声優の岩澤俊樹さんによる連載コラム「岩澤俊樹のゲーム1フレ勝負」。第16回は、スクウェア・エニックスより発売中のNintendo Switch用ソフト「すばらしきこのせかい -Final Remix-」をプレイします。

皆様こんにちは! 岩澤俊樹です!
早いものでもう11月、先月また一つ歳をとりました。おめでとう自分。
ということは、そろそろ年末年始のリリースラッシュの足音が聞こえてくる頃ですね。みなさん、時間と身体と財布のご準備は出来ていますか? 僕は出来ていません(笑)。流石に同時進行というわけにはいきませんが、出来る限りプレイしていきたいと思っています。
その中でも、特に注目しているのが「キングダム ハーツIII」。約13年ぶりとなるナンバリングタイトル。世界中のファンが期待していることでしょう。もちろん自分もその一人。このコラムの第1回目でも「キングダム ハーツ HD 2.8 ファイナルチャプター プロローグ」を紹介させていただきました(未読の方は是非)。
ずっと発売を楽しみにしていたんですよ…。なのでリリース日が発表されたときは、何とも表現しがたい喜びが湧き上がってきたのを覚えています。
しかし、こんなにも長く待っていたにも関わらず発売日が決まったとたんに急に待ちきれなくなる感じ、わかる方いらっしゃいませんか(笑)。
ゲームショウでも長蛇の列で残念ながらプレイ出来なかったので、早くやりたい欲がどんどん高まってきています。きっと自分と同じ境遇の方、沢山いるのではないでしょうか? きっと、いるはず!
今回ご紹介するのは、そんな方々にお勧めしたいこのタイトル!
「すばらしきこのせかい -Final Remix-」とは?
2007年に発売された「すばらしきこのせかい」が11年の時を経て、Nintendo Switchに登場。オリジナル版の雰囲気はそのままに、HD対応によりグラフィックは高精細に、BGM・SE・Voiceは高音質なサウンドに進化している。
操作は従来のタッチ操作に加えて、Nintendo SwitchのJoy-Con操作やおすそわけプレイにも対応し、新たなスタイルでバトルを楽しめる。
さらに本作では、新曲やリアレンジ曲、今まで語られることのなかった新たなシナリオを追加し、物語の核心へと迫る。
作風はかなり違いますが、メインキャラクターデザインは同じ野村哲也さんです。「キングダム ハーツ」とはまた違った魅力満載の「すばらしきこのせかい」。さっそくご紹介していきたいと思います!
すばらしきせかいかん
いざ!プレイ!と、その前に僕が何故「すばらしきこのせかい」をプレイするにいたったのか?少し昔話にお付き合い頂ければと。
時を遡ること13年、僕は衝撃を受けたんですよ。「ファイナルファンタジー VII アドベントチルドレン」に。もともと「ファイナルファンタジーVII」が大好きで、その昔夢中でプレイしていました(マスター召喚のマテリアを3つ作るくらいに)。そんな大好きな「ファイナルファンタジーVII」が映像作品になるということで、発売をとても楽しみにしていました。
そしていざ購入。初見。走る衝撃…。映像美、ストーリー、キャラクター、音楽、その全てに魅せられました。この瞬間でしたね、野村哲也さんの描くせかいかんにどっぷりハマったのは。それを切っ掛けに「キングダム ハーツ」シリーズをプレイするようになり、やっぱりまた、どっぷりハマりましたね(笑)。その後リリースされたものはほぼプレイしました。
そして時は過ぎ、11年前。そんな僕にとって神様のような方々が、「完全新作を作る」なんて情報を知ったら買うしかないですよ。しかも、今までファンタジーを作ってきた人たちが突然、「渋谷」が舞台のゲームを作るって…。最初は「え?し…渋谷!?」と戸惑いもありましたが、それと同時に興味も深まっていきました。
この様な経緯でプレイすることになったわけです。そして実際にプレイしてみて、最初の戸惑いはどこへやら、やっぱりどっぷりハマりました。「これはこれで、アリだな…。」と。
そんな僕の青春(格闘ゲームも青春です)と言っても過言ではない作品達のうちの1つ「すばらしきこのせかい」。かなり前置きが長くなってしまいましたが、改めてプレイしていきたいと思います!
すばらしきしんか
ソフトをハードに入れ起動、その瞬間懐かしい記憶が蘇ってくるとともに、「全然違う」というのが一瞬で伝わってきました。
作品の雰囲気は全く変わっていないのに、グラフィック、サウンドともにかなり進化していて驚きました。自分の中では「移植とリメイクの間」という位置づけで、実際にプレイしてみてその表現がしっくりくるなと思いました。
そして何より、携帯機のニンテンドーDSから、最新のNintendo Switchになったことで、テレビで出来るようになったのが個人的に1番嬉しいポイントですね。是非、高画質テレビと高音質スピーカーでプレイして、その進化を体感してほしいです!
その進化を体感するにあたって、自分のように既にプレイ済みの方々が1番気がかりなのが「操作性」だと思うんですよ。そんな気になるプレイフィールレポートの前に、未プレイの方にこのゲームがどんなものなのか簡単にご説明致します。
まずジャンルは「アクションRPG」。舞台は「シブヤ」。とあることがきっかけで「死神のゲーム」に巻き込まれた主人公「桜庭 音操」(サクラバ ネク)。
それと同時に目覚めた力「サイキック」を操り「パートナー」達と共に生き抜き、そして「死神のゲーム」の謎に迫っていく。
というのが簡単な概要です。ストーリーもホント良いんですよ…ネタバレできないのでここで多くは語れませんが…。始めはとことん人を信用せず、関わろうとしないネク。しかし行動を共にしていくうちに、パートナーたちと気づいていく絆…。いやぁ、まさかあんな結末が待っていようとは…!おっといけない、話を戻しましょう。
ニンテンドーDS版の時はハードの特性「ダブルスクリーン」、そしてタッチ操作を活かした軽快なバトルが特徴でした。「サイキック」は力が封じ込められている「バッジ」を装備することで使えるようになます。
炎、氷、雷を操ったり、エネルギー弾を飛ばしたり、オブジェクトを敵にぶつけたりと能力は様々。その操作は「タッチ」「フリック」だけでなく、本体内蔵のマイクを使った音声を使った攻撃なども存在しました。音声はマイクを吹くことでも代用可能なのですが、困ったことにこれが非常に強力なバッジだったため移動の電車でプレイしていた時に、周りに悟られないようにそーっとDSに息を吹きかけていたのはいい思い出(笑)。
それが、「Joy-Conモード」ではどうなっているのか?タッチペンでの軽快な操作は再現出来ているのか。実際自分もそこが一番知りたい部分でした。
結論から言うと、「慣れれば全く違和感なくプレイ出来る」というのが個人的な感想です。もともとタッチペンと十字キーしか使わないシンプル操作だったこともあり、Joy-Con操作になっても使うボタンは実質2つ。タッチの代わりにアイコンを操作して移動や攻撃を行います。
実際にプレイしてみて、最初は戸惑いましたが次第に慣れてきて、数分遊んだだけでもう自然に操作できるようになっていました。もし、どうしても操作になれなかったら「タッチモード」をお勧めします。こちらはNintendo Switchの画面を直接タッチして操作できるので、DS版に慣れている人はこちらでプレイするのもありです。お好みで選びましょう。
そしてもう一つ気になるポイント、「パートナー」。DSのときは主人公「ネク」は下画面でタッチ操作、パートナーは上画面で十字キーで操作していました。これが慣れるまで結構大変だったんですよ(笑)。パートナー毎に操作も違ったので…。
それが今作では「ネクの攻撃の延長上」でパートナー攻撃が出せるようになっているので、簡単操作で連携攻撃を繰り出すことが出来ます。
簡単にご説明しますと、例えばパートナーの一人「美咲 四季」(ミサキ シキ)。
彼女の攻撃方法は「敵をタップする」というものなので、ネクにも「敵をタップする」という攻撃方法のバッジを装備させておけば「敵をタップ」するだけで連携攻撃をしかけることが出来るのです!
前作ではパートナーの操作をオートにすることも出来たのですが、強敵に挑むときには連携が必須だったので最終的にはプレイヤーが操作することになります。これが結構難しかったんですよ…。しかしその操作をシンプルにしたことで、初めての方はもちろん、経験者でも遊びやすくなっているなぁと感心しました。
しかも、すばらしきしんかはそれだけではないのです。Joy-Conでの「おすそ分けバトル」に対応。パートナーをプレイヤーに操作してもらうことが出来るようになったのです!
ストーリーが進むにつれ、戦いは険しくなっていきます。時には多勢に無勢になることも。戦闘中、敵の数や位置、バッジのゲージなど気を配るところが沢山あります。そんな時、パートナーを操作してもらえると、とても助かるんです(笑)。
試しに友人と一緒にプレイしてみました。2人で「すばらしきこのせかい」をプレイするこの自体新鮮で楽しかったのですが、やはりバトルが格段に快適でしたね。
画像右下がパートナーのバッジです。3種類の攻撃を使い分けることが出来ます。これが強力。もし、「敵が強くてストーリーが進められない!」というときは、レベルを上げるのも良いですが、友人と一緒に「おすそ分けバトル」、試してみてはいかがでしょう!?
他にも、高難易度の新規シナリオ「A NEW DAY」が収録されていたり、新バッジが追加されていたりと、プレイ済の方でも新鮮な気持ちで遊べる要素満載です。
是非、「すばらしきしんか」を体感してみて下さい!
いかがでしたでしょうか?
昨今、リメイクや移植作品が多数リリースされています。前回のコラムでも書きましたが、過去の名作たちが現代技術で蘇るというのは自分としては非常に嬉しいことです。
しかしこの作品は「良いところはそのままに。進化させるところはさせる」という位置づけ。フルリメイクでもなければベタ移植でもHDリマスターでもない、このジャンルに誰か名前を付けてください(笑)。えーと…セミ…リメイク?(仮)。あらたな可能性を感じました。こういう形で作り直すのも面白いですね!
特に推したい新要素は「おすそ分けバトル」。初めての人同士で一緒にストーリーを楽しむもよし、熟練プレイヤー同士で強敵に挑むもよし、自分なりのプレイスタイルで遊んでみて下さい!(もちろん一人でも楽しいですよ!)
普段全く渋谷に行かない僕が、所謂「聖地巡り」に足を運んでしまうほどハマった作品。11年経った今遊んでも楽しかったです。懐かしさもありつつ、新鮮な気持ちでもプレイ出来ました。しかしまだ「あの人」を倒せてないので今度こそは…勝ちたいです!と、いうわけで僕はそろそろ「シブヤ」に戻るとします。
「キングダム ハーツ」に並ぶ名作「すばらしきこのせかい」、お勧めです!
岩澤俊樹さんプロフィール

アイムエンタープライズ所属
生月日:10月17日
趣味:ゲーム、音楽鑑賞、散歩
主な出演作品:【TVアニメ】ようこそ実力至上主義の教室へ(高円寺六助) 、問題児たちが異世界から来るそうですよ?(ヴェーザー)、【吹き替え】謀りの後宮(李重俊)、【ゲーム】GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-(ダレル)、ファンタシースターオンライン2 es(ダンテ、セイメイキカミ)など。「GUILTY GEAR Xrd REV 2 -BATTLE MANIA-」でMCとしても活躍。