王直属の特務部隊「刺青隊」を率いるロッシュ。王殺しを追って先を急ぎたいロッシュとゲラルトであったが、ケイドウェンを統治するヘンセルト王が受けた呪いによって彼らも足止めを食ってしまう。王殺しの目的、そしてその正体とは？
ヴァーノン編では人間族の視点で物語が進展。また呪いの霧「幽鬼の霧」に包まれたある街を、呪いから解くエピソードはヴァーノン編でしか発生しないのだが、それはある恐ろしい過去の出来事が発端となっていた。

アクション性の高い戦闘システムと奥深い成長要素

敵の攻撃を弾きカウンターを狙う剣術バトルと、ボスモンスター等との戦闘で発動するQTE（クイックタイムイベント）は、まるでアクションゲームのように奥深く爽快に繰り広げられる。

また成長要素、術、武器防具は豊富に用意され、プレイヤーキャラクターの特殊能力を「変化」させていくことで能力をより細かくカスタマイズできるそのゲームシステムは、非常に洗練されている。

特筆すべきはバトルだけではない。幾多の戦いを通して徐々に変わりゆく人間関係はゲーム進行に影響を与え、そのストーリーとエンディングはプレイヤーの行動によりマルチに変化。

40時間を越える圧倒的なボリュームかつ壮大な正統派ダークファンタジーの世界に酔いしれろ。

剣術とカウンター、印を駆使して敵を撃て！

アクションゲームのように奥深く爽快に繰り広げられる本作のバトル。剣術バトルを基本に、ボスモンスター等との戦闘で発動する爽快なQTE（クイックタイムイベント）や、ウィッチャー特有の「印」と呼ばれる呪文を駆使し、敵を殲滅するのだ。

イグニの印

ほとばしる炎で敵にダメージを与える。アップグレードすると、敵を炎上させることが可能になり、効果範囲も広がる。

アクスィーの印

敵を魅了する印。魅了された敵は短時間だけゲラルトの味方になり、彼に加勢して戦うようになる。

アードの印

念動波で敵を弾き飛ばしたり、叩き伏せたり、もうろう状態にできる。崩れかけた壁など障害物の破壊にも使える。

イャーデンの印

罠を仕掛け、敵を負傷させたり動けなくすることができる。アップグレードにより最大3つの印を仕掛けることが可能。

錬金術を使い戦いの準備を仕様

霊薬やオイル、爆薬の作り方を習得し、戦闘に備えるのは、ウィッチャーにとって非常に重要なことである。錬金術で調合したこれらのアイテムを巧みに用いれば、幾度となくピンチを挽回できることだろう。

ダメージや回復力、クリティカル効果の発生確率を高めてくれる錬金術の知識は、ウィッチャーにとって欠かせないものなのである。錬金術に使用する物質は、探索中や戦闘で倒した敵から入手可能だ。

霊薬

戦闘前に飲むことで、ゲラルトの力が一時的に高まる。元になる薬剤（アルコール等）に薬草やモンスターの体の一部を加えて作られる霊薬は、特定の力が強化されるが、その一方で毒に犯されるなどの副作用もあるのだ。

オイル

戦いが始まる前に剣に塗ることで効果を発揮する。これにより、特定の敵に対するダメージが増えたり、クリティカル効果の発生確率が向上したりする。副作用はないので安心して使えるだろう。

爆薬

投げて使用することで、敵の不意を打つ、もうろう状態にする、炎上させる、パニックを起こさせるなどの効果が期待できる。敵が多くいる場合等、絶妙なタイミングでの爆薬の仕様は不利な立場を逆転させるのに効果を発揮する。

キャラクターの成長について

敵を倒したりクエストを達成すると、経験値が手に入り、ゲラルトのレベルが上昇する。その際に与えられる「才能ポイント」を4種類の成長ルートに費やすことで、ゲラルトの能力をプレイヤーの好みに応じて特徴付けることができ、さらには新しい技能を習得することが可能になる。

ここでは成長ルートの4つの方向性を紹介。ゲラルトをどのように育て上げるかは、プレイヤー次第だ。

訓練

基本となる成長ルート。他の成長ルートを選ぶには、このルートの能力に才能ポイントを6ポイント以上費やす必要がある。上は成長ルート画面。一度学んだ能力は忘れることができないので、才能ポイントの使い方には注意が必要だ。

能力例：気力回復、ガード、短剣投げなど

剣士

このルートを伸ばすと、優れた剣士へと成長していく。クリティカル効果の発生確率が向上したり、カウンター攻撃や大規模必殺技なども習得できる。正面きっての力勝負を中心としたシンプルな戦いを好むプレイヤー向き。

能力例：カウンター、急所攻撃、旋風斬など

錬金術師

錬金術の専門家を目指すルート。結果として調合に塾達し、それにより調合品の持続時間が伸び、敵に与えるダメージも増える。狂戦士モードも習得できるこのルートは、頭を使って戦うことを好むプレイヤーに向いていると言える。

能力例：専門：霊薬、耐毒、狂戦士など

魔術師

印の効果が強化され、ダメージがより増加するなど、印に磨きがかかるルート。時空を歪める恐るべき印「ヘリオトロープの印」を習得できるのもこのルート。接近戦闘と遠距離戦闘のバランスを取りたいプレイヤーに向いている。

能力例：魔法増大、結界強化、竜脈など

巨大なボスに打ち勝ち、己の運命を切り拓け！

Xbox 360「ウィッチャー2」開発スタッフによるプレゼンテーション記事はこちら