自称「ゲームソムリエ」の津久井箇人 a.k.a. そそそが、オススメのダウンロードゲームを紹介する連載企画「そそそのダウンロードゲームれこめんど」。第2回は英国MakinGames開発、Team17から発売中のNintendo Switch用ダウンロードゲーム「Raging Justice」を紹介!

目次
  1. 「Raging Justice」ってどんなゲーム?
  2. いまって2019年だよね?
  3. 気になったところ
  4. 総評:こんなベルトスクロールアクションの新作を2019年に遊ばせてくれる喜び
  5. こんな人にオススメ!
  6. プロフィール

Gamerをご覧の皆さん、こんにちは。ネット界隈で「そそそ」と呼ばれているゲーム大好き音楽クリエイターの津久井箇人です。“どんな人にハマるゲームか”を実際にプレイしてお伝えしていくゲームプレイレポート【そそそのダウンロードゲームれこめんど】略して【そそれこ】の時間がやってまいりました。

日々進化し続けるビデオゲーム。筆者は物心付いた頃から自身の成長とともにゲームの進化を目の当たりにし、そのままオジサンになってしまったわけですが、その時代時代のゲームから感銘を受けたのは筆者のようなプレイヤーだけではありません。今、最前線でゲームを作っているクリエイターたちもまた、我々と同じようにたくさんのゲームから感銘を受けています。

特に海外では、日本の名作ゲームをリスペクトした作品が数多く作られています。悪意を含めると「パクり」となってしまうわけですが、それとは異なる「作品愛」が溢れ出ているゲームたち。今回【そそれこ】で取り上げるゲームも、そんな「作品愛」が溢れ出まくっているタイトルです。

「Raging Justice」ってどんなゲーム?

まるで「午後のロードショー」のような絶妙な日本語題字が熱い

今回プレイする「Raging Justice」は、1980年代から1990年代にかけてゲームセンターを中心に一世を風靡したベルトスクロールアクションゲームに強い影響受けて誕生した新作ゲームです。本作を開発した英国のゲームスタジオMakinGamesは、「ベア・ナックル」や「ファイナルファイト」に夢中になった少年時代の思い出を大切にしながら本作の開発に臨んだとのこと。販売はTeam17が担当しています。

「ベルトスクロールアクション」は、画面内に現れる一定数の敵を倒すことで現れる「GO!」マークに導かれながらステージを少しずつ進んでいき、最後に待ち構えているボスを倒すというシンプルなアクションゲームです。多人数を一気に相手にする場面が多く、いかに喰らうダメージを少なくしながら、次の画面へと「スクロール」させ、ボスへと辿り着くか。緊張感と爽快感を同時に味わうようなゲーム性がやみつきになります。

同ジャンルは、個人的には「メトロイドヴァニア」(「メトロイド」や「悪魔城ドラキュラ」のように探索とギミックによる謎解き要素が強い横スクロールアクションゲーム)と同じく、近年再評価されているジャンルのひとつだと感じています。昨年はセガゲームス公認の「ベアナックル4」が発表されたり、往年の名作をたっぷり詰め込んだ「カプコン ベルトアクション コレクション」が発売されたりもしました。

そんな中で発売された本作は「暴力と犯罪にまみれた街」を舞台にしているといった「お約束」を踏襲するなど、全盛期の同ジャンルへのリスペクトを強く感じるものとなっています。

いまって2019年だよね?

アーケードゲームっぽい難易度

4段階から選べる難易度ですが「NORMAL」でもかなり歯応えがあると感じます。しかし、ベルトスクロールアクションはアーケードゲームを発祥とするタイトルが多く、個人的にはこれぐらいの難易度がしっくり。アーケードゲームを家庭用ゲームに移植したタイトルをプレイしているような感覚に陥りました。

難易度を上げた場合は、敵はよりタフに、被ダメージはより大きくなります。逆にもっとも簡単な「CASUAL」にした場合は、基本の連続攻撃だけで敵が倒せるぐらいのバランスになり、爽快感はアップします。自分の腕に合わせて難易度を選んでほしいところですが、1980年代から1990年代にかけて同ジャンルに熱中した人は、ぜひ「NORMAL」以上の難易度で一度ボコボコにされてほしいです(笑)。「そうそう!これこれ!」と納得のコンティニューをしてしまうこと間違いなしですよ!

個性あふれる3人の刑事がプレイアブルキャラクター

異なる格闘スタイルの3人キャラクターから好みのキャラクターを選んでプレイ開始。使いやすさは人それぞれなので、プレイしてしっくり来ない場合はキャラを変更してみましょう。

泥臭くて味のあるオープニングムービーを見たらゲームスタート。最初は親切に操作方法を説明するチュートリアルが表示されるので、初見でもサクサクプレイできます。このあたりの親切さは現代のゲームのいいとこ取りです。

武器を上手く駆使する戦いは新鮮味&爽快感あり

パンチ・キック・掴みと、基本の攻撃は3種類(体力を消費して放つ必殺技もあり)ですが、本作の特徴は拾って使える武器(になるもの)がかなり強力である点にあります。「ナイフ」や「バット」といったお決まりの武器はもちろん、「斧」や「剣」といったより直接的な「武器らしい武器」、さらには「乗り物」までもが「使える武器」として登場します。

各武器には耐久力があるので、武器で攻撃する相手選びも重要。硬い敵を削るか、鬱陶しい周囲の雑魚を一掃するか、使い所はプレイヤー次第。このちょっとした戦略性がゲームに新鮮味と爽快感を与えていると感じました。

「逮捕する」という独特の要素

本作のプレイアブルキャラクターたちは、むちゃくちゃをやりつつも一応刑事なので、スタン状態(ピヨった状態)の敵を逮捕することが可能です。とは言え、いろいろな敵が襲い来る中で上手く逮捕できるかは、その時の状況や運にも左右されます。

通常の敵を逮捕するだけでも回復アイテムが出現し、ピックアップして表示される「指名手配犯」を逮捕できればなんと「1UP」のチャンス。逮捕は積極的に狙っていきたいところです。

「Brawl」モードは良い練習になる

本編とは別に、出現する敵をいかに倒し続けられるかを楽しむ「Brawlモード」を収録しています。ステージクリアでストーリーが展開していく本編とは異なり、とにかく生き延び続け、敵を倒し続けることが目的です。

これ自体、スコアアタック的なやり込みを楽しめるモードになっているのですが、いかにダメージを喰らわずに敵を倒すかを突き詰めていけるので、本編の良い「練習」になりました。実際に「Brawl」モードをプレイしたあとの方が、本編で上手く立ち回ることができ、クリアのためのコンティニュー回数が大幅に減りました。レースゲームのタイムアタックモードのような、一石二鳥のゲームモードと言えそうです。

気になったところ

犬がキツい

一撃で倒せる敵の犬(野犬?)なのですが、噛みつかれるとかなり厄介。攻撃もキックしか当たらないので、ほかの敵との交戦中でも容赦なく噛みつかれて、体力を削られてしまいます。予め出現(あるいは襲いかかって来るタイミング)に備えておくしか対策がなく、もう少しプレイヤーの工夫で犬対策できたら良いなあと思いました。

当たり判定がわかりづらい

大味なゲームなのでそこまで気にはなりません。しかし、敵のスタンガン攻撃がキャラクターに届いていないのにビリビリさせられたり、繰り出したパンチが拳じゃなく二の腕あたりの敵にヒットしたり、明らかに不自然で予測不能な当たり判定を感じる場面は多かったように思います。とは言え、本作の場合はそれさえも「狙い」の可能性があるので、それを含めて筆者は楽しめたのですが、人によってはストレスになってしまうかもしれません。

難易度「CASUAL」だと逆に「逮捕」が難しい

敵が柔らかい分、スタン状態になる前に意図せず倒してしまう場面がしばしばありました。「逮捕」は回復アイテムや1UPアイテムをゲットできるチャンスのため、ゲームバランスにも大きく関わります。

ボケか本気かわかりづらい

そもそも!! この世界観やキャラクターたちが「ボケ」(ネタゲーとして作っているもの)なのか「本気」なのかがわかりづらいのです(笑)。それこそ「B級映画」のそれに近い感覚です。その微妙な空気をひっくるめて楽しめるかどうかというのは、非常に重要だと思います。街の消火栓を破壊して投げつけることで敵を倒すことは、はたして正義なのか? 細かいことが気にしたらキリがありません(笑)。

総評:こんなベルトスクロールアクションの新作を2019年に遊ばせてくれる喜び

細かなプレイの感覚に違いはあれど“あの時代”のベルトスクロールアクションの雰囲気を十二分に再現しています。アーケード感覚のやや高めの難易度を「NORMAL」としているあたりに、「自分たちが作りたいから作った」というインディーゲームならではの魅力とこだわりが感じられました。

どうしてこんなに治安が悪いのか、刑事がこんなに暴力的に事件を解決して良いのか、そんな細かいところを気にしたら負け。この「名作B級映画」のような「とりあえず敵を倒せば万事OK」という世界観とゲーム性を楽しんでほしいです。

しかし、ネタバレにもなるので多くは語れませんが、本作のエンディングはなんと「マルチエンディング」となっているため、ストーリー展開、衝撃のラストを楽しみながら、ハッピーなエンディングを目指しましょう。

こんな人にオススメ!

  • 80年代~90年代にベルトスクロールアクションが大好きな人
    「ファイナルファイト」や「ベアナックル」への愛が溢れています。
  • 「カプコン ベルトアクション コレクション」の発売に大興奮した人
    ベルトスクロールアクションゲームは不滅です。
  • 昔のゲームセンター仲間と今でも遊ぶ人
    3人プレイに対応しているのでワチャワチャ楽しめます。
    ※ただし、オンライン通信プレイには対応していないので注意。
  • B級映画が好きな人
    ざっくりと悪党と倒す展開はまるで「午後のロードショー」のよう。

尚、今回は環境が整わず、筆者は3人マルチプレイができませんでした。マルチプレイによって協力プレイ感やカオス度が上がれば、もっと盛り上がりそうなゲームなので、今度はぜひ、ベルトスクロールアクション好きの友人と一緒にプレイしてみようと思います。

【そそれこ】第2回、いかがだったでしょうか。寒暖差がある日が続きますが、外出する際はもちろん、夢中でゲームをプレイするときも、体調には十分気をつけましょう!次回もどうぞお楽しみに!

プロフィール

津久井箇人 a.k.a. そそそ

自称「ゲームソムリエ」として、さまざまなウェブメディアでゲームプレイレポートを執筆。物心付いた頃にはMSXでゲームをプレイしていた根っからのゲーム好き。一方で、アーティスト・声優・ボカロの楽曲を手掛ける作曲家としても活動中。エンタテインメントにおけるプロとインディーの垣根を越えた活動を模索し続けており、近年は自身が代表を務めるサークルである創作集団「S-TRIBE」にてバーチャルYouTuberのプロデュースも行っている。

■Twitter
https://twitter.com/sososo291
■エンタメ創作集団 S-TRIBE 公式サイト
https://s-tri.be/
■エンタメ創作集団 S-TRIBE YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/STRIBE

My Nintendo Store - Raging Justice
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000016546

Raging Justice

Team17

Switchダウンロード

  • 発売日:2019年1月24日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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Raging Justice公式サイト
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