千葉・幕張メッセにて9月20日より開催中の東京ゲームショウ2018。セガブースで9月20日に行われた「JUDGE EYES:死神の遺言」のステージをレポートする。

アーティスト・俳優の木村拓哉さんが主演ということで、大きな話題となっている「JUDGE EYES:死神の遺言」。今回のステージでは、本作の総合監督を務める名越稔洋氏と龍が如くスタジオの熱烈なファンだというミュージシャンのMCUさんをゲストに迎え、この話題作が生まれた経緯や注目のポイントなどが紹介された。

総合監督の名越稔洋(左)とKICK THE CAN CREWのMCUさん(右)

まず、本作「JUDGE EYES」が作られることとなったきっかけについて聞かれた名越氏は、「龍が如く」シリーズを積み重ねることで得てきたさまざまな経験を「龍が如く」だけで終わらせてしまうのはもったいないという考えがあったと回答。「龍が如く」シリーズとは根本から違うものを作りたいという欲求もあり、この作品を作ることになったと語った。

本作のジャンルはサスペンスで、謎が謎を呼ぶ刺激的な展開が多くなるという。名越氏はミステリーものの小説や映画が好きで、最近はコストをかけた本格的な謎解きゲームが少なくなっているという思いがあったとコメント。さらに、自分たちはドラマ作りには自信があるという自負もあり、「スマホゲームもいいですけど、腰を据えて楽しむゲームも提案したいというコンセプトで作りました」と開発にいたった経緯を明かした。

発表後の反響はやはりすごかったようで、Youtubeで公開中のPVは6日で再生数100万を突破。通常は早くても1カ月はかかるそうで「この人(木村拓哉さん)のパワーは半端じゃない!」と改めて木村さんの影響力の大きさを思い知ったとのことだ。

早くも話題騒然の本作だが、リーガルサスペンスは初めての経験ということもあって、大変だったと名越氏は言う。特に難しかったのが実際の法律とのすり合わせだ。今回はリーガルものであるため法律方面の監修に入ってもらったというが、やはりツッコミどころ満載で「こんな期間で判決は出ませんよ」、「法廷はこんな進行の仕方はしません」など、さまざまな指摘を受けたそうだ。ドラマの面白さをキープしながら、こうした指摘に応えていくのはかなりキツかったというが、それだけにリアルなドラマになっていると名越氏は胸を張った。

このように「龍が如く」シリーズとはまったく異なるコンセプトの作品だが「熱いドラマを作りたい」という思いはこれまでと同じで「映画とかでも見終わったあと、いろいろ影響を受けていると思いますが、ゲームは自分でプレイする分、そうしたエモーショナルな気持ちを揺さぶる部分において映画やドラマにはない強さを持っていると思うんです」と、ゲームならではの強みを強調。「『龍が如く』もそうでしたが、明日から頑張って生きていこうと思えるような作品を作り上げていきたいですし、そうした気持ちにさせる方法を『龍が如く』とは違う角度から探りながら作りました」と熱い口調で語った。

そして、話題は主役の八神隆之を演じる木村拓哉さんに。名越氏によると、やはり最初は「できればすごいけど、でもね……」というレベルで、そもそもはオリジナルキャラクターを想定していたのだという。たまたま紹介されて木村さんにお会いする機会ができたときも、ミーハー気分の方が大きかったというが、実際に会ってみて意気投合。そこからいきなりではないが、今回のオファーへと繋がっていったと振り返った。とはいえ、実現にこじつけるまでは簡単ではなかったようで、名越氏は「頑張ってできました」とサラリと述べるのみだったが、その裏にはいろいろなハードルがあったことをうかがわせた。

MCUさんは木村さんがゲーム中で「ちょ、待てよ」というセリフがあるか楽しみとのこと。

かくして、木村さんが主演することとなったが、名越氏は多少の懸念もあったと明かす。というのもゲームは映画やドラマよりもセリフの尺が長い。特に、今回は法律用語が多いため早口言葉のようなセリフになっていることが多く、そうした場合、プロの声優さんでも棒読みっぽくなってしまいがちなのだという。しかし、木村さんはおなじみの木村拓哉節全開でしっかりと演じ切ってくれたそうで、「(台本を)読み込んでいるんでしょう、忙しい方なのにね」と名越氏は感心することしきりだった。

木村拓哉さんが演じる八神隆之についても名越氏は言及。八神は優秀な弁護士だったが裁判で無罪を勝ち取った元被告が別の殺人事件の容疑者となったことから、弁護士という仕事に疑念を抱き弁護士事務所を辞職。無頼の探偵となったが、弁護士にも未練を感じているという複雑な過去を持つキャラクターだ。外見は木村さんそのままで、ゲストのMCUさんは再現度が100パーセントを超えていると絶賛だったが、木村さんは国民的人気俳優だけにファンの人もそうでない人もみんな知っていて、脳内で実物とすぐに比較できてしまう。見る人みんなが「木村拓哉さんはこんな顔をしていて、こういう人」という基準を持っている方だけに非常に難しかったと名越氏は振り返った。

ちなみに、ここではお見せできないが、会場では木村さんが実際にアテレコしているところなども見ることができた。モーションキャプチャーの機材の説明を受けて興味津々の表情を見せたり、スタッフとふざけ合ったりするなど開発陣との息もバッチリのようで、本作にかける木村さんの意気込みがうかがえた。

もちろん、本作には木村拓哉さん以外にもさまざまな有名俳優が登場。これら豪華俳優陣や彼らが演じるキャラクターの紹介も行われた。

まず、中尾彬さん演じる源田龍造。かつて八神が在籍していた弁護士事務所の所長で、八神の育ての親のような存在であるという。名越氏は中尾彬さんと仕事をしてみたい常々思っていたそうで、ベテランならではの演技力に感銘を受けたとのこと。ゲームの出演は今回が初めてで、ベテラン俳優の中には「ゲームってどうなの」という人もいたりするというが、中尾さんは好奇心旺盛で、そうしたスタンスにも名越氏は感心していた。

谷原章介さん演じる黒岩満は神室署でも抜群の検挙率を誇る敏腕エリート刑事。名越氏によると、谷原さんはけっこうゲームが好きで、オファー自体はスムーズに進んだとのことだ。黒岩は女性にも人気の二枚目キャラクターなので、スマートな谷原さんにピッタリの役といえるだろう。ただ、谷原さんは三枚目もできる幅の広い俳優さんで、黒岩もそうした谷原さんの魅力が生きるキャラクターになっているそうだ。

ピエール瀧さん演じる羽村京平はバリバリの極道者。名越氏いわく「バッチリのキャスティング」とのことで、いい意味、悪い意味両方含めてひとクセもふたクセもあるキャラクターになっているとご満悦の様子。MCUさんも「画面越しでも怖い」とミュージシャンとしても大先輩であるピエールさんを褒め称えていた。

滝藤賢一さん演じる綾部和也は汚職や賄賂に手を染めている悪徳警官。もうひとりの刑事・黒岩と好対照をなすキャラクターで、「クセのある演技の中にもリアリティがある」という滝藤さんの演技ともあいまって面白い人物になっているそうだ。

さらに、ゲストであるMCUさんも本作に出演していることが明らかに。レトロゲーム店の店長という役どころで、ステージでは木村さん演じる八神に殴られているシーンが公開。ビビって逃げようとするところが奥さんに好評だったと笑った。また、レトロゲームが置いてあるゲームセンターの店長役ということで、「どんな筐体を置いているのか楽しみ」とコメント。ちなみに、MCUさんは名越氏に初めて会ったとき「スペースハリアー」のTシャツに「ソニック・ザ、ヘッジホッグ」のスニーカーという出で立ちだったそうで、レトロゲームにもけっこう造詣が深いようだ。

まもなく公開予定という約15秒のテレビCMも公開。今回も名越氏がディレクターを務めたそうだが、「毎回つらいんですよ」と悩みを吐露。いろいろ見せたいのに15秒しかなく、さらに商品情報も入れなければならず、「1秒の重さをすごい感じます」と、その難しさを改めて語った。

最後にゲストのMCUさんは「楽しみでしょうがないですよね。また寝れない日々が続くと思うと。ガンガン期待して待っています」とメッセージ。なお、本作のステージは一般日である22、23日にも行われる。「今日以外の情報も出していきますので、ぜひこちらにもご注目ください」(名越氏)とのことで、新規映像満載のロングバージョンのPVなども見られるので、気になる人はぜひセガゲームスのブースに行ってみてほしい。

JUDGE EYES:死神の遺言

セガゲームス

PS4パッケージ

  • 発売日:2018年12月13日
  • 17歳以上対象
JUDGE EYES:死神の遺言

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  • 発売日:2018年12月13日
  • 17歳以上対象

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